財政と暮らし
PFIで民間が公共施設を造れば、自治体の負担はなくなる?
PFIで民間が資金を調達して公共施設を造っても、自治体の負担がなくなるとは限りません。公共がサービス対価を払う事業や、利用者の料金が関わる事業があります。支払を契約期間へ分散することと、費用自体を減らすことは別です。長期の費用、サービス水準、リスク分担を比べます。
基本の用語
PFIは、公共施設等の建設・維持管理・運営へ民間の資金や能力を用いる方式です。「造る時に誰がお金を出すか」と「事業の費用を最終的に誰が負担するか」を分けると、民間資金の意味が分かります。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 道路や施設への支出は、いつ豊かさにつながる?投資額と完成後の便益を分ける。
- 役所は欲しい物を好きな会社から買える?競争の原則と法定例外を分ける。
民間資金は、施設を造る時のお金の出し方
PFIは公共施設等の建設、維持管理、運営に、民間の資金、経営能力、技術的能力を活用する手法です。施設を造る時に公共が直接全額を用意する方法とは違う資金の組み方を取れますが、施設やサービスに費用が掛からなくなる方式ではありません。
民間の能力を使う目的には、効率的な事業の実施やサービスの質の向上があります。設計、建設、維持管理等をまとめて考えれば、後の運営を意識した提案を求められます。ただし、効率化を目指すことを、全ての事業で節約が実現した観測結果として読むことはできません。
PFI法のPFIと、単に業務を民間へ委託することは同じ呼び名ではありません。民間が関わるという一点で方式をまとめず、何を民間に任せ、資金と契約をどう組み合わせる事業なのかを確かめます。
契約期間を通して、誰が費用を支払うか
PFIには、公共が民間事業者へサービス対価を支払う事業があります。施設整備費の支払を契約期間に分散し、各年の負担をならすことが可能です。建設時の公共の支払が小さく見えても、その後の契約に伴う支払を含めなければ、負担の全体は分かりません。
利用料金を徴収する公共施設の運営を民間へ任せる方式もあります。費用を誰が払うかは、公共の対価、利用者の料金等の仕組みを事業ごとに確認します。全PFIで同じ収入や支払方法を取るわけではありません。
支払を複数年に分けることは、費用の発生をなくすこととは違います。今年の予算だけを比べると、長期契約の負担を見落とし得ます。公共施設を従来の方法で整備した場合と比べるときも、建設時だけでなく使い続ける期間を含めて考えます。
長期の費用、サービス水準、リスクを比べる
PFIを選ぶ際には、従来型の整備方式と、費用やサービス水準を比較します。内閣府の説明には、PFI等が有利かを評価し、従来型が有利ならその方式を選ぶ流れがあります。民間資金を使うという名称だけで、望ましい方法は決まりません。
事業には需要の変化、事故、物価・金利等の変化などのリスクがあります。PFIの考え方では、それを管理しやすい主体に分担します。「民間が運営する」から全てのリスクが消えるのではなく、官民がどのリスクを受け持つ契約かを確認する必要があります。
安さとサービスの継続を、契約期間全体で確認する
公共側は、契約したサービスの水準や経営状況等を監視することも重要です。契約を結んだことだけで、長期にわたり望むサービスが続く保証にはなりません。支払、サービス水準、事業が続かない場合の扱いを合わせて見る必要があります。
費用の比較では、同じサービスをどの期間提供するかという条件をそろえます。建設時の支払を抑えた代わりに後の支払が残ることと、事業全体の費用を減らせたことを分ければ、民間資金という言葉だけで公費がゼロだと判断せずに済みます。
建設時の支払と、後に残る支払
架空の例
ある施設について、公共が建設時に1億円を払う案と、民間が資金を用意し、公共が契約期間中にサービス対価を払う案を比べるとします。後者の建設時の公共支払が小さくても、その数字だけでは期間全体の費用が少ないとは分かりません。
比べるには、後の支払、提供するサービス、リスク分担の条件が必要です。この設定は金利や契約期間を置かず、どちらが安いかを計算したものではありません。
持ち帰る見方
- 民間の資金調達と、公費負担ゼロを同じにしない。
- 建設時の支払に加え、契約期間の対価や利用料を見る。
- 費用、サービス水準、リスク分担をそろえて比較する。
次に広がる疑問
- 公共施設は、建てた後の維持費も含めてどう評価する?
