数字と報道
二つの支援の利用率を足せば、どちらかを使う割合になる?
そのまま足せるのは、同じ人が二つの支援を重ねて利用しない場合です。両方を使った人がいるなら、その割合を一度引きます。AまたはBを使う割合は「Aの割合+Bの割合−両方の割合」です。同じ対象、期間、分母の数字をそろえて計算します。
基本の用語
ここでの「または」は、片方だけでなく両方を使う人も含みます。利用件数でなく、同じ集団の利用者を一人一度数える問いです。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 検査が陽性でも、病気のある人の割合が違うのはなぜ?「病気なら陽性」と「陽性なら病気」は分母が違う。
- 統計の数字は、何を数えたもの?対象・分母・期間・平均を確かめる
両方の人を一度に数える
A支援の利用者を数え、B支援の利用者を数えて足すと、両方使う人を二回数えます。「どちらかを使った人」を一人一回に戻すには、重複した人数を一度引けばよいことになります。割合でも、全てが同じ分母なら同じ操作ができます。
確率の加法則は、AまたはBの確率をP(A)+P(B)−P(AとB)と表します。両方の確率を引くのは、両方の人を対象から除くためではありません。二回数えたうち一回分だけを引き、AまたはBの側に一度残すためです。
「どちらか一つだけを使う」なら別の問いです。両方使う人は、その問いの対象に入りません。両方の人数を二度数えた合計から二回分を引くことになります。日常語の「どちらか」が両方を含むかを言葉にしてから、計算する事象を決めます。
重なりゼロの条件を見る
AとBが同時に起こらない場合、二事象を排反と呼び、両方の確率は0です。この条件ならAまたはBの確率は、二つの確率を足すだけになります。例えば一つだけ選ぶ質問の回答カテゴリなら、定義上同じ回答が二カテゴリへ入らないように設計できます。
二つの支援の名前が違うというだけでは、排反とはいえません。利用条件が重なり、同じ人が別の日に両方使えるなら、同じ月の利用者の重複があり得ます。時間や対象の単位を固定すると、「同時に起きない」という条件が具体的になります。
利用率の合計が100%を超えても、すぐ統計の誤りとは限りません。複数利用を認める項目なら重複が入るためです。逆に合計が100%以下だから、重複がないとも決まりません。一方の率の小ささだけで、両方の利用者がいないことは確認できません。
分母と記録の単位をそろえる
Aは全住民に対する利用率、Bは申請者に対する利用率という表では、数値をそのまま足し引きできません。必要なのは、同じ住民の範囲でAだけ、Bだけ、両方、どちらもなしを整理した人数です。重複の割合が何を分母にしたかも合わせて確認します。
また一人がAを三回使ったとき、利用件数は3件でも利用者は1人です。延べ件数の合計から、利用者の重複人数を引けば単位が混ざります。人数を答える問いなのか件数を答える問いなのかを定め、同じ表の計数単位で計算する必要があります。
二つの利用率だけでは、両方使う割合は一般に決まりません。両方の記録か、重複がないという制度上・質問上の条件を追加で探します。二つの率が示す範囲と、重複まで分かった場合に計算できる範囲を分けることが、見出しから過大な利用者数を作らない助けになります。
- Aだけ
20人。Aの40人から両方20人を引く。
- Bだけ
10人。Bの30人から両方20人を引く。
- 両方
20人。AまたはBには一度だけ含める。
同じ月の同じ100人を分母にした利用者数。
両方を使う20人を一度に数える(架空の例)
同じ月の住民100人で、A利用者40人、B利用者30人、両方利用者20人とします。AまたはBの利用者は40+30−20=50人、50%です。Aだけ20人、Bだけ10人、両方20人が入ります。
「片方だけ」の利用者なら20+10=30人です。AまたはBの50人から両方20人を引いた値とも一致します。対象月と分母を固定して、両方を含む問いと含まない問いを区別しています。
持ち帰る見方
- 同じ分母の率を足し、両方の率を一度引けば重複を除ける。
- 排反、独立、利用件数と利用者数はそれぞれ別の条件。
次に広がる疑問
- 同時に起きない事象は、互いに独立でもある?
順番に読んでいる方へ
出典
Introductory Statistics 2e, 3.3 Two Basic Rules of Probability(Barbara Illowsky・Susan Dean/OpenStax(Rice University))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/3-3-two-basic-rules-of-probability
確認日:2026-10-04
本文の出典・補足
両方の人を一度に数える
AまたはBの確率は、Aの確率とBの確率の和から、両方の確率を引く。
- 対象
- 同じ標本空間の二事象の和。
- 条件
- 同じ対象・期間・分母で割合と重なりを定義する。
- 例外・限界
- 利用件数と利用者数の異なる分母を混ぜない。
Introductory Statistics 2e, 3.3 Two Basic Rules of Probability(Barbara Illowsky・Susan Dean/OpenStax(Rice University))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/3-3-two-basic-rules-of-probability
重なりゼロの条件を見る
排反な二事象では、両方が起こる確率はゼロである。
- 対象
- 同時に起こらない二事象。
- 条件
- 両方を選べない定義である。
- 例外・限界
- 異なる名前の支援でも同じ人が両方利用できれば排反でない。
Introductory Statistics 2e, 3.3 Two Basic Rules of Probability(Barbara Illowsky・Susan Dean/OpenStax(Rice University))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/3-3-two-basic-rules-of-probability