数字と報道
名簿の10人おきに選べば、無作為な調査になる?
開始位置を無作為に決め、そこから一定間隔で選ぶのが系統抽出です。単に一人目から10人おきへ選ぶ方法とは違います。また名簿の並びに10人ごとの周期があると、その一種類だけを選び続けることがあるので、開始点と名簿の順序を一緒に確認します。
基本の用語
名簿の順番は抽出の入口です。対象の誰が載っているかに加え、どんな規則で並んでいるかが、一定間隔の選び方と関わります。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 無作為に選んでも、名簿に載らない人の意見は拾える?枠の範囲と抽出の無作為性を分ける。
- 全員を調べる統計なら、誤差はなくなる?全数で消える標本誤差と、数え漏れ・測定・非回答・処理の誤りを区別する。
最初の位置を無作為に決める
100人の名簿から10人を選ぶ例では、まず1から10の中から開始位置を無作為に一つ選びます。開始位置が4なら、4、14、24…94番を選ぶと、10人の系統標本になります。間隔10は、ここでは名簿人数100を標本人数10で割った値です。
開始点を担当者の都合で4に固定する場合は、この無作為な開始点という条件を満たしません。名簿の各位置がどのような可能性で選ばれるかを考えるために、出発点の選び方を先に決めます。一定間隔という操作だけでは、無作為な設計の全てを説明できません。
名簿人数が標本人数の整数倍でない場合には、間隔や末端の処理の規則を別に定める必要があります。この100人の例で使った10という整数間隔を、どんな人数にも無理に丸めて当てはめないようにします。方法書には開始点、間隔、端の扱いを探します。
名簿の並びを読む
一定間隔で選ぶと、名簿上の位置が抽出へ関わります。例えば各地区について十人ずつ並び、各地区の先頭には同じ種類の人が来るという名簿なら、10人おきの標本は全て同じ地区内位置を取ります。これは後の架空例で、並びと間隔が一致する状況として考えます。
開始位置を無作為に選べば、この例でどの位置が選ばれるかは無作為です。しかし一度選んだ位置を全地区で繰り返すため、一つの標本の中に同じ特徴ばかりが集まることはあり得ます。全員から一人ずつ独立に選ぶ方法と、同じ人数だから同じ設計とみなせません。
周期があるか分からないなら、名簿の並びの説明を調べます。世帯単位、勤務班、曜日別などのどんな単位で並んでいるかを確認すると、抽出間隔と反復パターンが重なるかという問いが具体化できます。人数を増やすだけで、この構造を確認したことにはなりません。
選ぶ規則と回答の規則を分ける
抽出した人が答えなかったとき、すぐ次の番号の人で置き換えると、最初に定めた一定間隔の標本とは変わります。代替の規則を勝手に加えず、非回答としてどう扱うかを調査設計に従って記録します。選択と回収を分けると、実際の回答者がどう決まったかを追えます。
また名簿に載っていない人は、開始位置をどこへ置いても選べません。系統抽出の手順があることと、名簿が知りたい全体を覆っていることは別です。更新日、漏れ、重複などの枠の問題も、抽出の前の条件として確かめます。
系統抽出の説明を読むときは、開始点が無作為か、間隔は何か、名簿の順序は何かをまず言葉にします。そこから、対象に入る機会と、標本がどんなまとまりになるかを確認できます。「10人おき」という短い表示を、設計全体の保証として読まないことが大切です。
十人ごとの並びと間隔が一致する(架空の例)
100人を十人ずつ十地区に並べ、各地区の先頭一人だけが担当者という名簿を作ります。開始位置を1から10で無作為に選び、10番おきに10人を選びます。開始が1なら、十地区の担当者十人だけが選ばれます。
開始が2なら担当者は一人も選ばれません。各人の位置には選ばれる可能性があっても、一つの標本の担当者割合は0%か100%になります。実際の全体は10%です。これは並びの周期と間隔が一致する例で、全ての系統抽出が同じ問題を持つと断定するものではありません。
持ち帰る見方
- 系統抽出は無作為な開始点と一定間隔を組み合わせる。
- 名簿の周期、端の扱い、非回答時の規則を確認する。
次に広がる疑問
- 地区を丸ごと選ぶ方法と、名簿から一定間隔で選ぶ方法は?
順番に読んでいる方へ
出典
OpenStax Introductory Statistics 2e: Data, Sampling, and Variation in Data and Sampling(Barbara Illowsky / Susan Dean(著者原教材、OpenStax))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/1-2-data-sampling-and-variation-in-data-and-sampling
確認日:2026-10-07
本文の出典・補足
最初の位置を無作為に決める
系統抽出では開始点を無作為に選び、名簿から一定間隔で対象を取る。
- 対象
- 名簿からの一定間隔抽出。
- 条件
- 標本間隔と開始点の選択規則を先に決める。
- 例外・限界
- 恣意的な開始位置を固定する方法と区別する。
OpenStax Introductory Statistics 2e: Data, Sampling, and Variation in Data and Sampling(Barbara Illowsky / Susan Dean(著者原教材、OpenStax))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/1-2-data-sampling-and-variation-in-data-and-sampling
名簿の並びを読む
系統抽出は名簿上で一定間隔ごとに選ぶ方法である。
- 対象
- 教材の一定間隔抽出の仕組み。
- 条件
- 名簿の順序と反復パターンを確認する。
- 例外・限界
- 特定の周期と抽出間隔が一致する問題は架空例として示す。
OpenStax Introductory Statistics 2e: Data, Sampling, and Variation in Data and Sampling(Barbara Illowsky / Susan Dean(著者原教材、OpenStax))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/1-2-data-sampling-and-variation-in-data-and-sampling