経済の基礎

足りない商品を価格以外で分けると、何が起きる?

価格を抑えて希望する人が供給量を上回るなら、誰へ渡すかを別の方法で決める必要があります。抽選は応募条件、行列は使う時間、転売は最終的な使用者を変える条件に注目します。

基本の用語

不足があるとわかった後にも、配分の問いは残ります。ここでは品物の数量を固定し、その価格で欲しい人が数量より多い場合を比べます。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

値段を抑えても、配る方法を決める必要がある

品物が10個で、同じ価格で買いたい人が20人なら、値段を決めただけでは全員へ渡せません。先着順、抽選など、誰を選ぶかというルールが必要になります。数量不足の原因を説明することと、その後の配分方法を選ぶことは別です。

不足は価格上限だけが原因とは限りません。このモデルでは設定価格で需要量が供給量を上回るという条件を置きます。価格が両者を一致させる場合と同じ結果を想定せず、限られた品物をどう分けるかに注目します。

抽選は、支払う意思の強さだけで配分を決めない

一人一口の応募から無作為に選ぶ抽選では、より高い価格を払う意思のある人が必ず当選するわけではありません。ただし、誰が応募できるか、何口応募できるか、どんな方法で選ぶかが結果へ関わります。

応募条件が違えば、抽選という名前でも同じ機会とは限りません。また、同じ応募条件で無作為に選ぶことと、品物を必要とする度合いが最も強い人へ渡すことも異なります。抽選だけから唯一の公平な配分とは決まりません。

行列では、代金以外に時間を使う

行列では、入手のために時間を使います。その時間にできた次善の活動を諦めるなら、代金とは別に機会費用があります。安い品物でも、長く並ぶ必要がある場合には、入手の負担は代金だけでは表せません。

人によって選べる活動や時間の評価は違います。全員の待ち時間に同じ賃金額を掛ければ負担がわかる、と機械的に決めるのではなく、並ばなければ何ができたかを比べます。

最初の配分と、転売後の配分は変わりうる

当選者が品物を売れる条件なら、最初の抽選と最後に使う人は変わりえます。二次市場では、より高い金額を払う意思のある人へ移る可能性があり、抽選の時点だけでは最終配分を説明しきれません。

ここで考えるのは転売を可能と置いた配分モデルです。現実に転売できるかは、商品の種類、法律、契約などで確認する必要があります。初回の当選結果、転売の条件、最後の利用を分けて見ます。

同じ10枚を、抽選か行列で渡す

架空の例

20人が同じ価格で10枚の利用券を希望し、一人一口の無作為抽選で10人を選ぶと置きます。一人あたりの当選確率は2分の1ですが、全員が半枚ずつ受け取るわけではありません。実際には選ばれた人が1枚、他の人が0枚です。

先着順に替えても券は10枚のままです。早く並べる人と、その時間には別の活動を選ぶ人では入手条件が変わります。抽選と行列を比べるには、枚数だけでなく、応募条件や時間の負担を一緒に確認します。

持ち帰る見方

  • 不足を認めた後にも、誰へ渡すかという配分の問いが残る。
  • 抽選の応募条件、行列の時間、転売後の利用者を分ける。

次に広がる疑問

  • 設定価格で不足が生じる条件を読む
  • 待つ時間に諦める次善の活動を考える
  • 配分を変えたときの各人の前後を比べる

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出典

  • The Economy 1.0, Unit 11: Rent-seeking, price-setting, and market dynamics(CORE Econ)https://books.core-econ.org/the-economy-v1/book/text/11.html

    確認日:2026-10-05

  • The Economy 1.0, Unit 3: Scarcity, work, and choice(CORE Econ)https://books.core-econ.org/the-economy-v1/book/text/03.html

    確認日:2026-10-04

本文の出典・補足

値段を抑えても、配る方法を決める必要がある

商品が不足する価格を設定した場合には、誰が得るかを価格以外の方法で決める必要がある。行列や抽選による配分は、その方法の例である。

対象
商品量が限られ、設定価格では希望する量が供給を上回る配分モデル。
条件
設定価格で需要量が供給量を上回り、利用できる数量が限られる。
例外・限界
不足の原因を価格上限だけに限る説明ではない。価格が需要と供給を一致させる場合とは条件が異なる。
  • The Economy 1.0, Unit 11: Rent-seeking, price-setting, and market dynamics(CORE Econ)https://books.core-econ.org/the-economy-v1/book/text/11.html

抽選は、支払う意思の強さだけで配分を決めない

同じ条件の応募から無作為に当選者を選ぶ抽選では、高い価格を払う意思の強さだけで配分が決まらない。誰が応募できるかと、当選のルールが結果に関わる。

対象
商品量が限られ、設定価格では希望する量が供給を上回る配分モデル。
条件
一人一口など応募条件が同じ抽選で、一定価格の限られた商品を配る。
例外・限界
無作為抽選であることだけで、必要の強い人が必ず選ばれるとは限らない。
  • The Economy 1.0, Unit 11: Rent-seeking, price-setting, and market dynamics(CORE Econ)https://books.core-econ.org/the-economy-v1/book/text/11.html

行列では、代金以外に時間を使う

順番を待つ配分では、入手のために時間を使う。その時間を別の実行可能な活動へ使えたなら、商品代金とは別に機会費用がある。

対象
商品量が限られ、設定価格では希望する量が供給を上回る配分モデル。
条件
並ぶ時間と同じ時間にできた次善の活動を比べる。
例外・限界
時間の価値は人ごとに異なる。待ち時間を全員の同じ賃金額へ機械的に換算するモデルではない。
  • The Economy 1.0, Unit 11: Rent-seeking, price-setting, and market dynamics(CORE Econ)https://books.core-econ.org/the-economy-v1/book/text/11.html

  • The Economy 1.0, Unit 3: Scarcity, work, and choice(CORE Econ)https://books.core-econ.org/the-economy-v1/book/text/03.html

最初の配分と、転売後の配分は変わりうる

抽選等で得た商品を転売できるなら、最初の当選者が最終的に使う人とは限らない。二次市場では高い金額を払う意思のある人へ商品が移る可能性がある。

対象
商品量が限られ、設定価格では希望する量が供給を上回る配分モデル。
条件
商品を再販売できる条件を置き、初回と転売後の配分を分ける。
例外・限界
転売の合法性や公正さは、商品の種類・地域の法律・契約等を別に確認する必要がある。
  • The Economy 1.0, Unit 11: Rent-seeking, price-setting, and market dynamics(CORE Econ)https://books.core-econ.org/the-economy-v1/book/text/11.html