政治の仕組み

会社が集めた個人情報を、別の会社へ渡してよい?

個人データを第三者に提供するには、本人の事前同意が原則です。ただし、利用目的の達成に必要な委託や、所定事項を事前に知らせる共同利用は、第三者提供の制限での扱いが異なります。委託先の監督などの義務は残ります。

基本の用語

個人情報と、そのうちデータベース等を構成する個人データを区別します。企業間での第三者提供の制限は主に後者を対象とし、紙か電子かだけで線引きするものではありません。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

提供のルールでは「個人データ」を区別する

個人情報は、生きている個人について、氏名などから本人を識別できる情報等を指します。そのうち個人情報データベース等を構成する情報が「個人データ」です。個人データの第三者提供には、原則としてあらかじめ本人の同意が必要です。ここでは民間の事業者の間でデータを渡す場合を考えます。

同意原則には条件付きの例外もあります。法律に基づく場合や、生命・身体・財産を守るために必要で、本人の同意を得ることが困難な場合などです。名前を外しただけで、どの情報も自由に提供できると決まるわけでもありません。

本人の求めに応じて第三者提供を止める「オプトアウト」という別の経路もあります。ただし、必要事項の事前通知等や個人情報保護委員会への届出などが必要で、この経路を使えない情報もあります。知らせておけば、あらゆるデータを同意なく渡せる仕組みではありません。

処理を委託する場合は、利用目的の範囲を確認する

会社が利用目的を達成するために必要な範囲で個人データの取扱いを他社へ委託し、その委託に伴って提供する場合があります。受託者は、個人情報保護法27条の第三者提供の制限では、第三者に当たらない扱いになります。

大切なのは、何のために、どの処理を任せるかです。契約書で相手を「委託先」と呼ぶだけで、利用目的と関係のない使い方まで認められるわけではありません。別会社に渡したという外形だけでも、通常の第三者提供と同じとは決まりません。

委託元は、安全管理の監督をする

第三者に当たらない扱いでも、個人データに関する義務が全部なくなるわけではありません。委託元は、委託したデータの安全管理が図られるよう、委託先に必要かつ適切な監督をしなければなりません。自身にも、漏えいなどを防ぐ安全管理措置の義務があります。

仕事を外へ任せることと、安全管理について相手を監督することは両立します。どのデータを誰が扱うのかを整理して考えます。ただし、法律のこの規定だけで、あらゆる委託に同じ監査回数や同じ契約条項が必要だとは決められません。

共同利用するなら、項目・範囲・責任者を先に知らせる

特定の会社などとデータを共同利用する場合も、27条の第三者に当たらない扱いとなる条件があります。共同利用する旨、データの項目、利用者の範囲、利用目的、管理責任者の氏名又は名称と住所、法人なら代表者氏名を、あらかじめ本人に通知するか、本人が容易に知れる状態に置きます。

グループ企業であるだけで、自動的にこの条件を満たすわけではありません。利用目的や管理責任者を変更する場合は事前の通知等が必要です。責任者の名称や住所、代表者氏名の変更は、遅滞なく知らせるなどのルールがあります。誰が何のために共有するのかを明らかにする仕組みです。

外国へ渡す場合は、国内の区別だけで終えない

外国にある第三者へ提供する場合には、28条の規定もあります。原則として、その外国提供を認める本人の同意と、外国の制度や提供先の保護措置などの事前情報提供が必要です。国内の委託や共同利用という説明だけで、外国提供の条件まで消えるわけではありません。

日本と同等水準と認められた国等や、日本の法律上の措置に相当する措置を継続して講じる体制がある提供先には、別の扱いがあります。後者へ渡す事業者には、その措置の継続を確保し、本人の求めに応じて必要な情報を提供する義務もあります。

別会社に渡す三つの扱い
  • 通常の第三者提供

    事前の本人同意が原則。条件付き例外等もある

  • 利用目的内の委託

    第三者扱いの除外と、委託先監督

  • 所定の共同利用

    項目・利用者・目的・責任者等の事前通知等

27条の適用上の区別です。外国への提供は28条の条件も分けて確認します。

発送の委託と、グループ会社との共同利用

架空の例

通販会社A社が、注文処理の利用目的に必要な範囲で、発送先データの処理をB社へ委託するとします。この委託に伴う提供なら、通常の第三者提供とは異なる扱いになります。A社には、B社で安全管理が図られるよう監督する義務が残ります。

一方、A社とC社がデータを共同利用する設定では、共同利用する項目、会社の範囲、目的、管理責任者等を先に知らせているかを見ます。発送を任せる話と、複数社でデータを使う話では、確認する条件が違います。

