税と財政

給与所得控除は、給料から引かれる税金や社会保険料?

給料から引かれる税や保険料ではありません。給与所得控除は、給与の収入から給与所得を求める計算に使う額です。複数の勤務先の給与を合計し、その年分の表や上限、端数帯の扱いを使います。手取り額から逆算する計算とは違います。

基本の用語

源泉徴収票の支払金額は給与の収入に対応し、給与所得控除後の金額はその次の計算段階です。源泉徴収税額は既に引かれた税で、これらの所得の金額とは別です。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

収入から所得へ進むための控除

給与所得は給与等の収入から給与所得控除を差し引いて計算します。控除額は収入金額に応じた表で決まり、自分が実際に払った仕事の費用を合計する欄ではありません。給与所得を求めた後に、社会保険料控除等の所得控除を使う段階があるので、同じ控除という名前でも計算場所を区別します。

源泉徴収票を読むときは、支払金額、給与所得控除後の金額、源泉徴収税額を別の欄として対応させます。口座へ振り込まれた手取り金額に給与所得控除をもう一度引くと、収入とは違う金額から計算することになります。税や保険料の実際の出金と、税法上の所得を求める調整を分けることが必要です。

勤務先ごとに、控除を二回使わない

同じ年分の源泉徴収票が複数ある場合は、支払金額を合計して表を適用します。転職前後の勤務先ごとに給与所得控除を独立に計算し、その二つを足す方法ではありません。給与収入が二か所からあっても、同じ人の同じ年分の給与所得を求める計算です。

国税庁は、給与収入660万円未満では速算の表だけでなく、所得税法別表第五で給与所得額を求める扱いを示しています。2026・2027年分には低い収入帯について別の注記もあります。表の途中の率を単純に掛けた額だけで、すべての端数帯まで確定しないようにします。計算する年分と収入帯をそろえて表の注も読みます。

年分と、表の施行日を一緒に読む

掲載本文は、2025年分と2026・2027年分の控除表を分けています。後者の改正額には、2026年12月1日施行で2026・2027年分に適用するとの注記があります。確認日は2026年10月7日で施行日前です。下の例は2025年分を使い、2026年分の施行前の給与処理をその例から決めません。

2025年分では、給与収入850万円を超える帯の給与所得控除は195万円が上限です。例の給与収入900万円なら給与所得は705万円となります。所得控除や税率を適用する前の段階なので、705万円がそのまま課税所得や手取り額という意味ではありません。年分別の表を使った所得計算と、その後の納税額の計算を分けます。

転職の年の確認では、前職と現職の源泉徴収票が同じ年分かをまず照らします。前年の一枚を混ぜたり、手取りの年合計を支払金額の代わりにしたりすると、正しい控除表を選んでも出発点が違います。合計した給与収入にどの年分・収入帯の表を適用したかを書き残せば、控除の上限に達した理由も説明できます。控除後の給与所得と、その後に所得控除を引く段階の金額は、表の中でも別の行にしておきます。

給与収入の合計から給与所得を求める
  1. 給与収入の合計

    同一年分の各勤務先の支払金額

  2. 給与所得控除

    その年分の表・収入帯・上限で計算

  3. 給与所得

    収入から控除を引いた金額

所得を求める順番です。数値例は2025年分に限定し、手取りや税額の計算は省略します。

2025年分の二か所の給与を合計する(架空の例)

2025年分に、一つの勤務先から500万円、もう一つから400万円の給与収入があるとします。合計900万円に対して控除の上限195万円を使い、給与所得は705万円です。

各勤務先で控除を別々に求めて合算する例ではありません。また、900万円から実際に195万円が天引きされるという意味でもありません。ほかの所得や所得控除、最終税額はこの例で計算していません。

持ち帰る見方

  • 複数の給与は、同じ年分の収入を合計して計算する。
  • 年分の表・上限・別表の注を確認し、税や手取りと分ける。

次に広がる疑問

  • 実際の仕事の支出に、別の控除が使える?
  • 源泉徴収した所得税は、どう精算する?

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出典

  • No.1410 給与所得控除(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm

    確認日:2026-10-04

本文の出典・補足

収入から所得へ進むための控除

給与所得は給与等の収入から給与所得控除を差し引く計算である。

対象
日本の給与所得。申告対象の年分に対応する給与所得控除。
条件
日本の給与所得、掲載年分ごとの表。
例外・限界
源泉徴収された税や社会保険料の額を指す言葉ではない。
  • No.1410 給与所得控除(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm

勤務先ごとに、控除を二回使わない

複数の給与源泉徴収票がある場合は支払金額の合計に表を適用し、660万円未満では別表第五による所得額の計算がある。

対象
同じ年分に複数の勤務先から受け取った給与と、給与所得の計算。
条件
各年分の給与合計、掲載表の注。
例外・限界
速算表だけで端数帯の所得を確定しない。
  • No.1410 給与所得控除(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm

年分と、表の施行日を一緒に読む

掲載ページは2025年分と2026・2027年分を分け、後者の新しい額は2026年12月1日施行で各年分に適用と注記する。

対象
給与所得控除の2025年分と2026・2027年分の区別。後者の改正は2026年12月1日施行で、10月7日時点では施行前。
条件
2026-04-01掲載法令等、2026-10-07確認。
例外・限界
2026-10-07時点では12月1日未到来。記事例は2025年分、現行施行日前の源泉処理を例から断定しない。
  • No.1410 給与所得控除(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm