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平均寿命が延びたら、今年生まれた人の寿命が分かった?

期間生命表の平均寿命は、ある期間の死亡状況が一生続くと仮定した集団の指標です。同じ出生年の世代を追うコーホート生命表とは計算が異なります。今年生まれた一人の寿命が確定したわけではありません。

基本の用語

今年の0歳、65歳、90歳の死亡状況は、異なる世代の観測です。期間生命表はそれらを一つの仮定の下で組み合わせます。「今年の数字」という時点と、実際に一人が生きる暦年の経過を分けると、平均寿命の意味が見えてきます。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

一期間の死亡状況を一生に当てはめる

期間生命表では、ある期間の年齢別の死亡状況が今後も変わらないと仮定します。その下で、各年齢の死亡確率や、平均してあと何年生きるかを計算します。今年生まれた集団を生涯追跡し終えた観測ではありません。

例えば日本の2024年簡易生命表は、その年を基礎期間とし、日本における日本人の死亡・出生数と日本人人口を用いています。この対象と期間の死亡状況を固定する計算です。将来の死亡率が改善・悪化したときの実際の寿命まで、確定するものではありません。

平均寿命と、今の年齢からの平均余命を分ける

平均寿命は、生命表の0歳の平均余命です。一方、65歳の平均余命は、65歳まで生存した人について、その後の生存年数を平均した値です。どの年齢まで生存した人を対象にしているかが違います。

したがって、平均寿命から65を引けば65歳の平均余命になる、とは言えません。また、その年に亡くなった人の死亡年齢を単純平均した数とも別です。計算の対象と、生命表で置く死亡状況の仮定をそろえて読む必要があります。

同じ年に生まれた集団を追う計算は別

コーホート生命表では、同じ出生年の集団について、年齢と暦年を一緒に進めます。ある年の65歳の率を使ったら、次は翌年の66歳の率を使う、という対応です。同じ年の65歳と66歳の率を使う期間生命表とは異なります。

過去の年齢については、その世代が経験した死亡状況を使えます。しかし今生きている世代の将来は、まだ全て観測されていません。生涯の指標を計算するときには、この未観測の部分をどう扱うかという次の問いが残ります。

集団の平均と一人の寿命を分ける

将来を含むコーホートの計算には、将来の死亡率についての仮定が必要です。観測された過去と、仮定した将来を区別します。将来の死亡状況が仮定どおりにならなければ、世代の実際の平均も計算した値と異なります。

死亡率が改善するか悪化するかによって比較は変わるため、コーホート寿命が期間寿命より常に高いと定義だけからは言えません。どちらも集団の平均を表す指標で、一人一人がその年齢で必ず亡くなるという予告ではありません。

死亡率に対応する暦年の違い
  • 期間生命表

    同じ期間の各年齢の死亡状況を、一生へ当てはめる。

  • コーホート生命表

    同じ出生年の集団に沿って年齢と暦年を進める。

コーホートの未観測将来には死亡率の仮定が必要。個人の確定寿命ではない。

0歳の平均と65歳からの平均を読む

架空の例

ある生命表で、0歳の平均余命を80年、65歳の平均余命を22年と置きます。65歳まで生存した人のその後の平均は22年で、80−65=15年とは別です。この設定では、65歳の生存者についての平均死亡年齢は65+22=87歳となります。

0歳の集団と65歳まで生存した集団では、平均を取る対象が違います。65歳までの死亡を含めて計算した0歳の平均から、65年を引くだけでは、すでに65歳まで生存した人のその後の平均にはなりません。

持ち帰る見方

  • 期間生命表は、一期間の死亡状況を将来も固定する仮定で作ります。
  • 各年齢の平均余命は、その年齢まで生存した人の残りの年数を平均します。
  • コーホートの未観測の将来には仮定が必要で、集団の平均を個人の確定寿命とはしません。

次に広がる疑問

  • 将来人口で置く仮定と推計を読む
  • 追跡を終えていない人の観測を考える
  • 年齢構成を考慮した死亡状況の比較を読む

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出典

  • 令和6年簡易生命表の概況 — 簡易生命表について(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life24/dl/life24-01.pdf

