政治の仕組み

裁判の秘密部分が読めないとき、制限の取消しを求められる?

民事訴訟記録の秘密部分について、第三者が閲覧等を請求できる人を限定する決定があっても、要件がない又はなくなったことを理由に取消しを申し立てる道があります。記録全体と秘密部分、申立て中の制限、決定の取消しが効く時点を分けます。

基本の用語

法廷の傍聴と記録の閲覧は別です。通常の民事記録の閲覧・写しの基本は公開裁判の記事で確認し、ここでは民事訴訟法92条の秘密保護の制限と、その後の手続を中心に扱います。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

閲覧と写しの取得は対象者が違う

民事訴訟法には、非電磁的記録と電磁的記録について、原則として何人も閲覧を請求できる制度があります。写し等は当事者又は利害関係を疎明した第三者という条件があり、公開禁止の口頭弁論や所定の和解部分等には別の制限があります。

そこで、読めないという説明を受けたら、どの記録のどの部分を、どの理由で読めないのかを分けます。紙か電子か、閲覧か写しの取得か、秘密保護の決定があるかによって、確かめる条文と手続は異なります。

重大な私生活の秘密や営業秘密は保護される

92条が保護する私生活の秘密は、重大な秘密が記載・記録され、第三者の閲覧等によって当事者の社会生活に著しい支障が生じるおそれがあるものです。単に個人の情報があるという名称だけで、この要件を満たすと決めることはできません。

当事者が保有する法定の営業秘密にも保護の規定があります。これらの事由を疎明した当事者の申立てにより、裁判所は秘密記載部分の閲覧等を請求できる人を当事者に限る決定ができます。対象は、決定が扱う秘密部分です。

ある部分が制限されたことを、訴訟記録の全部が消えたとか、事件全体が非公開になったと読み替えません。制限対象の部分、保護の事由、決定の内容を対応させると、公開の基本と秘密保護がどこで関係しているかが見えます。

申立ての間の制限と取消しを確認する

秘密保護の申立てがあったときは、その申立てへの裁判が確定するまで、第三者は秘密記載部分の閲覧等を請求できません。申立ての後、まだ決定が確定していない期間にも制限があるため、「決定前だから必ず読める」とは考えません。

制限決定後、秘密部分を読みたい第三者は、要件を欠く又は要件を欠くに至ったことを理由に、記録のある裁判所へ決定の取消しを申し立てられます。公開に関心があるという希望だけでなく、保護の要件について何が問題かを具体化します。

例えば、最初から所定の秘密に当たらないと考える場合と、後に状況が変わり保護の条件がなくなったと考える場合は、説明する事情が違います。制限の存在に対する不満と、条文の要件がないという理由を区別して整理します。

取消しの申立てに対する裁判には即時抗告ができる規定があります。また、制限決定を取り消す裁判は、確定しなければ効力を生じません。申立てたこと、取消しを認める裁判がされたこと、実際に取消しが効くことの間には段階があります。

秘密部分の制限を追う
  1. 秘密保護の申立て

    裁判確定まで第三者の請求を制限

  2. 制限決定

    対象の秘密部分と要件を確認

  3. 取消し

    第三者の申立て・裁判・確定を確認

取消しを認める裁判は、確定してから効力を生じます。

架空の営業秘密部分を読みたい第三者

民事事件の記録の一部に営業秘密があるとして閲覧等の制限決定がされ、第三者Hがその部分を読みたいとします。Hは記録の他の部分まで一括して読めないのかを確認し、制限対象を区別します。

Hが、後に事情が変わり営業秘密の要件がなくなったと考えるなら、その理由を具体化して取消しの申立てを検討します。申立書を出しただけで、その日から秘密部分を読めるとは置きません。取消しを認める裁判があっても、確定と効力を続けて確認します。

持ち帰る見方

  • 読めない部分と、制限の根拠・段階を確かめる。
  • 取消しの申立てと、取消しが効いた結果を分ける。

次に広がる疑問

  • 行政が持つ情報は全部公開される?
  • 民事裁判で「言った・言わない」はどう確かめる?

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出典

  • 民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109

    確認日:2026-10-07

本文の出典・補足

閲覧と写しの取得は対象者が違う

民事の非電磁的記録は何人も閲覧を請求でき、謄写や正本等は当事者と利害関係を疎明した第三者が請求できる。電磁的記録にも閲覧と所定の複写の制度がある。

対象
日本の訴訟記録閲覧・謄写と秘密保護の制限。2026年10月7日現在。
条件
民事訴訟法91条、91条の2。
例外・限界
公開禁止口頭弁論や所定の和解部分は閲覧も限定。保存・執務の支障がある場合は請求できない。
  • 民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109

重大な私生活の秘密や営業秘密は保護される

所定の私生活の重大な秘密と社会生活への著しい支障のおそれ、又は営業秘密が疎明されると、裁判所は当事者の申立てにより秘密記載部分の閲覧等を当事者に限定できる。

対象
日本の訴訟記録閲覧・謄写と秘密保護の制限。2026年10月7日現在。
条件
92条1項。
例外・限界
個人情報という名称だけで記録全体が非公開になる規定ではない。
  • 民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109

申立ての間の制限と取消しを確認する

秘密保護の申立てから裁判確定まで第三者はその部分の閲覧等を請求できず、要件がない又は失われたことを理由に第三者が制限決定の取消しを申し立てられる。

対象
日本の訴訟記録閲覧・謄写と秘密保護の制限。2026年10月7日現在。
条件
92条2〜5項。
例外・限界
制限取消しは確定しなければ効力を生じない。電子記録の安全管理等の特則もある。
  • 民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109