経済の基礎
材料が安くなると、人や設備も増やす理由が生まれる?
一つの投入が安くなり、それを増やすことで他の投入も使う得が高まるなら、他の投入も増やす誘因が生まれます。非減少で補完性を持つ生産技術などの条件が必要です。安くなった材料から人員増加まで、自動的に決まるわけではありません。
基本の用語
会社が産出と複数の投入を一緒に選びます。同じ産出を作るために人を機械へ置き換える費用最小化とは、固定する量が違います。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 商品が売れそうだと、会社の求人はなぜ増える?労働需要の派生需要と限界収入生産物を、本人の労働供給から分ける。
- 機械を増やしても、人手が足りなければ生産は増えない?投入の合計より、必要な組がいくつ完成するかを見る。
一つが増えると、他の一つを使う得も増す
人と設備を一緒に使うと産出が増えるなら、設備を増やすことで追加の人を使う得も増す場合があります。ある投入を増やしたとき、もう一つを増やす追加の効果が高まるのが投入同士の補完性です。
滑らかな生産関数では、異なる投入に関する交差微分が非負であることがスーパー・モジュラー性を表します。離散的な表でも、両方を高くする効果と一方ずつを高くする効果を比較できます。
一つの選択変数だけなら、外部条件との増加差分から方向を調べられました。複数投入では、一つが増えると別の一つを減らしたくなる関係があると、全投入が同じ方向へ動くとは限りません。内部の補完性を追加します。
候補集合も、各投入の高低を組み合わせて作れる格子状の形を条件にします。生産関数だけの符号を示して、投入の組合せにある禁止条件や上限の構造を省くわけではありません。
労働ゼロ・設備ゼロだけでなく、片方だけ使う二案も候補です。全四案の利得を比べることで、両方を使い始める理由を確認できます。
価格が下がった投入以外にも誘因が届く
各投入を増やすと産出が減らず、投入同士がスーパー・モジュラーである場合、価格受容企業の製品価格上昇や投入価格低下は、最適投入集合を高い方向へ動かします。
投入価格低下は、その投入の費用を直接下げます。増えた投入が他の投入の効果も高める技術なら、その他の投入を増やす利益も高まります。直接の費用効果と、補完を介した選択誘因を分けて追えます。
最適な投入が一意なら、各投入が弱く増加すると読めます。同率解がある場合は、最小・最大の最適な組合せまたは最適集合の順序で比較します。任意の同率解の選び方まで、全投入の単調性を保証するわけではありません。
弱い増加なので、安くなっても同じ投入にとどまる場合があります。追加の生産をしない期間や能力上限へ達した状態を、この条件の下で必ず厳密に増やす例として扱いません。
入力が二倍なら全投入が二倍になるという比例の話ではありません。非減少の方向と、具体的な増加幅を保証する条件は別です。
投入を置き換える技術とは区別する
同じ産出を固定した費用最小化なら、機械が安くなったことで人を減らして機械へ替える場合があります。ここでは会社が産出も変えられ、全体の利益を最大化する比較です。二つの問題の結果は矛盾しません。
補完性が満たされない技術なら、一投入の値下げが他投入を増やす方向とは限りません。どの使用量で補完か、代替かを確認し、製品価格や技術も同時に変わっていないかを確かめます。
労働需要が増えるという模型の結論も、求人を出して希望する人を確実に採用できるという保証ではありません。この比較では必要な投入を所与の価格で選べることを置いています。
材料値下げというニュースから人数へ結論を出すなら、技術の補完関係、価格受容、選べる投入量、産出も調整するかを確認します。単なる費用の節約額と、他投入を増やす誘因を分けます。
例で設備費が6から5.5へ下がるだけなら、両方の利益は−0.5で休止のままです。投入値下げでも量が不変な弱い増加の例になります。
- 直接の価格効果
安くなった投入を増やす得が高まる。
- 技術の補完効果
増えた投入が他投入を使う得も高める。
- 同じ産出での代替
産出固定の費用最小化は別の比較。
産出も選ぶ全体最適で、全範囲の補完性を条件にする。
架空の例:設備を安くすると、人も使い始める
労働Lと設備Kをそれぞれ0か1から選び、産出はmin(L,K)、製品価格10、労働費5とします。設備費6なら、何も使わない利益0、人だけ−5、設備だけ−6、両方−1で、両方0が最適です。
設備費が3へ下がると、利益は0、−5、−3、両方2となり、L=1、K=1が最適です。設備価格しか下げていなくても労働も増えます。全四組を選べ、両投入が一緒に必要な技術を置いた例です。
持ち帰る見方
- 複数投入の方向には、外部価格効果と投入同士の補完性を確認する。
- 産出固定の代替と、産出も選ぶ全体最適を分ける。
次に広がる疑問
- 短期と長期で調整できる投入が違うと、減り幅はどう変わる?