    確認日:2026-10-05

  • Period and cohort life expectancy explained(Office for National Statistics)https://www.ons.gov.uk/peoplepopulationandcommunity/birthsdeathsandmarriages/lifeexpectancies/methodologies/periodandcohortlifeexpectancyexplained

    確認日:2026-10-05

  • 令和6年簡易生命表の概況 — 参考資料1 生命表諸関数の定義(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life24/dl/life24-08.pdf

    確認日:2026-10-05

本文の出典・補足

一期間の死亡状況を一生に当てはめる

期間生命表は、ある期間の年齢別死亡状況が将来も変わらないと仮定して、各年齢の死亡確率や平均余命を計算する。現在の異なる年齢の死亡状況を組み合わせた指標であり、今年生まれた集団を生涯追跡した結果ではない。

対象
期間生命表の定義。日本の2024年簡易生命表は日本における日本人を基礎資料とする。
条件
一定期間の年齢別死亡率を、その後の各年齢へ適用する仮定。
例外・限界
将来の死亡率が改善又は悪化したときの実際の寿命は、この固定した死亡率の計算と異なりうる。
  • 令和6年簡易生命表の概況 — 簡易生命表について(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life24/dl/life24-01.pdf

  • Period and cohort life expectancy explained(Office for National Statistics)https://www.ons.gov.uk/peoplepopulationandcommunity/birthsdeathsandmarriages/lifeexpectancies/methodologies/periodandcohortlifeexpectancyexplained

平均寿命と、今の年齢からの平均余命を分ける

平均寿命は0歳の平均余命である。ある年齢の平均余命は、その年齢まで生存した人が、その後生存する年数の平均を表す。

対象
生命表上の平均寿命と各年齢の平均余命。
条件
生命表に置いた死亡状況に従い、その年齢まで生存した者を対象にする。
例外・限界
今年死亡した人の死亡年齢の単純平均や、平均寿命から現在年齢を引いただけの値とは別の定義である。
  • 令和6年簡易生命表の概況 — 参考資料1 生命表諸関数の定義(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life24/dl/life24-08.pdf

  • 令和6年簡易生命表の概況 — 簡易生命表について(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life24/dl/life24-01.pdf

同じ年に生まれた集団を追う計算は別

コーホート生命表は同じ出生年の集団について、年齢が上がるのに対応して暦年も進め、その集団が経験する年齢別死亡状況を使う。期間生命表は同じ期間の年齢別死亡状況を使う。

対象
英国統計局の期間・コーホート生命表の定義比較。
条件
例えば65歳の年から66歳の次年へ進むコーホートと、同じ年の65歳・66歳などを使う期間を比べる。
例外・限界
死亡率の将来変化を含む点が異なる。生きている世代の生涯を全て実測済みと扱えない。
  • Period and cohort life expectancy explained(Office for National Statistics)https://www.ons.gov.uk/peoplepopulationandcommunity/birthsdeathsandmarriages/lifeexpectancies/methodologies/periodandcohortlifeexpectancyexplained

集団の平均と一人の寿命を分ける

将来がまだ観測されていないコーホートの平均寿命を計算するには、将来の死亡率の仮定が必要になる。どちらの平均寿命も、特定の一人がその年齢で死亡するという確定値ではない。

対象
コーホート生命表の将来仮定と、集団の平均の解釈。
条件
コーホートは過去の観測死亡率と将来の仮定を組み合わせる。個人の生活条件などを全て表した数字ではない。
例外・限界
仮定が実現しなければ結果も異なる。期間寿命とコーホート寿命のどちらが常に高いかは定義だけでは決まらない。
  • Period and cohort life expectancy explained(Office for National Statistics)https://www.ons.gov.uk/peoplepopulationandcommunity/birthsdeathsandmarriages/lifeexpectancies/methodologies/periodandcohortlifeexpectancyexplained