持ち帰る見方

  • 別会社への提供でも、通常の第三者提供・委託・共同利用で条件が異なる。
  • 委託先の監督、共同利用の事前通知等、外国提供の条件は残る。

次に広がる疑問

  • 会社の利用目的と、本人が開示等を求める権利を読む
  • 他者へ任せる仕事と監督の問題を比べる
  • 民間企業のデータ提供と、行政文書の公開を分ける

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出典

  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/415AC0000000057_20261001_507AC0000000070

    確認日:2026-10-05

本文の出典・補足

提供のルールでは「個人データ」を区別する

個人情報は生存する個人に関し識別できる情報等で、個人データは個人情報データベース等を構成する個人情報である。個人データの第三者提供には、原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要がある。

対象
日本、2026年10月5日時点。個人情報の保護に関する法律(2026年10月1日施行版)の該当規定。過去の手続・行為は経過措置により適用が異なる場合がある。
条件
個人情報取扱事業者に適用する第四章の企業間個人データ移転を扱う。単に紙か電子かで区別しない。
例外・限界
27条1項には法令、同意取得困難な生命身体財産保護等、国等への法定事務協力、学術研究等の条件つき例外がある。2項には停止対応/事前通知等/委員会届出等のオプトアウト経路と対象除外がある。すべての個人情報移転を27条の個人データ規定だけで判断しない。
  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/415AC0000000057_20261001_507AC0000000070

処理を委託する場合は、利用目的の範囲を確認する

利用目的の達成に必要な範囲内で個人データの取扱いを委託し、その委託に伴って提供する場合、受託者は27条の第三者提供の制限の適用上、第三者に該当しない。

対象
日本、2026年10月5日時点。個人情報の保護に関する法律(2026年10月1日施行版)の該当規定。過去の手続・行為は経過措置により適用が異なる場合がある。
条件
27条5項1号。単に他社を委託先と呼ぶのでなく、目的達成に必要な範囲内の取扱い委託に伴う提供。
例外・限界
「別会社なら必ず第三者提供」「委託契約があれば目的を問わず自由に渡せる」の双方を避ける。第三者扱いの除外は同条の適用関係であって義務全免除ではない。
  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/415AC0000000057_20261001_507AC0000000070

委託元は、安全管理の監督をする

個人データの取扱いを委託する事業者は、委託されたデータの安全管理が図られるよう、委託先に必要かつ適切な監督を行わなければならない。自身の安全管理措置の義務も定められる。

対象
日本、2026年10月5日時点。個人情報の保護に関する法律(2026年10月1日施行版)の該当規定。過去の手続・行為は経過措置により適用が異なる場合がある。
条件
個人情報取扱事業者の個人データ取扱いの全部又は一部の委託、23・25条。
例外・限界
第三者に該当しない取扱いでも監督義務が消えるとはしない。個別契約の必要条項/監査頻度等は法本文だけから一律に設定しない。
  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/415AC0000000057_20261001_507AC0000000070

共同利用するなら、項目・範囲・責任者を先に知らせる

特定の者と個人データを共同利用する場合、その旨、データの項目、利用する者の範囲、利用目的、管理責任者の氏名又は名称・住所・法人代表者氏名を、あらかじめ本人に通知又は容易に知り得る状態に置いていれば、27条の適用上第三者に該当しない。

対象
日本、2026年10月5日時点。個人情報の保護に関する法律(2026年10月1日施行版)の該当規定。過去の手続・行為は経過措置により適用が異なる場合がある。
条件
特定の者との共同利用で、27条5項3号の事項をあらかじめ本人に通知するか、本人が容易に知り得る状態に置く必要がある。
例外・限界
グループ企業なら自動的に共同利用として除外とはしない。責任者名称/住所/代表者の変更は遅滞なく、目的又は責任者の変更はあらかじめ通知等(6項)。共同利用だけで外国移転の別規定も消えるとはしない。
  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/415AC0000000057_20261001_507AC0000000070

外国へ渡す場合は、国内の区別だけで終えない

外国にある第三者への個人データ提供には28条の規定があり、原則としてその外国提供を認める旨の本人同意と事前の参考情報提供が必要となる。相当措置の体制を整えた提供先等には別の取扱いがある。

対象
日本、2026年10月5日時点。個人情報の保護に関する法律(2026年10月1日施行版)の該当規定。過去の手続・行為は経過措置により適用が異なる場合がある。
条件
28条1項の外国/第三者定義と除外。27条1項各号の例外あり。同意経路では外国制度/提供先の措置等を事前情報提供。
例外・限界
委員会規則指定の同等水準国等は1項の外国定義から除外、相当措置体制のある者は1項の第三者定義から除外し3項の継続確保・情報提供義務がある。
  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/415AC0000000057_20261001_507AC0000000070