順番に読んでいる方へ
出典
Producer Theory — MIT 14.121 (2015)(MIT OpenCourseWare / Alexander Wolitzky)https://ocw.mit.edu/courses/14-121-microeconomic-theory-i-fall-2015/098a320a59e36314b0456cd175a4e8eb_MIT14_121F15_4S.pdf
確認日:2026-10-07
本文の出典・補足
一つが増えると、他の一つを使う得も増す
複数の選択変数の単調性には、各投入同士の補完性も必要になる。
- 対象
- 同一企業の複数投入の補完性が、一投入の値下げを他投入の増加へつなぐ条件を示す。
- 条件
- 固定技術・価格受容・利益最大化解存在、生産関数が各投入で非減少かつスーパー・モジュラー、格子状の候補集合。
- 例外・限界
- 補完性がなければ他投入の増加は保証されない。全投入が厳密に増える意味でなく、同率では最小/最大解を比較する。
Producer Theory — MIT 14.121 (2015)(MIT OpenCourseWare / Alexander Wolitzky)https://ocw.mit.edu/courses/14-121-microeconomic-theory-i-fall-2015/098a320a59e36314b0456cd175a4e8eb_MIT14_121F15_4S.pdf
価格が下がった投入以外にも誘因が届く
非減少かつスーパー・モジュラーな生産技術では、製品価格上昇や投入価格低下で最適投入集合が強集合順序で増加する。
- 対象
- 同一企業の複数投入の補完性が、一投入の値下げを他投入の増加へつなぐ条件を示す。
- 条件
- 固定技術・価格受容・利益最大化解存在、生産関数が各投入で非減少かつスーパー・モジュラー、格子状の候補集合。
- 例外・限界
- 補完性がなければ他投入の増加は保証されない。全投入が厳密に増える意味でなく、同率では最小/最大解を比較する。
Producer Theory — MIT 14.121 (2015)(MIT OpenCourseWare / Alexander Wolitzky)https://ocw.mit.edu/courses/14-121-microeconomic-theory-i-fall-2015/098a320a59e36314b0456cd175a4e8eb_MIT14_121F15_4S.pdf
投入を置き換える技術とは区別する
滑らかな関数では異なる投入間の交差偏微分が非負であることがスーパー・モジュラー性を表す。
- 対象
- 同一企業の複数投入の補完性が、一投入の値下げを他投入の増加へつなぐ条件を示す。
- 条件
- 固定技術・価格受容・利益最大化解存在、生産関数が各投入で非減少かつスーパー・モジュラー、格子状の候補集合。
- 例外・限界
- 補完性がなければ他投入の増加は保証されない。全投入が厳密に増える意味でなく、同率では最小/最大解を比較する。
Producer Theory — MIT 14.121 (2015)(MIT OpenCourseWare / Alexander Wolitzky)https://ocw.mit.edu/courses/14-121-microeconomic-theory-i-fall-2015/098a320a59e36314b0456cd175a4e8eb_MIT14_121F15_4S.pdf