政治の仕組み

役所に出した個人情報は、別の行政目的にも使われる?

役所へ渡した個人情報も、行政目的なら何にでも使えるわけではありません。保有には事務上の必要性と特定された利用目的が求められ、目的外の利用・提供は原則禁止です。法令に基づく場合と法律に列挙された例外を分け、内部利用や他の行政機関等への提供の例外では、必要な限度と相当な理由を確認します。

基本の用語

行政機関等の内部で別の仕事に使うことと、他の機関へ提供することを区別します。同じ役所の情報であることだけでは、どちらも自由に行えるとは限りません。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

役所も目的を決めて保有する

行政機関等が個人情報を保有できるのは、法令の定める事務や業務を遂行するために必要な場合に限られます。利用目的をできる限り特定し、その達成に必要な範囲を超えて保有してはなりません。集めた方がいつか便利かもしれない、というだけで無限定に持てる仕組みではありません。

利用目的を変更するときにも制限があります。変更前の目的と相当の関連性があると合理的に認められる範囲を超えて変更できません。最初の目的、後の目的、両者の関連を順に見ます。目的の名前を書き換えたから、その情報の利用を何でも認めるという制度ではありません。

目的外利用の例外を検討するときは、内部利用と他機関への提供を区別します。内部なら自分の機関のどの事務で使うのか、提供なら受ける機関がどの法定事務に使うのかを見ます。同じ情報を同じ行政目的だと大きく括るより、利用する側と具体的な仕事を対応させると、該当する例外の条件を検討しやすくなります。

目的外の利用と提供には根拠がいる

個人情報保護法69条1項は、法令に基づく場合を除き、保有個人情報の目的外利用・提供を禁止します。それとは別に、2項には本人の同意がある場合や本人に提供する場合などの例外が列挙されています。法令に基づく場合と、2項の各号に当てはめる場合では、根拠の確認を分けます。本人同意がないという事実だけで、全ての利用が違法とは決められません。

2項2号の内部利用では、法令上の事務の遂行に必要な限度であり、その利用について相当な理由があることが条件です。3号による他の行政機関等への提供でも、受ける側の法定事務に必要な限度と相当な理由を確かめます。この二つの要件を、法令に基づく場合や本人同意など全ての経路に一律に広げず、どの根拠を使うのかを具体化します。

例外にも本人保護の歯止めがある

69条2項の各号に該当しても、本人又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められる場合には、同項の例外は使えません。また、2項は他の法令にある利用・提供の制限を取り除く規定でもありません。行政機関同士なら無条件に共有できる、という読み方にはならないことが重要です。

70条は、元の利用目的のための提供、又は69条2項3号・4号による提供を対象にします。その場合、必要があると認めるときは、受ける側に利用目的・方法などの制限や漏えい防止等の管理措置を求めます。目的外提供なら全て同じ規定が働くと括らず、提供の根拠とこの措置要求の対象を対応させます。

さらに、必要な情報の範囲と保有している情報全部を区別します。ある事務に役立つ情報が含まれることから、記録を丸ごと共有してよいと結論を広げません。根拠となる条項、使う項目、目的、管理措置を別々に確かめると、適法性の問いと便利さの評価を混同しにくくなります。

別部署で連絡先を使いたいとき(架空の例)

役所が、相談業務で集めた連絡先を別部署の業務でも使いたいとします。別部署も行政の仕事をしている、という説明だけでは条件の確認が終わりません。

まず、法令に基づく利用なのか、69条2項の例外を使うのかを分けます。2項2号の内部利用として検討するなら、法定事務に必要な限度と相当な理由に加え、本人等の権利利益を不当に侵害するおそれがないかを見ます。単に便利だからという理由と、該当する号の要件に即した理由を区別します。

持ち帰る見方

  • 保有の必要性、利用目的、目的外利用の根拠を順に確認する。
  • 法令の根拠と各例外を分け、それぞれの条件と本人等の保護を確認する。

次に広がる疑問

  • 会社が集めた個人情報を、別の会社へ渡してよい?
  • 個人情報を渡したら、会社は自由に使える?
  • 役所の記録に自分の事実が間違っていたら、訂正を求められる?

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出典

  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/415AC0000000057

    確認日:2026-10-05

本文の出典・補足

役所も目的を決めて保有する

行政機関等は法令上の事務・業務に必要な場合に限り個人情報を保有し、利用目的をできる限り特定する。目的変更は相当の関連性を合理的に認める範囲を超えられない。

対象
個人情報の保護に関する法律対象施行版 415AC0000000057_20261001_507AC0000000070
条件
個人情報保護法61条。
例外・限界
必要な範囲を超える保有は不可。
  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/415AC0000000057

目的外の利用と提供には根拠がいる

法令に基づく場合を除き目的外利用・提供は原則禁止だが、本人同意、必要な限度かつ相当な理由のある内部利用・他機関提供等の法定例外がある。

対象
個人情報の保護に関する法律対象施行版 415AC0000000057_20261001_507AC0000000070
条件
69条1・2項。
例外・限界
行政の仕事であることだけでは例外の条件を満たさない。
  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/415AC0000000057

例外にも本人保護の歯止めがある

69条2項の例外でも本人等の権利利益を不当に侵害するおそれがある場合は認められず、他法の制限を妨げない。提供時には必要に応じ利用目的・方法の制限や漏えい防止等の措置を求める。

対象
個人情報の保護に関する法律対象施行版 415AC0000000057_20261001_507AC0000000070
条件
69条2–4項・70条。
例外・限界
匿名統計の公開と個人を識別できる保有個人情報の提供を混同しない。
  • 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/415AC0000000057