経済の基礎
高い案を好む順番だけ分かれば、選び方の方向を調べられる?
低い条件で大きい案が小さい案に勝つなら、高い条件でもその順位を保つ、という単一交差性で最適選択の方向を調べられます。利得差が毎回大きくなることまでは要りません。差の数値と、どちらが勝つかの順番を分けます。
基本の用語
一つの量で順序付けられた候補を同じ集合から選びます。条件も一つの順序を持ち、利得を最大にする案を比較します。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 満足度が10点から20点になったら、幸せは二倍?確実な選択の効用は、まず順位を表す。
- 選択肢が三つしかなくても、条件改善で大きい案へ進むと分かる?一人の離散最適化で高低の案の利得差が条件とともに増える性質を比較し、微分を使わず単調性を判定する。
高い案が勝ち始めたら、負けへ戻らない
大きい案が小さい案に負けている低条件では、条件上昇で勝つ側へ変わる余地があります。一度大きい案が勝つ側になったら、その後に小さい案が勝つ側へ戻らない性質を考えます。
厳密に勝った場合は高条件でも厳密に勝ち、同率以上なら高条件でも同率以上という、二種類の比較を保存します。高い案への誘因を弱い不等式だけで確認すると、厳しい順位が同率へ消える場合を落とすことがあります。
これが単一交差性です。差の符号が低条件から高条件へ、負から正へ移ることはできても、正から負へ戻ることはない、と読むと二案の表で確認できます。全ての高低の案について同じ条件を置きます。
名称の交差は、価格曲線を図に描いて一回だけ交わることだけを指すのではありません。離散的な条件や候補でも、比較する利得の順位が一定の向きに保たれる条件を定義できます。
大きい案に関する利得差だけでなく、比較した小さい案も固定します。候補を別のものへ替えて符号を並べても同じ単一交差性の検算にはなりません。
差の大きさより、符号の順番を見る
増加差分では、大きい案と小さい案の利得差そのものが小さくなりません。単一交差性は、その差の大きさが減っても、勝ち負けの順番が必要な向きで保たれていれば成立します。
例えば差が−2、3、1なら、高い案は最初だけ負け、その後は勝ちます。3から1へ減っているので増加差分は満たしませんが、正から負へ戻らないので単一交差性は満たせます。
増加差分は単一交差性を含意しますが、逆向きは一般に成立しません。選択の順位に必要な条件と、利得の数値尺度に依存するより強い条件を、別々に整理できます。
効用を滑らかな厳密増加関数で付け直すと、案の順位は変わりません。そのためこの順位条件は保持できますが、利得差の大きさが条件とともに増す性質は同じように保存されるとは限りません。
条件2と3の差がともに正なら、高案が勝つという情報だけを使えます。3と1の距離を同じ尺度で測らなくても、この順位は確かめられます。
順番だけで、最適選択の方向を支える
一変数の固定候補集合で単一交差性があれば、最適集合は条件について強集合順序で増加します。利得差の大きさを測れなくても、その大小順位を全比較で確認できれば方向を支えられます。
大きい案が低条件で小さい案より厳密に有利なのに、高条件で小さい案を唯一の最適とするような逆転は許されません。高条件でも大きい案の順位が保たれるためです。
同率の最適案を一つへ勝手に絞らない点は増加差分の場合と同じです。最小と最大を比較するか、同率集合を残します。弱い方向の定理を、全ての選択が厳密に増えるという主張へ広げません。
一回の切替えを観察しただけでは、全候補、全条件で単一交差性が成立したことにはなりません。使う範囲の利得表や好みの順位を確かめることと、その一事例の選択を説明することを分けます。
差が−2、3、−1なら正から負へ戻るので条件を満たしません。実際の選択が低、高、低となり、例で保持した方向とは違います。
- 増加差分
条件上昇で、高低の利得差そのものが小さくならない。
- 単一交差性
条件上昇で、高案が勝つ順位が保たれる。
同率以上と厳密な優位の両条件を保存する。
架空の例:勝ち続けても、利得差は小さくなる
低案の利得を全条件で0、高案の利得を条件1、2、3で−2、3、1とします。最適は低、高、高です。条件2で高案が勝つと条件3でも勝ち、単一交差性を満たします。
高低の差は条件2から3で3→1へ縮みます。増加差分の「差が非減少」という条件は満たしません。それでもどちらを選ぶかの順位は高案の側に保たれます。利得点数は架空で、条件の数値に比例する収入を仮定したものではありません。
持ち帰る見方
- 利得差の増え方と、勝つ案の順位の保存は別の条件。
- 方向の比較には全高低案・対象条件・同率の扱いをそろえる。
次に広がる疑問
- 複数の投入を同時に選ぶと、何の条件が加わる?
