金融と企業のお金

同じ金利上昇でも、債券の値下がり幅が違うのはなぜ?

金利に対する価格の敏感さが、債券によって違うからです。その物差しがデュレーションです。満期までの年数だけでなく、利払いなども関わります。小幅な金利変化に対する概算に使えますが、実際の価格変化の保証や、信用リスクを含む全ての安全性の評価ではありません。

基本の用語

一般に市場金利が上がると、固定した利息を受け取る既存債券の価格は下がる方向に動きます。変化の向きと、その大きさは別の問いです。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

満期とは違う、値段の敏感さ

同じ0.5ポイントの金利上昇でも、ある債券が約2%、別の債券が約4%下がるという違いを考えます。デュレーションは、金利が変わるときに価格がどれほど動きやすいかを表す指標です。数値が大きいほど、価格が金利へ敏感であると読みます。

満期は元本を返す予定日で、デュレーションは価格の感応度です。期間の単位を使う場合があっても、同じものではありません。満期までの時間のほか、途中に受け取る利息、利回り、期限前償還の条項なども計算へ関わります。

FINRAの説明では、一般に利息の率が高いほどデュレーションは低く、満期が遠いほど高くなる傾向があります。ただし、異なる契約を残存年数だけで並べて敏感さを決めることはできません。どの条件の指標を使ったかを確かめます。

小さな金利変化を、おおよその値動きへ直す

基本の近似では、金利が1パーセントポイント変わると、価格が逆方向へデュレーションの数値程度のパーセント変わると考えます。デュレーション4なら、金利が0.5ポイント上がったとき、価格の約2%の下落が概算になります。

ここでの0.5ポイントは、例えば金利2%から2.5%への変化です。2%の0.5%という意味ではありません。金利の変化幅と、債券価格の変化率を違う単位で使うため、数値だけを掛ける前に、何を表す単位なのかを確認します。

この関係は、他の条件を固定した小幅な変化の近似です。大きな金利変化でも直線の計算が正確に成り立つとは限りません。償還条項や信用条件、市場需給が変わる場合の価格を、この一つの式で全て予測することもできません。

低い感応度でも、別のリスクは残る

低いデュレーションは、金利への敏感さが相対的に低いという情報です。発行者が約束どおり払えるか、物価で受取の購買力がどう変わるか、早期に償還されるかなど、他のリスクは残ります。数値が小さいことを元本保証と同じにしません。

債券ファンドにもデュレーションが示される場合があります。組入れの内容に基づく指標なので、保有債券や比率が変われば数値も変わり得ます。ある日の値を、今後も一定の価格変動幅を示す約束として扱わないようにします。

比較する際には指標の基準日、対象の債券、金利以外に固定した条件を確認します。満期まで持つ予定か、途中で売る必要があるかという自分の資金の日程も別にあります。デュレーションは変動の大きさを整理する入口として、契約や他のリスクと組み合わせます。

金利が0.5ポイント上がる場合の概算

架空の債券Aはデュレーション4、Bは8、両方の現在価格は100万円とします。金利以外の条件を固定し、小幅変化の近似を使うと、金利0.5ポイント上昇でAは約2万円、Bは約4万円の価格下落となります。

残存年数をそのまま4年、8年と仮定した例ではありません。また、実際に必ず98万円、96万円で売れるとは定めていません。近似の対象である金利変化以外の要因は、省いています。

持ち帰る見方

  • デュレーションと満期を分ける。
  • 金利のポイント変化を、価格変化率の概算へ直す。
  • 小幅近似と、残る信用・償還等のリスクを確認する。

次に広がる疑問

  • 短期金利が上がっても、長期金利が下がることはある?
  • 満期まで利息を受け取るつもりでも、債券が早く返される?

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出典

  • Brush Up on Bonds: Interest Rate Changes and Duration(米国金融業規制機構(FINRA))https://www.finra.org/investors/insights/bonds-interest-rate-changes-duration

    確認日:2026-10-04

本文の出典・補足

満期とは違う、値段の敏感さ

デュレーションは金利変化に対する債券価格感応度の物差しで、満期までの時間そのものとは違う。

対象
デュレーションという金利感応度と満期の違い、小幅変化の近似と他リスクを説明する。
条件
金利以外の条件一定
例外・限界
利払い/利回り/償還条項等でも異なる
  • Brush Up on Bonds: Interest Rate Changes and Duration(米国金融業規制機構(FINRA))https://www.finra.org/investors/insights/bonds-interest-rate-changes-duration

小さな金利変化を、おおよその値動きへ直す

デュレーションを用いた概算では金利1ポイントの変化に対し逆方向へその数値程度のパーセント価格変化を考える。

対象
デュレーションという金利感応度と満期の違い、小幅変化の近似と他リスクを説明する。
条件
小幅変化の近似、D4/8、金利0.5ポイントの架空例
例外・限界
厳密予測/大変化で直線保証なし
  • Brush Up on Bonds: Interest Rate Changes and Duration(米国金融業規制機構(FINRA))https://www.finra.org/investors/insights/bonds-interest-rate-changes-duration

低い感応度でも、別のリスクは残る

低デュレーションでも信用/インフレ/償還等のリスクが残り、ファンドの感応度も組入れに応じ変わる。

対象
デュレーションという金利感応度と満期の違い、小幅変化の近似と他リスクを説明する。
条件
債券又は債券ファンド
例外・限界
金利感応度だけで元本保証としない
  • Brush Up on Bonds: Interest Rate Changes and Duration(米国金融業規制機構(FINRA))https://www.finra.org/investors/insights/bonds-interest-rate-changes-duration