税と再分配

年末調整が済んだ会社員も、確定申告が必要?

必要になる場合があります。年末調整は給与についての精算で、ほかの所得や給与の受け方まで一律に申告不要にする制度ではありません。給与年収、給与の支払先、給与以外の所得を分け、所得税の申告義務の条件と、還付のために申告する場合の扱いを確認します。

基本の用語

年末調整は勤務先が行う所得税の精算、確定申告は本人が年間の所得などをまとめる手続です。給与の収入額と、経費等を差し引いた所得金額は違います。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

年末調整で完了する人と、申告が必要な人

国税庁の2026年4月1日現在の案内は、確定申告で還付となる人を除き、給与収入が2,000万円を超える人などを申告が必要な給与所得者に挙げています。また、1か所から源泉徴収の対象となる給与を受け、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える場合も挙げています。

ここでの条件は、給与をどう受けたかと、ほかの所得がいくらかの組合せです。勤務先で年末調整をしたという一つの事実だけでは、該当するかを決められません。給与の支払先、源泉徴収の対象、年額、ほかの所得を並べると、どの条件を使うのかが分かります。

2か所以上から給与を受ける場合には、年末調整されなかった給与の収入と、給与・退職以外の所得を合わせるなど別の条件や例外があります。同族会社の役員等が会社から貸付利息や賃貸料を受ける場合にも別の扱いがあります。1か所給与の説明を、すべての働き方へ広げません。

20万円は、売上全体ではなく所得で見る

1か所給与などの条件で使う20万円は、給与所得と退職所得を除く所得金額の合計です。副業の売上や振込額そのものが20万円かどうかだけを見るとは限りません。事業・雑所得などでは、必要経費を考慮して所得を求め、その合計を基準と比べます。

必要経費は、自分が支払ったお金を何でも引く計算ではありません。仕事に必要な支出か、私生活と共用する部分をどう分けるかなどの要件があります。収入が30万円で支出が15万円だから必ず所得15万円、と領収書の合計だけから結論にしないようにします。

また、源泉分離課税の所得や、申告不要を選べる一定の所得などには別の扱いがあります。何の所得を合算しているかを先に確認します。この20万円の説明は所得税の申告義務についてのものなので、住民税の申告も同じ条件で済むと判断せず、自治体の案内を別に確かめます。

還付のため申告するなら、対象所得をまとめる

給与以外の所得が20万円以下で、その条件では所得税の申告義務がなくても、医療費控除などのために還付申告する場合があります。国税庁のQ&Aは、その場合には20万円以下の所得も併せて申告する必要があると説明しています。

20万円を、いつでも税金の計算から除いてよい非課税枠と捉えると、この違いが理解できなくなります。一定の人が申告しなくてもよい条件と、申告する際にどの所得を含めるかは別の問いです。還付を受けたい支出だけを載せ、対象となるほかの所得を省くことはできません。

整理の順番は、まず給与とほかの所得を区分し、申告義務があるかを確認することです。そのうえで、義務がなくても還付申告をするか、申告するならどの所得をまとめるかを読みます。年末調整が終わったという安心感から、追加の所得や申告目的を見落とさないことが大切です。

20万円以下でも、還付申告には含める

架空のAさんは、1か所から源泉徴収対象の給与を受け、年末調整を済ませました。給与年収が2,000万円以下で、ほかの申告義務の条件には該当せず、副業は収入30万円、適法な必要経費15万円だけとします。副業の所得は15万円です。

この15万円について20万円基準で申告義務がなくても、医療費控除の還付申告をするなら、副業の所得も併せて申告します。売上30万円と所得15万円、申告義務と還付申告という二つの区別が、この例のポイントです。

持ち帰る見方

  • 年末調整だけで、すべての申告義務を決めない。
  • 20万円の基準は、対象となる所得の合計で読む。
  • 還付申告では、20万円以下の対象所得も含める。

次に広がる疑問

  • 所得税は年収全体に同じ税率を掛ける?
  • 青色申告を選べば、帳簿なしでも税が軽くなる?

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出典

  • No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm

    確認日:2026-10-04

  • No.2210 必要経費の知識(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm

    確認日:2026-10-07

  • No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900_qa.htm

    確認日:2026-10-07

本文の出典・補足

年末調整で完了する人と、申告が必要な人

給与年収2000万円超や、1か所から源泉徴収対象給与を受けその他所得合計20万円超等の場合は確定申告を要する。

対象
NTA1900、2026-04-01現在法令等。 2026-10-07取得本文に照合した範囲。
条件
NTA1900、2026-04-01現在法令等。
例外・限界
確定申告で還付になる人を除く。複数給与や同族役員等には別条件。
  • No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm

20万円は、売上全体ではなく所得で見る

1か所給与等の条件を満たす人の20万円基準は、給与所得・退職所得を除く所得金額の合計で判断する。

対象
NTA1900・2210。 2026-10-07取得本文に照合した範囲。
条件
NTA1900・2210。
例外・限界
源泉分離や申告不要を選ぶ一定所得等は別扱い。住民税の扱いまで同じ基準としない。
  • No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm

  • No.2210 必要経費の知識(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm

還付のため申告するなら、対象所得をまとめる

20万円以下で申告義務がなくても医療費控除等の還付申告をする際はその所得も併せて申告する。

対象
NTA1900_qa。 2026-10-07取得本文に照合した範囲。
条件
NTA1900_qa。
例外・限界
20万円が非課税枠であるという読み方はしない。
  • No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900_qa.htm