経済の基礎

一時的な賞与と、続く昇給では、買い物の増え方が違う?

一度だけの賞与より、今後も続く昇給の方が、予想する生涯所得を大きく増やします。自由に借入と貯蓄ができる消費平準化の模型では、その違いが今の買い物にも表れます。入金の額だけでなく、いつまで続き、既に予想していたかを確かめます。

基本の用語

消費平準化は、所得が毎期同じでなくても消費をならす考え方です。今日と将来の支出を結ぶ予算に、満足と将来の見通しを加えて考えます。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

一回の入金と、続く所得を分ける

消費平準化の模型では、消費の水準は今期の所得だけでなく、資産と今後の所得の現在価値に関わる。

今月の給与から今月の買い物を機械的に決めるのではなく、資産と先の給与も合わせて使える額を考えます。永久所得という名前でも、一生の所得を確実に知っているという現実の記述ではありません。先を見通す模型の考え方です。

所得を先に受け取った方が貯蓄しやすくても、借入が自由なら、後で受け取る所得を見越して先に消費することもできます。入金時期と使う時期を分けられるので、一時的な所得変動がそのまま消費変動にはなりません。

生涯の追加所得を、各期へ分ける

利子率と割引率がゼロで消費を平準化する有限期間の単純例では、初期資産と全期間の所得を合計し、期間数で割った消費を選ぶ。

利子と将来への割引をともにゼロとし、四期間を同じ重みで考えます。初期資産がゼロで毎期100の所得なら、総所得400を四つに分け、毎期100を消費する設定です。比較する前に期間数と残す資産の条件をそろえます。

今だけ40が増えると総所得は440、毎期の消費は110です。今から四期間とも40が増えるなら総所得560で毎期140です。同じ今期40の増収でも、一度きりか継続かで消費計画の増分は10と40に分かれます。

予想済みの入金と、新しい情報は違う

将来所得の現在価値を変えない予想済みの所得時期の変更は、自由な借入・貯蓄ができる模型では消費計画を変えない。一方、予想外の生涯所得の変更はその計画を変える。

既に今期の賞与40を見込んで毎期110を使う計画を立てた人には、実際の入金は新しい所得情報ではありません。その時にもう一度40を生涯所得へ足すと、同じ収入を二重に数えることになります。

対して、ないと思っていた賞与が決まれば、使える総額の見通しが変わります。ニュースの消費反応を読むときも、給与明細へ載った日と、昇給や賞与を確信した日が同じかを確かめます。

平準化を実行できる条件を確かめる

所得が少ない時期には借入や資産の取り崩し、多い時期には貯蓄で消費を平準化するため、借入制約等があれば消費の所得反応は変わりうる。

所得の低い期に借りて高い期に返すには、貸してもらえる必要があります。将来の給与が十分でも、今の手持ちと借入枠が小さければ、平らな消費計画を実行できません。予算全体の余裕と今日の支払能力は別です。

さらに将来所得が確実でないときには、その見通しのばらつきも判断に入ります。ここでの数字は不確実性や大型の買い物を省いています。一回の賞与を受け取った全家計が、その四分の一だけを使うという実測の規則ではありません。

同じ額の入金を比べるときは、一回分か複数期の追加かを先に書き出します。期間ごとの追加を合計してから消費へ分けると、継続する昇給を一回の賞与と取り違えずに済みます。

条件を置いた具体例

架空の例

四期間、初期資産ゼロ、各期所得100、最後に資産を残さず、利子も割引もゼロとします。今期だけ賞与40があると、総額440を四期間へ分け、毎期110を消費します。

四期間とも所得が40増えると毎期140です。自由な借入と貯蓄がある同じ条件で比較しています。もともと賞与を予想していたなら、その入金だけでは110の計画を改めて増やしません。

持ち帰る見方

  • 一度だけの賞与より、今後も続く昇給の方が、予想する生涯所得を大きく増やします。
  • 所得が少ない時期には借入や資産の取り崩し、多い時期には貯蓄で消費を平準化するため、借入制約等があれば消費の所得反応は変わりうる。

次に広がる疑問

  • 貯蓄や借入は、今日と将来の買い物をどうつなぐ?
  • 無料でも費用があるとはどういうこと?

