財政と暮らし

財産を相続したら、全員に相続税が掛かる?

相続した人全員に相続税が掛かるわけではありません。遺産を税のルールに沿って評価し、債務などを調整した額を、基礎控除と比べます。ただし、手元の預金額だけで判断できる仕組みでもありません。生前の贈与には別の課税があり、相続の計算とつながる場合もあります。

基本の用語

被相続人は亡くなった人、相続人は財産を引き継ぐ人です。基礎控除は、相続税の課税対象を求める際に遺産全体から差し引く額です。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

遺産の合計から、控除を経て課税対象を求める

相続税を考える出発点は、一人の相続人が受け取った現金だけではありません。相続や遺贈で取得した財産などを税のルールで評価し、非課税財産、債務、葬式費用などを調整して、正味の遺産額を求めます。相続時精算課税の財産や、加算対象の生前贈与が関わる場合もあります。

基礎控除は、国税庁の2026年4月1日現在の案内では、3,000万円に「600万円×法定相続人の数」を加えた額です。正味の遺産額がこれを超える部分が課税遺産総額です。財産が一円でもあれば必ず課税される仕組みではありません。

法定相続人の数にも計算上のルールがあり、養子を何人でも無制限に加えられるわけではありません。また、国外にある財産の範囲は、住所や国籍などの条件でも変わります。家族の人数や銀行口座の残高だけを聞いて、税額や申告の要否を即断しないことが大切です。

生前にもらう場合は、別の課税を確認する

個人から生前に財産をもらった場合には、贈与税を考えます。法人から財産をもらう場合は、贈与税ではなく所得税の対象になります。お金を受け取ったという見た目だけで、相続税と同じ計算をすることはできません。

贈与税には暦年課税と相続時精算課税があります。暦年課税では、受け取った人が1月から12月までに贈与で得た財産の合計を基にします。2026年4月1日現在の基礎控除110万円は、贈与者一人ごとに使う額ではありません。複数の人からもらった場合も、受け取った側の一年の合計が要点です。

相続時精算課税は、一定の要件の下で選択する別の方法です。贈与者ごとの財産と相続時の計算がつながるため、単に暦年課税の控除額を大きくした仕組みとは言えません。方式を確認せず、別の方法の控除や計算を組み合わせないようにします。

相続と贈与を、別々の計算だけで終えない

財産を生前に渡せば、その財産が相続税と常に無関係になるとは限りません。相続時精算課税の適用財産や、一定期間の暦年課税の贈与を相続の計算へ加える扱いがあります。贈与を行った年と、相続が始まった時点の両方が関係します。

加算される期間などには改正に伴う取扱いの違いがあります。過去の贈与の説明を、そのまま今後のどの相続にも当てはめないことが必要です。「贈与税がその年に掛からなかった」という話と、「将来の相続税の計算に全く入らない」という話を分けます。

財産の種類と、移転の時点をそろえて確認する

確認する順序は、誰から誰へ、いつ、どの財産が移ったかを整理し、相続なのか贈与なのか、どの課税方法なのかを確かめることです。その後に、評価、債務などの調整、控除、申告の条件を見ます。財産の合計を求める段階と、個人の税額を求める段階も区別します。

基礎控除を超える課税遺産があるかという基本と、特例まで使った最終的な税額や申告の扱いは同じ問いではありません。制度の構造を押さえた上で、移転時点の公式資料と本人の状況を対応させます。

基礎控除と比べるのは、調整後の遺産

架空の相続で、法定相続人を2人と仮定すると、上記の基礎控除は4,200万円です。税の評価と必要な調整を終えた遺産額が4,000万円なら、基礎控除を超える課税遺産総額はありません。5,000万円なら、超える部分は800万円になります。

800万円がそのまま税額になるわけでも、2人が各400万円の税を払うわけでもありません。国外財産や個別の特例などを置かない例で、課税する基礎の額と納税額を区別しています。

持ち帰る見方

  • 財産を相続したことだけでは、相続税の有無は決まらない。
  • 贈与税の暦年課税は、受け取った人の年間合計を見る。
  • 生前贈与と相続の計算がつながる場合がある。

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出典

  • No.4102 相続税がかかる場合(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4102.htm

    確認日:2026-10-04

  • No.4402 贈与税がかかる場合(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm

    確認日:2026-10-04

本文の出典・補足

遺産の合計から、控除を経て課税対象を求める

相続税は調整後の遺産額と基礎控除を比べ、超える部分を課税遺産総額とする。

対象
4102概要/基礎控除
条件
債務・非課税・加算対象贈与等を調整。基礎控除3,000万円+600万円×法定相続人数。
例外・限界
養子人数制限、国外範囲、特例による申告要否等を別に確認。
  • No.4102 相続税がかかる場合(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4102.htm

生前にもらう場合は、別の課税を確認する

個人からの贈与には贈与税、法人からの贈与には所得税が掛かり、贈与税には暦年課税と相続時精算課税がある。

対象
4402概要/課税方法
条件
暦年課税110万円は受贈者の年間合計基準。
例外・限界
相続時精算課税等の条件、みなし贈与等。
  • No.4402 贈与税がかかる場合(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm

相続と贈与を、別々の計算だけで終えない

生前贈与した財産が相続時に加算される制度があるため、生前移転なら相続税と無関係とは言えない。

対象
4102注・4402相続時精算課税
条件
贈与時点・死亡時点・方式による。
例外・限界
加算期間は施行時点により異なる。節税効果の推計をしない。
  • No.4102 相続税がかかる場合(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4102.htm

  • No.4402 贈与税がかかる場合(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm

財産の種類と、移転の時点をそろえて確認する

相続税は調整後の遺産額と基礎控除を比べ、超える部分を課税遺産総額とする。

対象
4102概要/基礎控除
条件
債務・非課税・加算対象贈与等を調整。基礎控除3,000万円+600万円×法定相続人数。
例外・限界
養子人数制限、国外範囲、特例による申告要否等を別に確認。
  • No.4102 相続税がかかる場合(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4102.htm

個人からの贈与には贈与税、法人からの贈与には所得税が掛かり、贈与税には暦年課税と相続時精算課税がある。

対象
4402概要/課税方法
条件
暦年課税110万円は受贈者の年間合計基準。
例外・限界
相続時精算課税等の条件、みなし贈与等。
  • No.4402 贈与税がかかる場合(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm

生前贈与した財産が相続時に加算される制度があるため、生前移転なら相続税と無関係とは言えない。

対象
4102注・4402相続時精算課税
条件
贈与時点・死亡時点・方式による。
例外・限界
加算期間は施行時点により異なる。節税効果の推計をしない。
  • No.4102 相続税がかかる場合(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4102.htm

  • No.4402 贈与税がかかる場合(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm