政治の仕組み

個人情報を渡したら、会社は自由に使える?

会社に個人情報を渡しても、利用目的を超えて自由に使ってよいわけではありません。本人は条件に応じて開示・訂正・利用停止などを求められます。ただし、すべての情報を好きな理由で消せる制度ではなく、対象データと請求の理由を確かめます。

基本の用語

ここでは民間事業者が扱う本人のデータを考えます。行政文書を誰でも求める情報公開と、自分の個人データについて本人が求める手続は、対象も条件も違います。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

渡した情報にも利用目的の制約がある

事業者は利用目的を特定し、その達成に必要な範囲を超えて個人情報を扱うには、原則として本人の同意を得る必要があります。申し込みに必要として渡した情報が、無条件で別の目的にも使えるわけではありません。何のために集め、どの利用がその範囲に入るかを見ます。

個人データの第三者提供にも原則として本人同意が必要ですが、法令に基づく場合や、同意を得るのが困難な生命・身体・財産の保護などには例外があります。また、目的達成に必要な委託など、法の条件の下で第三者に当たらない扱いもあります。外へ渡ったという一点だけで適否を決めません。

本人が求める開示は対象を確かめる

本人が開示を求める対象は、事業者が開示や訂正などを行う権限を持つ「保有個人データ」です。世の中にある自分についての記述を、どの会社にも集めて回答させる制度ではありません。請求先、対象の記録、本人であることの確認を整理します。

開示には、本人や第三者の権利利益を害するおそれ、業務の適正な実施への著しい支障、他の法令違反などの例外があります。合理的な実費の範囲で手数料を定めることもできます。例えば、他の情報と照合しない限り本人を識別できないように加工した「仮名加工情報」には、ここで説明する本人の開示等の規定を適用しない特則があります。返答が遅い、全部出ないという結果だけで判断せず、理由と対象を確認します。

事実の誤りと評価への不満を分ける

保有個人データの内容が事実でない場合、本人は訂正・追加・削除を請求できます。事業者は利用目的の達成に必要な範囲で調べ、結果に基づいて対応します。誤った生年月日や経歴の事実と、事業者の評価そのものに納得できないことは、同じ請求理由ではありません。

個人情報保護委員会の説明では、評価そのものへ訂正が及ぶわけではありません。ただし、その評価の根拠となる事実が間違っているなら、事実を訂正する対象になり得ます。「低い評価を消して」よりも、どの記載がどの資料と食い違うかを示す方が、請求の中身を明確にできます。

削除や利用停止にも条件がある

利用停止や消去は、違法な目的外利用や取得などがある場合に限りません。利用する必要がなくなった場合、漏えい等が生じた場合、本人の権利や正当な利益が害されるおそれがある場合にも、法定の条件に応じて請求できます。第三者提供の停止にも、その理由に対応した規定があります。

事業者の義務は、違反を正したり本人の権利利益を守ったりするために必要な限度です。多額の費用などで停止等が困難な場合に、代わりの保護措置をとる例外もあります。理由を問わず全ネット情報を消す権利とは読みません。対象の記録と、止めたい利用を分けて伝えることが大切です。

記録の誤りと評価を分ける

架空の例

ある会社の顧客記録に、本人とは違う生年月日と「対応に注意」という評価が載っているとします。本人は、生年月日の事実を確認して訂正を求めることと、評価への不満を区別します。評価の根拠に別人の対応記録が使われていたなら、その事実の誤りも問題になります。

会社がその情報を何に使い、今も保有する必要があるかによって、利用停止等の問いも変わります。開示・訂正・利用停止を、すべて同じ理由で通る一つの請求としてまとめない例です。

持ち帰る見方

  • 請求先の事業者と対象の保有個人データを確かめる。
  • 事実の訂正と評価への不満を分ける。
  • 利用停止・消去は理由と必要な範囲を確認する。

次に広がる疑問

  • 行政文書の開示請求との違いを読む
  • 両側の利用者を集めるサービスを読む

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出典

  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/415AC0000000057

    確認日:2026-10-04

  • 個人情報保護法ガイドラインに関するQ&A(個人情報保護委員会)https://www.ppc.go.jp/personalinfo/faq/APPI_QA/

    確認日:2026-10-04

本文の出典・補足

渡した情報にも利用目的の制約がある

民間事業者は利用目的を特定し、その達成に必要な範囲を超える利用には原則本人同意が必要。第三者提供にも原則同意と法定例外がある。

対象
民間事業者の利用目的と第三者提供
条件
法の個人情報取扱事業者の目的外利用と個人データ第三者提供
例外・限界
法令、生命身体財産保護等の例外。委託等は27条の第三者に該当しない場合がある。
  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/415AC0000000057

本人が求める開示は対象を確かめる

本人は事業者の権限で開示等できる保有個人データの開示を請求できるが、本人や第三者の権利利益、業務の適正実施、他法違反等の例外がある。

対象
事業者保有個人データの本人開示請求
条件
法16条の保有個人データ。事業者の合理的な本人/対象確認手続を経る
例外・限界
仮名加工情報の特則。通知や開示に合理的実費の手数料を定められる。
  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/415AC0000000057

  • 個人情報保護法ガイドラインに関するQ&A(個人情報保護委員会)https://www.ppc.go.jp/personalinfo/faq/APPI_QA/

事実の誤りと評価への不満を分ける

内容が事実でないときは訂正追加削除を請求できる。評価そのものへの不満と、その根拠となる事実の誤りは区別する。

対象
保有個人データの内容訂正
条件
利用目的達成に必要な範囲で調査し、結果に基づき訂正する
例外・限界
特別な訂正手続が他法にある場合。評価の根拠事実の誤りは訂正対象となり得る。
  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/415AC0000000057

  • 個人情報保護法ガイドラインに関するQ&A(個人情報保護委員会)https://www.ppc.go.jp/personalinfo/faq/APPI_QA/

削除や利用停止にも条件がある

違法な目的外利用等だけでなく、利用不要、漏えい等、本人の権利や正当利益を害するおそれがある場合にも保有個人データの利用停止等を請求できる。

対象
法35条の利用停止消去第三者提供停止請求
条件
請求理由と35条の事由を確認し、違反是正や権利利益保護に必要な限度
例外・限界
多額費用等で困難な場合に代替保護措置の例外。全ネット情報を無条件で消す権利へ広げない。
  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/415AC0000000057

  • 個人情報保護法ガイドラインに関するQ&A(個人情報保護委員会)https://www.ppc.go.jp/personalinfo/faq/APPI_QA/