政治の仕組み

行政が持つ情報は全部公開される?

行政が持つ情報も、全部が無条件で公開されるわけではありません。国の行政機関の文書には開示請求の制度がありますが、個人の権利や安全などを守る不開示の条件もあります。文書の一部だけを開示する場合や、そもそも保有していない場合を分けて読みます。

基本の用語

開示請求は、行政が組織的に使い、保有している文書を求める制度です。公開済みの資料を探すこと、新しい回答や分析を作ってもらうこと、既存文書の開示を求めることは別です。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

請求するのは、保有されている行政文書

国の情報公開法は、誰でも行政機関の長へ行政文書の開示を請求できると定めています。対象は、職員が職務で作成・取得し、組織的に用いるものとして保有している文書、図画、電磁的記録などです。世の中の全ての情報を、行政が収集して答える制度ではありません。

文書を求めるときは、担当機関と対象を具体的に確かめます。「政策の全て」と広く考えるより、どの制度の、どの時期の、どんな記録が必要かを整理すると問いが絞れます。また、この法律を国会、裁判所、自治体などへ一律に当てはめることはできません。相手の組織に対応する制度を確認します。

守るべき情報には、不開示の条件がある

法律は、個人を識別できる情報や権利利益を害するおそれのある情報、法人の正当な利益、国の安全、捜査などに関わる情報について、不開示の条件を定めています。審議や検討、行政の事務に関する情報にも、公開による支障などの条件があります。単に行政に不都合だという説明だけで済むものではありません。

ただし、個人情報や検討中という名前が付けば、その文書を全部隠してよいという規定でもありません。各号の要件と例外を確認します。何を守るために、どの部分がその条件に当たるのかが重要です。公開する利益と、他の人の権利や安全を守る条件の両方を見て、個別の決定を読みます。

文書全体を隠す前に、部分を分ける

文書の一部に不開示情報があっても、容易に区分して除くことができる場合は、原則として残る部分を開示する規定があります。ただし、残りに意味のある情報がないと認められる場合などの例外もあります。一枚の文書に公開できる部分と、守るべき部分が混在する可能性を考えます。

したがって、黒く塗られた箇所を見たことだけで、その文書全体が隠されたとか、全てが不正な隠蔽だとは決めません。一方、黒塗りだから全て正しいとも保証できません。どの不開示条件を、どの部分へ適用したかを、決定の内容と対象文書に沿って確認する必要があります。

不開示の理由と、保有していない理由を分ける

法律上、行政機関が対象の文書を保有していない場合も、開示しない決定の扱いに含まれます。情報はあるが条件により開示しない場合と、請求した機関が文書を持っていない場合では、次に確かめる疑問が異なります。「不開示」という結果の一語だけで同じ理由と読まないようにします。

文書がないことから、直ちに不正な廃棄や記録の隠蔽を断定することもできません。どの文書を求め、どの機関が何を理由に決定したかを確かめます。開示で得た文書も、全ての判断を網羅するとは限りません。文書の作成時点と対象を保って読み、確認できた範囲から次の問いへ進みます。

支援制度の説明資料と申請者の情報

架空の支援制度の運用資料に、制度の説明と申請者個人の情報が一緒に載っているとします。個人の情報を守る条件があっても、他の部分を区分して開示できるかという問いが残ります。文書全体の公開か非公開かという二択だけではありません。

別の機関へ同じ文書を請求して「保有していない」とされた場合は、担当と求めた文書の範囲を確かめます。この例は特定の開示決定の適否を示すものではなく、不開示情報と文書の未保有を読み分けるためのものです。

考えるときの注意点

  • 個別文書の不開示の適否や記録の不存在の原因を断定しない。

持ち帰る見方

  • 行政文書の対象と保有する機関を確かめる。
  • 不開示の条件と、部分開示の可能性を分ける。
  • 未保有を、情報がある場合の不開示と混同しない。

次に広がる疑問

  • 行政の決定を争う制度を知る
  • 政治活動の収支の公開を知る
  • 案の資料と決定の理由を読む

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出典

  • 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/411AC0000000042

    確認日:2026-10-04

本文の出典・補足

請求するのは、保有されている行政文書

国の行政機関が組織的に用い保有する行政文書は誰でも開示請求できる。

対象
2–4条
条件
法律対象の行政機関。
例外・限界
国会・裁判所・地方等に同法を一律適用しない。
  • 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/411AC0000000042

守るべき情報には、不開示の条件がある

個人情報・法人利益・国の安全・捜査・審議・行政事務の支障等の不開示情報には法定条件がある。

対象
5条各号
条件
具体的要件と各号例外あり。
例外・限界
個人情報・検討中という名前だけで全て非公開とはしない。
  • 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/411AC0000000042

文書全体を隠す前に、部分を分ける

不開示部分を容易に分けられる等の場合に部分開示を要する。

対象
6条
条件
残部に有意の情報がない場合など例外。
例外・限界
黒塗りだけで隠蔽と断定しない。
  • 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/411AC0000000042

不開示の理由と、保有していない理由を分ける

保有していない場合も不開示決定に含まれ、開示可否の決定と通知がある。

対象
9条、2条
条件
決定理由・対象文書を確認。
例外・限界
未保有を不正な廃棄と即断しない。
  • 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/411AC0000000042