数字と報道
箱ひげ図のひげの先は、必ず最小値と最大値?
必ずしも最小値と最大値ではありません。箱ひげ図には、ひげを最小・最大まで伸ばす型と、離れた観測値を点で別表示する型があります。箱と中央値を読み、ひげの定義を凡例で確かめると、図が示す広がりを取り違えずに比較できます。
基本の用語
四分位数は値を小さい順に並べた位置です。箱の長さは人数ではなく、同じ単位の値の差を表します。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 中央値が同じなら、低い方や高い方も同じ?分位点は値の順位による位置で、同値や計算法も関わる。
- 同じデータでも、山が一つの図と二つの図になる?等幅階級の度数・相対度数と区間設定による見え方を説明する。
箱と中央の線を読む
箱の両端は第1四分位数と第3四分位数で、内部の線は中央値です。箱は中央付近の約半分の値がどれくらい広がるかをまとめます。例えば待ち時間の箱が4分から8分までなら、その幅は4分です。半分の人が全員その区間の中央にいるという意味ではありません。
中央値が同じ5分の窓口でも、箱が4分から6分の窓口と、2分から10分の窓口では、中央付近の広がりが違います。中央値の位置、箱の幅、左右のひげをそれぞれ見ます。人数が違う二集団の箱の幅を、回答数が多いほど広がる棒として読むこともできません。
同じ値が多いと四分位数や中央値が重なり、箱の端と中央線が一致する場合があります。図の四分位数の算出方法も確認します。数値が違ったときは、対象や同値の状況、算出の規定を資料に戻って確かめます。図の形の違いだけで、どの条件が変わったかを推測して埋めません。
ひげの定義を確かめる
基本的な箱ひげ図では、ひげを最小値と最大値まで伸ばします。一方で、離れた値を別の点で示す型では、ひげの端は最小・最大とは限りません。外に点がある図を見て、その点が集計から捨てられたと考えると、長く待った人の観測を見落とします。
どの値を別の点として示すか、ひげをどこまで伸ばすかは、その図の規約で決まります。別表示された点という位置の情報と、入力ミスだから修正するという判断は別です。長い待ち時間が実際の出来事なのか、記録の誤りなのかは、その観測に戻って確かめます。
図の注記がなければ、ひげの端を見ただけで最大値と断定できません。必要な資料は、その図の描画規則か、最小・最大を含む元の要約表です。見るべき場所を具体化すると、図の情報を補って長い側の広がりを読めます。
省かれた情報も意識する
箱ひげ図は分布を少数の位置へまとめるので、同じ箱とひげの形でも、中の値が二か所に集中することはあり得ます。山の数やどの値が最多かを知りたいなら、度数表やヒストグラムを補います。箱の形だけから利用者の種類が二つあると決めません。
複数の窓口を比較するときは、同じ時期・同じ待ち時間の定義・同じ横軸単位をそろえます。受付までの待ち時間と処理完了までの時間を混ぜると、図の幅に異なる工程が入ります。箱ひげ図は比較を見やすくしますが、対象の違いを自動的に調整する図ではありません。
横軸の目盛りも欠かせません。0から20分までの図と、0から100分までの図を同じ画面幅で描けば、同じ4分の箱でも長さが違って見えます。横軸を伴わない箱の幅だけで、待ち時間が何倍に広がったと判断しないようにします。数値の位置を目盛りへ戻して読むと、表示の縮尺と測定値の差を分けられます。
- 箱と中央線
四分位数と中央値。中央付近の幅と中心を見る。
- ひげ
図の規約によって端の意味が変わる。
- 別の点
ひげの外に示された観測。自動的な除外や誤りではない。
同じ横軸とひげの規約をそろえて比較する。
二つのひげ規約を比べる(架空の例)
8人の待ち時間を1、2、3、4、5、6、7、20分とします。全ての値までひげを伸ばすと、右のひげの端は20分です。ここでは別の描き方として、20分を点で示し、右のひげを7分まで伸ばすと定めます。
どちらの図にも20分の観測は残っています。後者のひげの端7分を最大待ち時間と読むのは誤りです。この例の別表示規則は説明用に定めたもので、実際の図の規約は凡例で確かめます。
持ち帰る見方
- 箱は中央付近の広がり、中央線は中央値を表す。
- ひげの端を最大値と読む前に、点の別表示と規約を見る。
次に広がる疑問
- 中央付近より、上側の長い待ち時間を詳しく読むには?
順番に読んでいる方へ
出典
OpenStax Introductory Statistics 2e: Box Plots(Barbara Illowsky / Susan Dean(著者原教材、OpenStax))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/2-4-box-plots
確認日:2026-10-07
本文の出典・補足
箱と中央の線を読む
箱ひげ図の箱は第1四分位数から第3四分位数までを表し、中央値も示す。
- 対象
- 数値の順序による四分位数。同値と計算法を確認する。
- 条件
- 箱の幅から中央の広がりを読む。
- 例外・限界
- 箱の内部でどこへ集中するかまでは分からない。
OpenStax Introductory Statistics 2e: Box Plots(Barbara Illowsky / Susan Dean(著者原教材、OpenStax))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/2-4-box-plots
ひげの定義を確かめる
外れた値を点で別表示する箱ひげ図では、ひげの先が最小値・最大値とは限らない。
- 対象
- 外れ値を点で表示する型の箱ひげ図。
- 条件
- 図の凡例に定めたひげの規約を使う。
- 例外・限界
- 点として示された観測値を自動的に誤りとしない。
OpenStax Introductory Statistics 2e: Box Plots(Barbara Illowsky / Susan Dean(著者原教材、OpenStax))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/2-4-box-plots