経済の基礎

全員で分けた利益でも、一部の仲間が抜けたくなる?

コアは、全員の価値を分け切り、どの部分集団にも自分たちだけでより多く得る余地を与えない配分の集合です。公平な一点を選ぶ原理とは違い、価値表によってはその集合が空になります。

基本の用語

どの集団が幾らの価値を作るかを指定する協力ゲームを使います。価値を金銭のように集団内で移せると置き、各集団への配分合計を、その集団だけで作れる価値と比べます。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

一部の仲間の離脱を考える

三人の全員が作る価値を90としたら、全員への配分を足して90になる条件が必要です。これは全員の価値を分け切る条件で、誰へ何割配るかまでは決まりません。

次に各部分集団について、配分合計がその集団の価値以上かを調べます。集団内で価値を移せるので、合計が少なければ、その集団だけで事業を行い増えた価値を使って皆をよくする余地が生まれます。

一人の集合も検査に含みます。本人だけで得られる価値より少ない配分なら、一人で離れる誘因があります。二人以上の集団の制約も加える点が、個人の変更だけを考える均衡との違いです。

全ての提携の下限を確かめる

全員への配分合計が全員の価値に等しく、全ての部分集団への合計がその集団の価値以上なら、その配分はコアに入ります。特定の集団だけを選んで調べたのでは、残る集団の離脱を否定できません。

例えば単独0、各二人40、全員90なら、一人30ずつは単独の条件を満たし、各二人への60も40以上です。全員合計90なので、この値の下ではコアの一つの配分です。

この条件を満たす配分が幾つもある場合、コアだけではどれを選ぶか決まりません。均等、貢献、交渉力などの分配原理を、離脱を防ぐ条件と区別します。コアに入るという評価は、唯一の公正配分という判断ではありません。

総利益を配り切っても安定しない

二人組がどれも大きな価値を持つのに、全員になっても価値が十分増えないと、各集団の要求を同時に満たせないことがあります。全ての制約を並べて、両立するかを確かめます。

下の例では、三つの二人組にそれぞれ100以上を渡す条件を足すと、各人の配分を二回数えて300以上になります。しかし全員の総額は100で、その二倍は200にしかなりません。この矛盾でコアが空と分かります。

コアが空でも共同事業が現実に成立しないと断定できません。離脱費用、契約、組める範囲などを加えれば価値と制約が変わります。あくまで指定した移転可能効用の価値表では、全ての離脱誘因を抑える分配が存在しないという結論です。

架空の例離脱条件を足すと、総額の制約とぶつかる
  1. 三つの二人条件

    AB・AC・BCへの配分合計を各100以上にする。

  2. 条件を加える

    各人を二回数え、配分総額の2倍が300以上。

  3. 全員の総額と照合

    2×100=200なので両立せず、コアは空。

単独0・二人各100・全員100の架空価値表です。移転可能効用と集団の自由な形成を置き、現実の離脱費用や契約は加えていません。

架空の例:三つの二人組の要求が両立しない

A・B・Cの単独価値0、AB・AC・BCは各100、ABCも100とします。コアにはxA+xB≥100、xA+xC≥100、xB+xC≥100が必要です。全員の条件はxA+xB+xC=100です。

三つの二人条件を足すと2(xA+xB+xC)≥300。全員の条件を代入すると200≥300となり矛盾します。配分の巧拙ではなく、指定した集団の価値自体が、コアの不存在をもたらします。

持ち帰る見方

  • 全員の予算と、全ての部分集団の価値を一緒に確認する。
  • コアの空・非空と、分配の公正さを区別する。

次に広がる疑問

  • 追加貢献を平均する配分は?
  • 個人だけの変更誘因とどう違う?

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出典

  • Cooperative Games — MIT 14.126 notes (2017)(MIT OpenCourseWare / Mihai Manea)https://ocw.mit.edu/courses/14-126-game-theory-spring-2016/25c82e8213fd23daa72c9382e921a2b0_MIT14_126S16_cooperative.pdf

    確認日:2026-10-07

本文の出典・補足

一部の仲間の離脱を考える

コアは、どの一部提携も全員がよりよくなる離脱案を作れない全体の配分である。

対象
提携価値と各提携の離脱制約からコアを判定し、三者多数決ゲームで空になる場合を解く。
条件
有限人数、移転可能な提携価値、外部性なし、全体価値を配り切る。本文多数派例v(単独)=0,v(二人)=v(三人)=100。
例外・限界
コアは全員の第一希望/全分配基準の公平さを意味しない。全体価値が大きいだけでコアの非空を保証しない。
  • Cooperative Games — MIT 14.126 notes (2017)(MIT OpenCourseWare / Mihai Manea)https://ocw.mit.edu/courses/14-126-game-theory-spring-2016/25c82e8213fd23daa72c9382e921a2b0_MIT14_126S16_cooperative.pdf

全ての提携の下限を確かめる

価値を自由に移転できる模型では、各提携の現在の取り分合計がその提携だけの価値以上であることがコアの制約になる。

対象
提携価値と各提携の離脱制約からコアを判定し、三者多数決ゲームで空になる場合を解く。
条件
有限人数、移転可能な提携価値、外部性なし、全体価値を配り切る。本文多数派例v(単独)=0,v(二人)=v(三人)=100。
例外・限界
コアは全員の第一希望/全分配基準の公平さを意味しない。全体価値が大きいだけでコアの非空を保証しない。
  • Cooperative Games — MIT 14.126 notes (2017)(MIT OpenCourseWare / Mihai Manea)https://ocw.mit.edu/courses/14-126-game-theory-spring-2016/25c82e8213fd23daa72c9382e921a2b0_MIT14_126S16_cooperative.pdf

総利益を配り切っても安定しない

任意の二人が全体の価値を得られる三人多数派ゲームでは、全ての二人の離脱制約を同時に満たせずコアは空になる。

対象
提携価値と各提携の離脱制約からコアを判定し、三者多数決ゲームで空になる場合を解く。
条件
有限人数、移転可能な提携価値、外部性なし、全体価値を配り切る。本文多数派例v(単独)=0,v(二人)=v(三人)=100。
例外・限界
コアは全員の第一希望/全分配基準の公平さを意味しない。全体価値が大きいだけでコアの非空を保証しない。
  • Cooperative Games — MIT 14.126 notes (2017)(MIT OpenCourseWare / Mihai Manea)https://ocw.mit.edu/courses/14-126-game-theory-spring-2016/25c82e8213fd23daa72c9382e921a2b0_MIT14_126S16_cooperative.pdf