- 役所は、どんな条件で契約の相手を選ぶ?
順番に読んでいる方へ
出典
PPP/PFIとは(内閣府 民間資金等活用事業推進室)https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/aboutpfi/aboutpfi_index.html
確認日:2026-10-04
PFI事業の概要(内閣府 民間資金等活用事業推進室)https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/aboutpfi/pdf/pfijigyou_gaiyou.pdf
確認日:2026-10-04
PFIの効果(内閣府 民間資金等活用事業推進室)https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/aboutpfi/pfi_kouka.html
確認日:2026-10-04
本文の出典・補足
民間資金は、施設を造る時のお金の出し方
PFIは公共施設等の建設・維持管理・運営に民間の資金や経営・技術能力を活用する方式で、民間資金を使うこと自体は公費負担がゼロになる意味ではない。
- 対象
- 内閣府 PFIとは、概要p2~4
- 条件
- PFI法に基づく方式の制度説明
- 例外・限界
- 全ての委託やPark-PFIを同一の法的制度にしない。
PPP/PFIとは(内閣府 民間資金等活用事業推進室)https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/aboutpfi/aboutpfi_index.html
PFI事業の概要(内閣府 民間資金等活用事業推進室)https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/aboutpfi/pdf/pfijigyou_gaiyou.pdf
契約期間を通して、誰が費用を支払うか
PFIには公共がサービス対価を支払う事業があり、施設整備費を契約期間にわたり平準化することが可能で、利用料金を徴収する運営事業もある。
- 対象
- 概要p3・4・12・14
- 条件
- サービス対価を支払う場合と、利用料を徴収する運営事業の制度例
- 例外・限界
- 全PFIで同じ支払方式・公費額・利用料構造とはしない。支払時期の分散を費用総額の消滅としない。
PFI事業の概要(内閣府 民間資金等活用事業推進室)https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/aboutpfi/pdf/pfijigyou_gaiyou.pdf
長期の費用、サービス水準、リスクを比べる
PFIは従来型の整備方式と費用やサービス水準を比較して選び、リスクを管理しやすい主体への分担や公共側のサービス監視も重要になる。
- 対象
- 概要p8~10・12、PFIの効果のリスク管理
- 条件
- 方式選択と期待効果の説明、実際の分担は契約条件
- 例外・限界
- PFIなら必ず安い・全リスクが民間へ移るという断定をしない。
PFI事業の概要(内閣府 民間資金等活用事業推進室)https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/aboutpfi/pdf/pfijigyou_gaiyou.pdf
PFIの効果(内閣府 民間資金等活用事業推進室)https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/aboutpfi/pfi_kouka.html
安さとサービスの継続を、契約期間全体で確認する
PFIには公共がサービス対価を支払う事業があり、施設整備費を契約期間にわたり平準化することが可能で、利用料金を徴収する運営事業もある。
- 対象
- 概要p3・4・12・14
- 条件
- サービス対価を支払う場合と、利用料を徴収する運営事業の制度例
- 例外・限界
- 全PFIで同じ支払方式・公費額・利用料構造とはしない。支払時期の分散を費用総額の消滅としない。
PFI事業の概要(内閣府 民間資金等活用事業推進室)https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/aboutpfi/pdf/pfijigyou_gaiyou.pdf
PFIは従来型の整備方式と費用やサービス水準を比較して選び、リスクを管理しやすい主体への分担や公共側のサービス監視も重要になる。
- 対象
- 概要p8~10・12、PFIの効果のリスク管理
- 条件
- 方式選択と期待効果の説明、実際の分担は契約条件
- 例外・限界
- PFIなら必ず安い・全リスクが民間へ移るという断定をしない。
PFI事業の概要(内閣府 民間資金等活用事業推進室)https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/aboutpfi/pdf/pfijigyou_gaiyou.pdf
PFIの効果(内閣府 民間資金等活用事業推進室)https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/aboutpfi/pfi_kouka.html