経済の基礎

別々に売るより、セット販売で売上が増えるのはなぜ?

二商品の好みが逆向きの人たちでも、合計の支払意思額は近い場合があります。その場合、一つのセット価格で両方に売ると、単品を別々に売るより売上が増える模型があります。ただし、好みの組合せや費用が変われば、セットの方が不利になることもあります。

基本の用語

支払意思額はその商品に払ってもよい最高額です。ここでは二商品の便益を足し合わせられ、転売できない設定を使います。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

商品を足し合わせ、値段を一つにする

複数商品を一つの価格で売る方法を、抱合せやバンドリングと呼びます。セットだけを売る純粋抱合せと、単品もセットも売る混合抱合せは違います。前者では、片方だけ欲しい人もセット全体を買うか、買わないかを選びます。

セット価格が単品価格の合計より安く見えても、本人が片方へほとんど価値を感じないなら得とは限りません。必要な一つの単品を買える場合との比較が必要です。売り手にとっても、価格を付ける単位を変えることで、買う人数と一人から受け取る額が変わります。

同じ工場で二商品を作ると費用が安くなる「範囲の経済」とも別です。抱合せは販売方法であり、生産費用が変わらなくても売上を変えられます。逆に生産費用を節約できても、必ずセットで売る必要があるわけではありません。

逆向きの好みが、合計評価を近づける

Aさんは音楽に高い評価、映像に低い評価、Bさんはその逆とします。音楽だけを高く売ればAさんだけが買い、映像だけを高く売ればBさんだけが買います。単品の価格を下げて両方へ売る場合には、もともと高く払う人から受け取る額も下がります。

しかし二人がセット全体へ付ける評価が同じなら、セット一つの価格で両方へ売れます。個別には高い人と低い人がいても、評価を足すことでばらつきが小さくなるからです。売り手が一人ずつ別価格を付けられなくても、合計評価を使った販売が可能になります。

この説明には、一人が二商品の便益を足して評価するという条件があります。一方を使うと他方を使う時間がなくなるなら、単純な足し算では足りません。また転売できればセットを分ける取引が起こり、想定した購入の制約も変わります。

セットなら必ず有利、とはならない

二商品とも高く評価する人と、二商品とも低く評価する人がいる場合は、合計しても評価差が大きく残ります。全員へ売る安いセット価格を選ぶか、一人だけへ売る高い価格を選ぶかという問題が続くため、単品販売より高い売上になる保証はありません。

さらに、使われない商品にも供給費用がかかるなら、売上が増えても利益が増えない場合があります。追加費用ゼロのデジタル商品を置いた例と、配送や材料が必要な商品を区別します。売上から費用を差し引き、購入者に残る余剰も別に比べます。

セット販売の話を読むときは、単品販売が残るか、誰が各商品を高く評価するか、便益を足せるか、供給費用がどう変わるかを確かめます。お得という表示だけで、全ての買い手や売り手が得をする結論には進めません。

架空の例同じ二人への販売額を比べる
  • 別々に販売

    音楽800円をAへ、映像800円をBへ。合計1,600円。

  • セットのみ

    二人とも合計評価1,000円。二セットで2,000円。

二商品の便益は合算でき、供給の追加費用はゼロ、同額なら購入します。

好みが逆の二人へ売る架空の配信

Aさんは音楽800円・映像200円、Bさんは音楽200円・映像800円まで払えます。便益は足し合わせ可能、供給の追加費用はゼロ、同額なら購入とします。単品の最高売上は各800円で一人へ売る800円ずつ、計1,600円です。

セットへの評価は二人とも1,000円なので、1,000円のセットを両方へ売ると計2,000円です。逆にAが両商品800円、Bが両商品200円なら、単品合計の最高売上もセットの最高売上も1,600円となり、合算するだけでは増えません。

持ち帰る見方

  • 単品の評価が逆向きだと、合計評価が近づくことがある。
  • 販売方法による売上の変化と、共同生産の費用節約を分ける。
  • 単品を残すか、便益を足せるか、供給費用も確かめる。

次に広がる疑問

  • 入会金と利用料を分ける料金は?
  • 共同生産の費用節約はどう測る?

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出典

  • Intermediate Microeconomics, Chapter 16: Pricing Strategies(Oregon State University Open Educational Resources / Patrick M. Emerson)https://open.oregonstate.education/intermediatemicroeconomics/chapter/module-16/

    確認日:2026-10-07

本文の出典・補足

商品を足し合わせ、値段を一つにする

純粋抱合せは複数商品をセットでのみ売り、混合抱合せは単品販売も残す。

対象
二商品の評価の組合せと相関から純粋抱合せの販売額・取引量を比較し、共同生産の費用節約と分ける。
条件
二商品への評価は足し合わせ可能、二人のタイプを売り手は個別識別できず、転売は不可、各商品一単位、本文例は追加費用ゼロ。支払意思額と価格が同じなら購入する。
例外・限界
セットの最高売上が単品販売より常に高いわけではない。費用・商品間の便益の相互作用・混合販売は別途比較する。
  • Intermediate Microeconomics, Chapter 16: Pricing Strategies(Oregon State University Open Educational Resources / Patrick M. Emerson)https://open.oregonstate.education/intermediatemicroeconomics/chapter/module-16/

逆向きの好みが、合計評価を近づける

抱合せでは、個々の評価が逆向きの利用者の合計評価を近づけ、一つのセット料金でより多くの販売額を得られる例がある。

対象
二商品の評価の組合せと相関から純粋抱合せの販売額・取引量を比較し、共同生産の費用節約と分ける。
条件
二商品への評価は足し合わせ可能、二人のタイプを売り手は個別識別できず、転売は不可、各商品一単位、本文例は追加費用ゼロ。支払意思額と価格が同じなら購入する。
例外・限界
セットの最高売上が単品販売より常に高いわけではない。費用・商品間の便益の相互作用・混合販売は別途比較する。
  • Intermediate Microeconomics, Chapter 16: Pricing Strategies(Oregon State University Open Educational Resources / Patrick M. Emerson)https://open.oregonstate.education/intermediatemicroeconomics/chapter/module-16/

セットなら必ず有利、とはならない

抱合せで利益が高くなることは保証されず、各商品の評価の組合せに依存する。

対象
二商品の評価の組合せと相関から純粋抱合せの販売額・取引量を比較し、共同生産の費用節約と分ける。
条件
二商品への評価は足し合わせ可能、二人のタイプを売り手は個別識別できず、転売は不可、各商品一単位、本文例は追加費用ゼロ。支払意思額と価格が同じなら購入する。
例外・限界
セットの最高売上が単品販売より常に高いわけではない。費用・商品間の便益の相互作用・混合販売は別途比較する。
  • Intermediate Microeconomics, Chapter 16: Pricing Strategies(Oregon State University Open Educational Resources / Patrick M. Emerson)https://open.oregonstate.education/intermediatemicroeconomics/chapter/module-16/