数字と報道

少なくとも一度起きる確率は、どう計算する?

「少なくとも一度」の反対は「一度も起きない」です。一度も起きない確率を求め、1から引くと、少なくとも一度の確率になります。この二つが全ての結果を分ける補集合です。各回が独立なら不発の確率を掛けられますが、その条件は別に確認します。

基本の用語

確率の1は全ての可能な結果、百分率なら100%を表します。補集合では、同じ結果の範囲を「当てはまる」と「当てはまらない」に分けます。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

起こらない側を引く

Aという事象の補集合は、Aに入らない全ての結果です。Aとその補集合は重ならず、合わせると全体になります。したがって補集合の確率は1−P(A)です。複雑な側を直接足し上げるより、反対側の方が計算しやすいことがあります。

三回試して少なくとも一度成功するというAには、一度だけ成功、二度成功、三度成功が全て入ります。反対側は三回とも失敗です。反対を「三回とも成功」や「一度だけ失敗」と取り違えると、全体を二つに分けた計算になりません。

条件を否定した側に、残りの全ての結果が入るかを言葉で確かめます。三回中一度だけ成功する事象なら、反対は0回、2回、3回の成功です。「少なくとも一度」と「ちょうど一度」は異なる事象なので、使う補集合も異なります。

全結果を二つに分ける

一回の成功確率がpなら不発確率は1−pです。三回が独立で毎回同じpという模型では、全不発の確率は(1−p)を三回掛けた値になります。そのため少なくとも一回の成功は1−(1−p)の三乗です。独立という条件と、補集合として引く操作を区別します。

毎回の成功確率が同じでも、試行どうしが依存していれば、全不発を同じように掛けられるとは限りません。例えば当たり券の固定された箱から券を戻さず引けば、残りの券の内訳が変わります。補集合を使う式は変わらなくても、全不発を求める計算が変わります。

繰り返しで少なくとも一度起こる確率が高くなることと、次の一回の確率が高くなることは別です。独立で一定pなら、次の成功確率はpのままです。まとめて三回を見る事象の確率と、ある一回に限った成功確率を混同しないようにします。

回数と期間を先に決める

「いずれ一度起こる」と「今月中に一度起こる」は同じ問いではありません。何回試すか、どの期間を見ているかで、補集合に含まれる全不発の範囲も変わります。毎日一回なのか毎週一回なのかを決めずに、月の確率へ回数を置き換えることはできません。

また成功を数える定義もそろえます。予約が取れたことと、実際に利用を完了したことでは結果が違います。「一度以上」の計算を使うときは、どの出来事を成功とし、何回の試行の中で数えるかを一文で表します。

一度も起こらない側の確率が分かれば補集合を使えますが、分からないときに都合のよい値を入れれば答えも仮の値になります。実際の一回確率や依存が不明な場面では、独立・一定pの計算例と現実の確率を区別して示します。

三回の応募で少なくとも一回当たる(架空の例)

一回の当選確率を0.2とし、三回の応募は独立とします。三回とも外れる確率は0.8×0.8×0.8=0.512。少なくとも一回当たる確率は1−0.512=0.488、48.8%です。

20%を三回足した60%では、二回以上当たる結果を重ねて数えます。48.8%は三回まとめた問いへの答えです。最初の二回が外れたと知っても、この独立模型で三回目の当選確率は20%のままです。

この計算の三回は、当選前に終える規則ではなく、三回の試行をまとめて見る固定回数です。

持ち帰る見方

  • 「少なくとも一度」の反対は「一度もない」。
  • 補集合の引算と、全不発を掛算で求める独立条件を分ける。

次に広がる疑問

  • 外れが続いたことと、長期的な当選割合の関係は?

順番に読んでいる方へ

学習地図で、ほかの分野とのつながりを見る

出典

  • OpenStax Introductory Statistics 2e: Terminology(Barbara Illowsky / Susan Dean(著者原教材、OpenStax))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/3-1-terminology

    確認日:2026-10-07

本文の出典・補足

起こらない側を引く

事象Aの補集合はAに含まれない全ての結果であり、両者の確率の和は1。

対象
同じ標本空間のAとその補集合。
条件
全ての結果をAとAでない側へ重複なく分ける。
例外・限界
少なくとも一回の反対は一回も起きないであり、全回成功ではない。
  • OpenStax Introductory Statistics 2e: Terminology(Barbara Illowsky / Susan Dean(著者原教材、OpenStax))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/3-1-terminology

全結果を二つに分ける

補集合の確率は1から元の事象の確率を引く。

対象
二つの補集合の確率。
条件
複数回の不発確率の計算には独立性等を別途明示する。
例外・限界
各回の確率を無条件で掛け合わせない。
  • OpenStax Introductory Statistics 2e: Terminology(Barbara Illowsky / Susan Dean(著者原教材、OpenStax))https://openstax.org/books/introductory-statistics-2e/pages/3-1-terminology