経済の基礎

二社が作る量を先に決めると、価格はどう決まる?

二社が作る量を同時に選ぶ模型では、両社の合計数量が需要に対応する価格を決めます。相手の量を固定したときの自社の最善をそれぞれ求め、両方が同時に成り立つ点がCournot均衡です。価格を直接選ぶ競争とは、違う結果になります。

基本の用語

寡占では相手の選択が自社の得へ関わります。ここでは同じ商品を二社が売り、数量を戦略として選びます。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

作る量を決め、合計から価格が決まる

二社とも同じ商品を作り、その全体の販売量が増えるほど市場価格が下がるとします。各社は作る量を同時に決め、その合計から価格が決まります。値札を自分で一つ決め、安い店へ全ての客が行く競争とは、選んでいるものが違います。

自社が増産すると販売する個数が増えますが、価格が下がるため、もともと売っていた分の収入も減ります。追加の一個の販売価格だけを追加収入として使うと、この値下がりを見落とします。総売上の変化と追加費用を合わせて、自社の利益を比べます。

模型には市場全体の逆需要、各社の費用、選べる数量が必要です。ここでは同じ一定の限界費用、設備能力の制限なしを置きます。売り手が二社という情報だけから、数量や価格の答えは決まりません。

相手の量ごとに、自社の最善を求める

相手が20単位を作るなら、自社が作る量だけを変え、最も利益の高い量を求めます。相手が30単位の場合も求め直します。相手数量に対応する自社の最善数量を並べたものが、最適反応、または反応曲線です。

線形の逆需要と一定限界費用なら、相手の数量が増えるほど、自社が選ぶ最善数量は減る形になります。相手の生産が市場の価格を下げ、自社が増産する得を小さくするためです。ただし、この負の関係を全ての需要や費用の形へ一般化しません。

相手の量を固定するのは、一社だけの変更で得をするかを調べるためです。両社が同時に全体利益を最大にする計算とは違います。市場全体の利益を大きくする量が存在しても、各社がその量を守る誘因があるとは限りません。

両社の最善が、一緒に成立する点を見る

両社の反応が互いに一致する点では、相手がその数量を選んでいる限り、自社だけ変えても得になりません。この数量の組がCournot均衡です。片方の最善だけを計算して終えるのではなく、もう片方にとっても最善かを確かめることが必要です。

対称な需要と費用で両社の内点解を求める単純な模型では、両社が同じ量を生産します。同じになるのは企業数が二だからではなく、条件が対称だからです。費用が違う、容量が違うなどの設定なら数量も変わります。

均衡は、会社が実際に何回の交渉や調整でそこへ達するかを説明したものではありません。模型と実際の価格を比較する前に、企業が数量を先に拘束する市場か、価格で競う市場かを見ます。価格競争や先行する数量選択へ切り替えると、同じ需要でも答えが変わります。

反応曲線を使うとき、相手の数量が需要を満たし切るほど大きければ、自社の計算式が負の数量を返すことがあります。数量を非負に制限する模型なら、その範囲では生産ゼロを候補にします。内点の式は、全ての相手数量でそのまま使えるわけではありません。

架空の例均衡候補の数量を検算する
  • Aの数量30

    Bが30ならAの最善も30。価格60、利益900。

  • Aだけ40へ

    Bが30のままなら価格50、A利益800。改善しない。

逆需要P=120−Q、両社限界費用30、数量は非負の連続値です。

同時に量を決める架空の二社

逆需要をP=120−Q、Qは二社の合計、限界費用を両社30とします。Aの利益は(90−qA−qB)×qA。相手量qBを固定すると、Aの最善はqA=(90−qB)÷2です。Bも同じ式です。

両社が30ずつなら互いの最善は30で一致します。合計60、価格60、各利益900です。Aだけ40へ変えると合計70、価格50で利益800となり減ります。この比較は数量が連続的に選べる線形模型の検算です。

持ち帰る見方

  • 自社の増産は、既存分も含めて市場価格を下げる。
  • 相手量ごとの最適反応を、両社について求める。
  • 数量競争の均衡を、二社市場全般の予測へ広げない。

次に広がる疑問

  • 二社が価格を同時に選ぶと、結果は違う?
  • 先に量を決め、相手が後から選ぶと?

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出典

  • Lecture Summary 13: Oligopoly — MIT 14.01 (2023)(MIT OpenCourseWare / Jonathan Gruber)https://ocw.mit.edu/courses/14-01-principles-of-microeconomics-fall-2023/mit14_01_f23_lec13.pdf

    確認日:2026-10-07

本文の出典・補足

作る量を決め、合計から価格が決まる

Cournot均衡は、他社の数量を一定としたとき各社が自社数量だけを変えても利益を増やせない数量の組である。

対象
線形需要と一定限界費用のCournot二社模型で、他社数量を固定した最適反応と相互の交点を具体計算する。
条件
同質財、二社の同時数量選択、相手数量は変更しない一方的比較、線形逆需要、同じ一定限界費用、数量非負、内点解。
例外・限界
均衡は実際の価格調整速度を示さない。価格選択・能力制約・差別化・繰返しなら別模型。
  • Lecture Summary 13: Oligopoly — MIT 14.01 (2023)(MIT OpenCourseWare / Jonathan Gruber)https://ocw.mit.edu/courses/14-01-principles-of-microeconomics-fall-2023/mit14_01_f23_lec13.pdf

相手の量ごとに、自社の最善を求める

反応曲線は他社数量に対する利益最大化数量を表し、均衡は反応曲線の交点で求める。

対象
線形需要と一定限界費用のCournot二社模型で、他社数量を固定した最適反応と相互の交点を具体計算する。
条件
同質財、二社の同時数量選択、相手数量は変更しない一方的比較、線形逆需要、同じ一定限界費用、数量非負、内点解。
例外・限界
均衡は実際の価格調整速度を示さない。価格選択・能力制約・差別化・繰返しなら別模型。
  • Lecture Summary 13: Oligopoly — MIT 14.01 (2023)(MIT OpenCourseWare / Jonathan Gruber)https://ocw.mit.edu/courses/14-01-principles-of-microeconomics-fall-2023/mit14_01_f23_lec13.pdf

両社の最善が、一緒に成立する点を見る

同質財で数量を選ぶ模型では総量が価格を決め、売上の変化を含めた利益最大化から各社の反応を解く。

対象
線形需要と一定限界費用のCournot二社模型で、他社数量を固定した最適反応と相互の交点を具体計算する。
条件
同質財、二社の同時数量選択、相手数量は変更しない一方的比較、線形逆需要、同じ一定限界費用、数量非負、内点解。
例外・限界
均衡は実際の価格調整速度を示さない。価格選択・能力制約・差別化・繰返しなら別模型。
  • Lecture Summary 13: Oligopoly — MIT 14.01 (2023)(MIT OpenCourseWare / Jonathan Gruber)https://ocw.mit.edu/courses/14-01-principles-of-microeconomics-fall-2023/mit14_01_f23_lec13.pdf