数字と報道

職業と政策への賛否に関係があるか、表全体からどう調べる?

職業別の賛否表では、職業と賛否が独立なら各セルに何人いるかを考え、実際の人数とのずれを表全体で調べます。これがカイ二乗の独立性検定です。関連があるという結果と、職業が意見を変えたという原因の結論は別です。

基本の用語

二つの分類を組み合わせた人数表を分割表と呼びます。行が職業、列が賛否なら、一人を一つの行と一つの列に対応させます。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

比べるのは二つの分類

職業ごとに賛成率が違うように見えるとき、独立性検定は「職業と賛否が独立」という帰無仮説を置きます。独立なら、賛成かどうかの割合は職業の分類を知ることで変わりません。対立仮説は、二つの分類に何らかの関連があることです。

一つの目立つセルだけを選んで判断する方法ではありません。対象となる分類を先に定め、行と列の組合せを表全体で比べます。賛成・反対だけでなく中立を含む場合も、分類が同じ対象を重複なく分けているかを確かめます。

二つの分類に関連があっても、その方向は検定から決まりません。職業以外の背景が意見と関わる場合も考えられます。結果の「独立でない」を「職業によって賛否が生じた」と書き換えると、検定が答えていない問いへ結論を広げます。

独立なら何人になるか

独立なら、ある行の人数に全体の列割合を掛けた数が、そのセルの期待人数になります。式は「行合計×列合計÷全体人数」です。観測した賛成の人数そのものを、独立を仮定した期待人数と混同しないようにします。

例えば全体の賛成が60%なら、人数50の職業区分の期待賛成数は30人です。整数になるとは限りません。期待度数は架空の人を数えた実測値ではなく、帰無仮説の下で何人になるかを表す計算上の値です。小数が出ても、それだけで誤りではありません。

同じ表でも、人数ではなく百分率だけ示されると精度に必要な情報が抜けます。また調査の重みを使った人数を、そのまま独立な回答人数と扱うのは適切とは限りません。誰をどう抽出し、一人を一回ずつ数えたかという設計を表の読み方に含めます。

表全体のずれを読む

カイ二乗の独立性検定では、観測度数と期待度数のずれをまとめ、自由度は「行数−1」×「列数−1」です。表の大きさと抽出設計、近似計算に合う条件を確認します。単に総人数が多いという情報だけで、すべての条件を満たしたとは考えません。

表の説明では「職業Aのうち賛成が何%」と「賛成者のうち職業Aが何%」も区別します。分母が行合計か列合計かで数字の意味が変わります。期待度数の計算へ入る前に、どの割合の違いを読んでいるかを表の見出しで確認します。

有意な結果が出ても、どの区分のどれほどの違いが重要かは表へ戻って読みます。全体の人数に対する割合や、職業別の賛成率などを併記すると、関連の内容が見えます。検定結果を一つのp値だけで済ませず、人数と具体的な差を残します。

有意でない結果は、独立が厳密に証明されたという意味でもありません。表にどんな関連を検出できる情報があったかが残ります。少数の表なら、近似を使わず条件付きの表の確率を計算するFisher検定など、目的に合う方法を別に確かめます。

観測人数と独立を置いた期待人数
  • 観測度数

    実際に数えた行×列の人数

  • 期待度数

    独立を置き、周辺合計から計算した人数

  • 結論の範囲

    分類間の関連を調べる。原因は別の問い

模型と用途を区別する説明図です。実際の調査や測定の結果を示していません。

職業2区分と賛否の期待人数(架空)

100人を職業A50人、B50人に分けます。賛成はA40人、B20人、反対はA10人、B30人です。全体の賛成は60人なので、独立を仮定した期待賛成数はAもBも50×60÷100=30人です。

期待反対数はどちらも20人です。観測した40・10・20・30人と期待した30・20・30・20人を区別します。この表は関連の問いを作る例で、現実の職業差や原因の調査結果ではありません。

持ち帰る見方

  • 独立という帰無仮説、期待度数、関連と因果の違いを読める。
  • 有意でもどのセルが重要か、関連の大きさは別途読む。

次に広がる疑問

  • 回答者が少ないとき、期待人数の近似をどう扱う?

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出典

  • Introductory Statistics 2e §11.3 Test of Independence(Barbara Illowsky / Susan Dean(著者原教材、OpenStax))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/11-3-test-of-independence

    確認日:2026-10-07

本文の出典・補足

比べるのは二つの分類

独立性検定は二つのカテゴリ要因の独立を帰無仮説にし、独立でないことを対立仮説とする。

対象
人数や件数を二つのカテゴリで分類した分割表の独立性。
条件
各観測を二つの分類に対応させる。
例外・限界
関連の検出は原因の方向を決めない。
  • Introductory Statistics 2e §11.3 Test of Independence(Barbara Illowsky / Susan Dean(著者原教材、OpenStax))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/11-3-test-of-independence

独立なら何人になるか

独立を仮定したセルの期待度数は、行合計×列合計÷全体人数で求める。

対象
分割表の各セルの人数・件数。行合計と列合計を同じ全体に対応させる。
条件
周辺合計は同じ表から取る。度数表を用いる。
例外・限界
割合や重み付き推定人数を無条件で独立人数の表として扱わない。
  • Introductory Statistics 2e §11.3 Test of Independence(Barbara Illowsky / Susan Dean(著者原教材、OpenStax))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/11-3-test-of-independence

表全体のずれを読む

独立性のカイ二乗検定の自由度は、行数−1と列数−1の積である。

対象
行と列で分類した度数表のカイ二乗検定。
条件
適切な抽出とカイ二乗近似の条件を確認する。
例外・限界
有意でもどのセルが重要か、関連の大きさは別途読む。
  • Introductory Statistics 2e §11.3 Test of Independence(Barbara Illowsky / Susan Dean(著者原教材、OpenStax))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/11-3-test-of-independence