経済の基礎

望む配分を、最初の持ち分を変えて市場で実現できる?

凸性や内点などの条件がそろえば、望むパレート効率的配分を、取引前の一括移転と価格受容の市場で支えられます。公平な配分を自動で選ぶ定理でも、どんな税でも同じ結果を作れるという定理でもありません。

基本の用語

第一厚生定理は競争均衡から効率性へ進みます。ここで考える第二厚生定理は、効率的な目標配分から、それを支える価格と持ち分へ進む逆向きの問いです。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

効率的配分から価格へ戻る

市場の結果が効率的でも、分配をどうしたいかは別に残ります。第二厚生定理は、効率的配分を先に一つ選び、その点が各人にとって予算内で最善となる価格と所得を作れるかを考えます。目標の分配を定理が代わりに選ぶのではありません。

本文では好みを滑らかで増加する凹効用で表し、実現可能な配分集合を凸とし、正の重みで選ぶ内点の例を使います。各人は価格を自分で変えず、市場に必要な取引がそろうと置きます。その条件で、目標を移転付き競争均衡として支えられるという結果を読みます。

価格で支えるとは、同じ予算内の別の買い物へ本人だけが変更しても、目標より良くならないことです。目標を強制的に配って終わることとは違います。本人の選択と全体の資源一致を、同じ価格の下でそろえる必要があります。

最初の持ち分で予算を変える

講義の構成的な考え方は、目標の効率的配分を選ぶ条件と、各人が自分の予算で最善を選ぶ条件を合わせる方法です。財どうしの交換評価に価格比を合わせ、目標の束を買える所得を各人へ割り当てます。

初期保有財の価値がその所得と違えば、取引前に一括移転で調整します。購入量を増やした人ほど税が増える仕組みではなく、取引時の限界条件を変えない所得の調整です。初期の取り分を変えることと、個々の取引へ課税することを区別します。

財政的に実行できるか、本人の好みや保有を把握できるか、どんな移転を公平と評価するかは別の課題です。理論上の所得を選べることから、現実で全ての情報と実施手段を得たとは言えません。

条件を外すと支えられない

より一般的な凸性の版では、まず移転付き価格準均衡を得ます。準均衡では、目標より好む束は目標より安くはない、という価格の支え方をします。同額で買えるより好ましい束まで排除できるとは限らず、通常の予算内最大化とは区別が必要です。

一般の凸性だけで通常の競争均衡まで無条件に断定せず、内点などの追加条件を確認します。本記事の数例は滑らかな凹効用と正の内点を置いて、予算内で目標が最善であることを直接検算する形です。

固定費や不可分な選択などで集合が凸でない場合、同じ一本の価格で目標を支えられるとは限りません。政策を見るときは、目標配分、価格の支え方、移転の条件を順に確かめ、定理を「効率と公平を簡単に両立できる」という標語にしません。

架空の例目標配分と必要な予算を対応させる
  • 目標A2/2

    同じ価格1で所得4を持てば、最善の束が目標になる。

  • 目標B8/8

    同じ価格1で所得16を持てば、最善の束が目標になる。

  • 全体

    所得評価20と総量各10の価値20が一致する。

同じ増加凹効用√(xy)、正の内点、財可分の架空例です。取引前の一括移転を置き、特定の現実の税制効果を示していません。

架空の例:目標の持ち分を市場へ置く

二財の総量は各10、二人の効用はともに√(xy)です。価格を両方1にすると、予算内の最善は二財へ同額を使う束です。目標をAの2/2、Bの8/8とすれば、所得をAに4、Bに16と置くと各人の最善と一致します。

初期が各5/5なら所得評価は各10です。取引前にAからBへ価値6を移すと4/16となり、目標を支えます。逆向きに移して別の目標を支えることもできるため、この計算自体はどの分配を公平とするかを決めません。

持ち帰る見方

  • 第二定理は目標の効率的配分から市場の支え方へ進む。
  • 一般の準均衡と、追加条件の下の通常の競争均衡を分ける。

次に広がる疑問

  • 分配に使う厚生ウェイトはどこから決まる?
  • 効率的配分の集合はどう見える?

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出典

  • Lecture 16: Fundamental Welfare Theorems — transcript, MIT 14.04 (2020)(MIT OpenCourseWare / Robert Townsend)https://ocw.mit.edu/courses/14-04-intermediate-microeconomic-theory-fall-2020/1gcajw7hbthjPcO8f8wCXWoKIBXEYkUEH_transcript.pdf

    確認日:2026-10-05

本文の出典・補足

効率的配分から価格へ戻る

必要な凸性や内点等の条件を置くと、目標のパレート効率的配分を、資産の移転付き競争均衡として支える価格と所得を選べる。

対象
凸性などの条件の下で効率的配分を初期資源移転と価格で支える第二厚生定理を扱う。
条件
本文は滑らかな増加凹効用、凸な実現可能集合、正の厚生ウェイトと内点の純粋交換例。価格受容、完全市場、取引前の一括移転。
例外・限界
一般の凸性だけの版は準均衡であり追加の内点/正則条件なしに通常均衡と同一視しない。固定費・不可分・非凸性・取引税・情報制約の政策へ直接延長しない。
  • Lecture 16: Fundamental Welfare Theorems — transcript, MIT 14.04 (2020)(MIT OpenCourseWare / Robert Townsend)https://ocw.mit.edu/courses/14-04-intermediate-microeconomic-theory-fall-2020/1gcajw7hbthjPcO8f8wCXWoKIBXEYkUEH_transcript.pdf

最初の持ち分で予算を変える

講義の構成的な証明は、パレート最適化と各人の競争的最適化の条件を合わせ、価格と所得を選ぶ。

対象
凸性などの条件の下で効率的配分を初期資源移転と価格で支える第二厚生定理を扱う。
条件
本文は滑らかな増加凹効用、凸な実現可能集合、正の厚生ウェイトと内点の純粋交換例。価格受容、完全市場、取引前の一括移転。
例外・限界
一般の凸性だけの版は準均衡であり追加の内点/正則条件なしに通常均衡と同一視しない。固定費・不可分・非凸性・取引税・情報制約の政策へ直接延長しない。
  • Lecture 16: Fundamental Welfare Theorems — transcript, MIT 14.04 (2020)(MIT OpenCourseWare / Robert Townsend)https://ocw.mit.edu/courses/14-04-intermediate-microeconomic-theory-fall-2020/1gcajw7hbthjPcO8f8wCXWoKIBXEYkUEH_transcript.pdf

条件を外すと支えられない

凸性による一般的な第二厚生定理の形は、移転付き価格準均衡を結論とする。

対象
凸性などの条件の下で効率的配分を初期資源移転と価格で支える第二厚生定理を扱う。
条件
本文は滑らかな増加凹効用、凸な実現可能集合、正の厚生ウェイトと内点の純粋交換例。価格受容、完全市場、取引前の一括移転。
例外・限界
一般の凸性だけの版は準均衡であり追加の内点/正則条件なしに通常均衡と同一視しない。固定費・不可分・非凸性・取引税・情報制約の政策へ直接延長しない。
  • Lecture 16: Fundamental Welfare Theorems — transcript, MIT 14.04 (2020)(MIT OpenCourseWare / Robert Townsend)https://ocw.mit.edu/courses/14-04-intermediate-microeconomic-theory-fall-2020/1gcajw7hbthjPcO8f8wCXWoKIBXEYkUEH_transcript.pdf