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出典

  • Consumption and Saving, MIT14.05 (2013)(MIT OpenCourseWare / George-Marios Angeletos)https://ocw.mit.edu/courses/14-05-intermediate-macroeconomics-spring-2013/8944c5b270619b2c45e8e9f79dbbbcef_MIT14_05S13_LecNot_consu.pdf

    確認日:2026-10-05

  • Chapter4: Consumption and Saving, MIT14.451 (2007)(MIT OpenCourseWare / George-Marios Angeletos)https://ocw.mit.edu/courses/14-451-macroeconomic-theory-i-spring-2007/a6d8ac78c43c4e5e0d70b91ff959bc44_notes_ch_4.pdf

    確認日:2026-10-05

本文の出典・補足

一回の入金と、続く所得を分ける

消費平準化の模型では、消費の水準は今期の所得だけでなく、資産と今後の所得の現在価値に関わる。

対象
確実な将来所得と自由な借入・貯蓄の消費平準化模型。
条件
利子率と時間の割引率が一定で等しく、同じ消費選好を置く。架空例は有限期間、両方の率ゼロ。
例外・限界
借入制約・不確実性・耐久財等を省く。全家計の実際の消費反応を保証せず、所得予想の変更と現金入金を分ける。
  • Consumption and Saving, MIT14.05 (2013)(MIT OpenCourseWare / George-Marios Angeletos)https://ocw.mit.edu/courses/14-05-intermediate-macroeconomics-spring-2013/8944c5b270619b2c45e8e9f79dbbbcef_MIT14_05S13_LecNot_consu.pdf

生涯の追加所得を、各期へ分ける

利子率と割引率がゼロで消費を平準化する有限期間の単純例では、初期資産と全期間の所得を合計し、期間数で割った消費を選ぶ。

対象
確実な将来所得と自由な借入・貯蓄の消費平準化模型。
条件
利子率と時間の割引率が一定で等しく、同じ消費選好を置く。架空例は有限期間、両方の率ゼロ。
例外・限界
借入制約・不確実性・耐久財等を省く。全家計の実際の消費反応を保証せず、所得予想の変更と現金入金を分ける。
  • Consumption and Saving, MIT14.05 (2013)(MIT OpenCourseWare / George-Marios Angeletos)https://ocw.mit.edu/courses/14-05-intermediate-macroeconomics-spring-2013/8944c5b270619b2c45e8e9f79dbbbcef_MIT14_05S13_LecNot_consu.pdf

予想済みの入金と、新しい情報は違う

将来所得の現在価値を変えない予想済みの所得時期の変更は、自由な借入・貯蓄ができる模型では消費計画を変えない。一方、予想外の生涯所得の変更はその計画を変える。

対象
確実な将来所得と自由な借入・貯蓄の消費平準化模型。
条件
利子率と時間の割引率が一定で等しく、同じ消費選好を置く。架空例は有限期間、両方の率ゼロ。
例外・限界
借入制約・不確実性・耐久財等を省く。全家計の実際の消費反応を保証せず、所得予想の変更と現金入金を分ける。
  • Chapter4: Consumption and Saving, MIT14.451 (2007)(MIT OpenCourseWare / George-Marios Angeletos)https://ocw.mit.edu/courses/14-451-macroeconomic-theory-i-spring-2007/a6d8ac78c43c4e5e0d70b91ff959bc44_notes_ch_4.pdf

平準化を実行できる条件を確かめる

所得が少ない時期には借入や資産の取り崩し、多い時期には貯蓄で消費を平準化するため、借入制約等があれば消費の所得反応は変わりうる。

対象
確実な将来所得と自由な借入・貯蓄の消費平準化模型。
条件
利子率と時間の割引率が一定で等しく、同じ消費選好を置く。架空例は有限期間、両方の率ゼロ。
例外・限界
借入制約・不確実性・耐久財等を省く。全家計の実際の消費反応を保証せず、所得予想の変更と現金入金を分ける。
  • Consumption and Saving, MIT14.05 (2013)(MIT OpenCourseWare / George-Marios Angeletos)https://ocw.mit.edu/courses/14-05-intermediate-macroeconomics-spring-2013/8944c5b270619b2c45e8e9f79dbbbcef_MIT14_05S13_LecNot_consu.pdf