順番に読んでいる方へ
出典
Producer Theory — MIT 14.121 (2015)(MIT OpenCourseWare / Alexander Wolitzky)https://ocw.mit.edu/courses/14-121-microeconomic-theory-i-fall-2015/098a320a59e36314b0456cd175a4e8eb_MIT14_121F15_4S.pdf
確認日:2026-10-07
本文の出典・補足
高い案が勝ち始めたら、負けへ戻らない
単一交差性は、低い条件で高い案が弱く/厳密に優れば高い条件でもその比較を保つ条件である。
- 対象
- 単一交差性を低い条件で勝つ高い案が高い条件でも勝つ順位条件として示し、増加差分との違いを説明する。
- 条件
- 一つの順序付き選択変数、同じ候補集合、最大解存在、全高低案で弱い比較と厳しい比較の両方を保存。
- 例外・限界
- 名称の交差は価格曲線が一回だけ幾何学的に交わる意味に限定されない。一回の観測だけで全範囲の条件は確定しない。
Producer Theory — MIT 14.121 (2015)(MIT OpenCourseWare / Alexander Wolitzky)https://ocw.mit.edu/courses/14-121-microeconomic-theory-i-fall-2015/098a320a59e36314b0456cd175a4e8eb_MIT14_121F15_4S.pdf
差の大きさより、符号の順番を見る
増加差分は単一交差性を含意するが、逆は一般に成立しない。
- 対象
- 単一交差性を低い条件で勝つ高い案が高い条件でも勝つ順位条件として示し、増加差分との違いを説明する。
- 条件
- 一つの順序付き選択変数、同じ候補集合、最大解存在、全高低案で弱い比較と厳しい比較の両方を保存。
- 例外・限界
- 名称の交差は価格曲線が一回だけ幾何学的に交わる意味に限定されない。一回の観測だけで全範囲の条件は確定しない。
Producer Theory — MIT 14.121 (2015)(MIT OpenCourseWare / Alexander Wolitzky)https://ocw.mit.edu/courses/14-121-microeconomic-theory-i-fall-2015/098a320a59e36314b0456cd175a4e8eb_MIT14_121F15_4S.pdf
順番だけで、最適選択の方向を支える
一変数で単一交差性があれば、最適解集合は強集合順序で増加する。
- 対象
- 単一交差性を低い条件で勝つ高い案が高い条件でも勝つ順位条件として示し、増加差分との違いを説明する。
- 条件
- 一つの順序付き選択変数、同じ候補集合、最大解存在、全高低案で弱い比較と厳しい比較の両方を保存。
- 例外・限界
- 名称の交差は価格曲線が一回だけ幾何学的に交わる意味に限定されない。一回の観測だけで全範囲の条件は確定しない。
Producer Theory — MIT 14.121 (2015)(MIT OpenCourseWare / Alexander Wolitzky)https://ocw.mit.edu/courses/14-121-microeconomic-theory-i-fall-2015/098a320a59e36314b0456cd175a4e8eb_MIT14_121F15_4S.pdf