財政と暮らし

利息から引かれた税金は、確定申告で精算する?

国内の預金利子は、原則として支払時に税が引かれて納税が完結します。ほかの所得と確定申告でまとめて精算することはできません。ただし、利子の種類と非課税制度の要件で扱いが変わります。

基本の用語

源泉徴収は、支払う側が税を差し引いて納める方法です。それだけで、後から必ず精算する税かどうかは分かりません。ここでは日本の個人居住者が受け取る国内預貯金の利子を中心に考えます。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

預金利子は支払時の課税で完結する

日本の個人居住者が受け取る国内の預貯金利子は、原則として支払時に税を差し引かれ、それで納税が完結します。この扱いを源泉分離課税と呼びます。非課税制度が適用される利子などは、別に扱います。

ここでの「分離」は、ほかの所得とまとめて年税額を精算する扱いから分けるという意味です。通常の預金利子を確定申告に含めて、給与から引かれた税と一緒に精算することはできません。税が引かれたという外見だけで、後から調整できる仮払いと考えないようにします。

給与の源泉徴収とは精算の仕方が違う

給与では、毎月の支払時に徴収した税の年間合計と、一年分の給与や控除から計算する最終税額が一致しないことがあります。会社などが対象者について両者を照合し、過不足を合わせるのが年末調整です。

預金利子は支払時の源泉徴収で納税が完結するため、この給与の調整とは異なります。給与でも年末調整には対象者の条件があり、対象外の人や本人の申告が必要な場合があります。「源泉徴収されたか」と「後からどの手続で精算するか」を分けて考えます。

利子所得の金額は税引前で見る

預貯金などの利子所得の金額は、税を差し引く前の利子等の収入金額です。口座に実際に入った税引後の受取額とは異なります。所得の額と、税を納めた後に手元に残る額を混ぜないようにします。

金融機関の明細では、預けた元本、利子、引かれた税、実際の入金を分けて読みます。元本は利子所得に加えません。外貨預金でも、利息と為替相場の変化による増減を一つの「利子」とまとめず、何によって金額が変わったかを区別する必要があります。

預金以外の利子と非課税制度を分ける

国債などの特定公社債等の利子には、申告分離課税と申告しない選択があります。国内預金の「確定申告できない」という説明を、そのまま全ての債券へ広げることはできません。一定の同族会社の社債の利子など、総合課税となるものもあります。申告でいずれかを選択した後は、修正申告や更正の請求でその選択を変更することはできません。

障害者等を対象とするマル優や、一定の財形住宅・年金貯蓄には非課税制度があります。対象者や貯蓄の種類などの条件を満たす必要があり、誰でも確定申告で利子を非課税に変えられるという制度ではありません。利子の種類と、非課税制度を使える条件の両方を確認します。

給与と預金利子を受け取るAさん

架空の例

同じAさんが給与と国内の普通預金利子を受け取ったとします。給与の税は、年末調整の対象なら一年の給与や控除と照合します。一方、通常の源泉分離課税となる預金利子は、給与の年末調整や確定申告へ混ぜて精算する扱いではありません。

別のBさんが国債の利子を受け取る設定では、先に特定公社債等に当たるかを確認します。Aさんの預金利子の説明だけを使い、全ての利子を申告できないと決めないようにします。海外の銀行から受け取る利子も、この国内預金の例へそのまま含めません。

持ち帰る見方

  • 源泉徴収という徴収方法だけでは、申告で精算できるかは決まりません。国内預金、特定公社債等、要件付きの非課税制度を分けて確認します。

次に広がる疑問

  • 給与の天引きと年末の過不足精算を読む
  • 預金とは違う債券の利子と償還を読む
  • 外貨預金の利息と為替変動を分ける

学習地図で、ほかの分野とのつながりを見る

出典

  • No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1310.htm

    確認日:2026-10-05

  • No.2662 年末調整のしかた(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2662.htm

    確認日:2026-10-04

本文の出典・補足

預金利子は支払時の課税で完結する

日本の個人居住者が受ける国内預貯金利子は、非課税制度が適用される場合などを除き、原則として支払時の源泉徴収で納税が完結する源泉分離課税で、確定申告に含めて精算することはできない。

対象
対象日2026年10月5日。日本の個人居住者が受ける国内預貯金の利子を中心とする。国税庁の説明は2026年4月1日現在の法令等に基づく。
条件
日本の個人居住者が受ける国内預貯金の利子。2026年支払分の税率は国税15.315%と地方税5%(合計20.315%)。
例外・限界
国外銀行利子/非居住者/社債すべてへ拡張しない。要件付き非課税制度がある。
  • No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1310.htm

給与の源泉徴収とは精算の仕方が違う

給与からその都度徴収した税の年間合計は最終的な年税額と一致しないことがあるため、対象者について年末調整で過不足を精算する。預金利子の源泉分離課税とは異なる。

対象
対象日2026年10月5日。日本の個人居住者が受ける国内預貯金の利子を中心とする。国税庁の説明は2026年4月1日現在の法令等に基づく。給与の年末調整との比較を含む。
条件
給与の年末調整概要と預貯金利子の制度比較。
例外・限界
すべての人が年末調整だけで終わるとはしない。給与2000万円超など年末調整対象外あり。
  • No.2662 年末調整のしかた(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2662.htm

  • No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1310.htm

利子所得の金額は税引前で見る

預貯金などの利子所得の金額は源泉徴収前の収入金額であり、口座に入った税引後の受取額そのものではない。

対象
対象日2026年10月5日。日本の個人居住者が受ける国内預貯金の利子を中心とする。国税庁の説明は2026年4月1日現在の法令等に基づく。
条件
税引前利子収入と税引後受取の区別。
例外・限界
預貯金元本を利子所得へ加えない。外貨為替差益などをすべて利子と分類しない。
  • No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1310.htm

預金以外の利子と非課税制度を分ける

特定公社債等の利子等には申告分離課税と申告しない選択がある。一方、障害者等のマル優や財形住宅・年金貯蓄などには要件付きの非課税制度がある。

対象
対象日2026年10月5日。日本の個人居住者が受ける国内預貯金の利子を中心とする。国税庁の説明は2026年4月1日現在の法令等に基づく。特定公社債等・一定の同族社債と非課税制度は別の条件に従う。
条件
特定公社債等は2016-01-01以後支払分。非課税制度は対象者・元本等の条件付き。
例外・限界
一定の同族社債利子には総合課税。申告時選択後に修正申告/更正請求で変更不可。非課税の対象者全員への一般化を避ける。
  • No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1310.htm