政治の仕組み
小選挙区と比例代表で結果はどう変わる?
小選挙区は一つの選挙区で一人を選び、比例代表は政党等の得票に応じて複数の議席を配分します。同じ支持の割合でも、議席への変換方法が違えば結果は変わり得ます。日本の衆議院は両方の方式を使い、比例の端数や候補者の当選順にも規則があります。
基本の用語
得票率は有効票のうち得た票の割合、議席率は議席のうち得た数の割合です。この二つが常に同じになるとは限りません。まず、票を何人の当選者へ変える方式かを見ます。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 選挙の一票は、どのように政治へ届く?代表を選ぶ仕組みと限界
一人を選ぶ方式と、議席を分ける方式
衆議院の小選挙区では、有効投票の最多数を得た候補者が当選します。ただし有効票の総数の6分の1以上という法定得票が必要で、同票の場合などの規則もあります。複数候補が争う場合、当選に必ず過半数が必要という制度ではありません。
衆院比例では名簿を届け出た政党等の票を、1、2、3と整数で割った値を比べ、大きいものから議席数に達するまで選びます。この方法では票の多い党に多くの議席が配分されますが、議席は整数なので、得票の割合を掛けた小数の人数をそのまま当選させることはできません。
得票率と議席率は、同じ数字にならない
小選挙区では、その区で一番多くの票を得た候補者が一つの議席を得ます。他の候補者への票が、その区の別の議席へ変わるわけではありません。全国で同じ得票率でも、支持がどの選挙区に分布しているかによって、勝つ区の数が異なる場合を考えられます。
比例代表では、複数の議席を各党へ分けるため、少数の支持も議席につながる余地があります。ただし配分する議席数が少なければ、細かい割合まで反映できません。「比例」という名前から、得票率と議席率が小数点まで一致すると読むことはできません。下の計算は実在の選挙結果ではなく、この違いを示す架空例です。
日本の比例は単純な割合表だけでは決まらない
日本の衆院比例では、各党に配分した議席数に応じて、基本的には名簿の順位に沿って当選者を決めます。小選挙区と比例に重複立候補した人を同じ順位に置く場合は、小選挙区の最多得票者に対する得票の割合などで順番を定める規則があります。
小選挙区で既に当選した人の扱い、一定の得票に届かなかった重複候補、名簿に載せた人数なども関係します。政党に何議席を配るかと、その党の誰が当選するかは分けて確認します。また参議院の比例代表は同じ当選順の仕組みではないため、衆院の説明をそのまま移せません。
方式の比較は、置いた条件から読む
方式を比べる計算では、同じ票を二つの規則へ入れると仕組みの違いが見えます。ただし、制度を変えた現実に同じ票がそのまま生じる、という予測にはなりません。候補者の立て方や投票する人の選択も別に確かめる必要があるからです。
結果を見るときは、得票率と議席率、全国合計と選挙区ごとの分布、政党の配分と個人の当選を分けます。どの方式を望ましいと考えるかには、地域の代表や多様な意見の反映など、重視する価値も関わります。計算結果だけを制度の良し悪しの証明にしないようにします。
- 票の条件
各区 A40・B35・C25票が10区。合計 A400・B350・C250票
- 10の小選挙区
各区の最多はA。A10・B0・C0議席
- 10議席の比例配分
整数で割った商を比較。A4・B4・C2議席
各党に十分な名簿人数がある架空の比較。日本の総選挙の議席構成そのものではありません。
全ての区で40%を得たら?
架空の10選挙区で、それぞれ100票のうちA党40票、B党35票、C党25票、候補者は各党一人とします。各区一人を選ぶ方式ならA党が全10議席を得ます。全体の支持はA40%、B35%、C25%でも、議席率は同じ割合になりません。
同じ合計票A400、B350、C250を10議席の比例配分へ入れ、各党に十分な名簿人数があるとすると、整数で割る方式ではA4、B4、C2議席になります。この比較は衆院の小選挙区と比例を合算した実際の選挙の再現ではなく、二つの規則の差を切り出した計算です。
考えるときの注意点
- 架空の支持分布を実際の投票行動の予測へ広げない。
持ち帰る見方
- 得票率と議席率を別々に読む。
- 一人を選ぶ区と複数議席の配分では変換の規則が違う。
- 議席数の配分と候補者の当選順を区別する。
次に広がる疑問
- 一議席を支える人数の差を知る
- 候補者と政党の関係を知る
- 割合の分母を確かめる
順番に読んでいる方へ
出典
公職選挙法(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/325AC1000000100
確認日:2026-10-04
本文の出典・補足
一人を選ぶ方式と、議席を分ける方式
衆院小選挙区は最多有効得票と法定得票を満たす候補者が当選する。比例は名簿届出政党等の得票を整数で割った商で配分する。
- 対象
- 95条、95条の2第1項
- 条件
- 小選挙区法定得票6分の1、同票くじ等。
- 例外・限界
- 過半数が常に必要とはしない。比例の端数・名簿人数に条件。
公職選挙法(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/325AC1000000100
得票率と議席率は、同じ数字にならない
架空の同じ支持分布でも、小選挙区と比例配分では議席構成が異なり得る。
- 対象
- 配分方式に基づく架空計算
- 条件
- 同一分布を仮定した比較で現実の投票行動を固定する予測ではない。
- 例外・限界
- 制度が変わると候補者・有権者の行動も変わり得る。
公職選挙法(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/325AC1000000100
日本の比例は単純な割合表だけでは決まらない
衆院比例では名簿順位に加え、重複立候補者の同順位を惜敗率で順序付けする規定等がある。
- 対象
- 86条の2・95条の2第3–6項
- 条件
- 重複候補の同順位の場合。
- 例外・限界
- 参院比例の方法と同一にしない。
公職選挙法(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/325AC1000000100
方式の比較は、置いた条件から読む
架空の同じ支持分布でも、小選挙区と比例配分では議席構成が異なり得る。
- 対象
- 配分方式に基づく架空計算
- 条件
- 同一分布を仮定した比較で現実の投票行動を固定する予測ではない。
- 例外・限界
- 制度が変わると候補者・有権者の行動も変わり得る。
公職選挙法(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/325AC1000000100
衆院比例では名簿順位に加え、重複立候補者の同順位を惜敗率で順序付けする規定等がある。
- 対象
- 86条の2・95条の2第3–6項
- 条件
- 重複候補の同順位の場合。
- 例外・限界
- 参院比例の方法と同一にしない。
公職選挙法(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/325AC1000000100