政治の仕組み
問題発言をした市議を、議会が辞めさせられる?
地方議会は、法律や会議規則などに違反した議員へ懲罰を科せます。戒告、陳謝、出席停止、除名の四つがあり、除名には特に厳しい議決条件があります。議会内の懲罰と、住民による解職請求や刑事裁判は別の手続です。
基本の用語
住民が選んだ議員でも、議会での活動には法や会議規則の条件があります。議員の発言内容への評価と、何の違反にどの懲罰を科すかの決定を分けます。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 市議会の「百条委員会」は、何を調べられる?議会は自治体の事務を調査し、特に必要な場合には関係人の出頭・証言・記録提出を請求できる。
法や会議規則への違反を議会が扱う
地方自治法134条は、同法、会議規則、委員会に関する条例に違反した議員に、議会が議決で懲罰を科すことができると定めます。懲罰について必要な事項は会議規則に定めます。問題発言という報道だけでなく、何の規定への違反が示されたかを読みます。
議長や他の議員が発言を批判したこと、懲罰の動議が出たこと、懲罰の議決がされたことは別の段階です。強い批判があっても、法定の懲罰が決まったと同じには扱えません。会議録や議決内容で、機関としてどの判断をしたかを確認します。
政治的な意見の対立だけで、全ての違反要件が満たされるとはしません。説明に不足があれば、対象となる発言・行為と会議規則等を対応させる必要があります。望ましくない発言だという評価と、その懲罰を適用できる理由を混ぜないことが大切です。
懲罰には四つの種類がある
135条の懲罰は、公開の議場での戒告、公開の議場での陳謝、一定期間の出席停止、除名の四つです。戒告は注意を受けるもの、出席停止は一定期間会議への出席が止まるものとして、議席を失う除名とは効果を区別して読みます。
懲罰の動議を議題とするには、議員定数の8分の1以上の者の発議が必要です。一人が除名すべきだと発言しただけで、正式な懲罰の議題になったとは言えません。発議に必要な人数と、最終的な議決に必要な人数は別です。
何日間の出席停止か、公開の議場で何をすることを求めたかなど、実際の議決内容まで見ると効果を具体化できます。「処分された」という一語で、議員を辞めたと補わないようにします。提案された懲罰と採用された懲罰が同じかも確認します。
除名には特別の出席と賛成を要する
除名には、議員の3分の2以上が出席し、その出席者の4分の3以上が同意する条件があります。出席の分母と賛成の分母は違います。議員数の4分の3が賛成なら足りる、などと一つの割合だけで読み替えません。
例えば議員が12人なら、少なくとも8人の出席が必要です。8人が出席する場合は、その4分の3である6人以上の同意が必要になります。この計算は議員数・出席者数を置いた例で、特定の議会の実際の数え方を確定するものではありません。
住民が所定の署名で解職を請求し、解職投票で問う制度は別です。議会の除名議決を住民投票と呼んだり、署名が集まったことを除名と呼んだりしません。また懲罰が刑事有罪の判断を代わりに行うわけではなく、何の機関が何を決めたかを保ちます。
- 戒告・陳謝
公開の議場で行う懲罰
- 出席停止
一定期間の出席を止める
- 除名
議席に関わるため特別の議決条件を要する
種類の比較です。戒告から必ず順番に除名へ進む制度ではありません。
出席停止と除名を読む(架空の例)
ある議会で出席停止が議決され、別の議会では除名の動議が提出されたとします。前者は既に特定の懲罰を決めた段階、後者は提案された段階です。
二つをどちらも「議員が辞めることになった」とはまとめません。除名については発議数、出席者、同意数、実際の議決を確認します。出席停止の期間が過ぎることと、除名の議決が成立することも別の出来事です。
持ち帰る見方
- 議会は地方自治法、会議規則、委員会条例に違反した議員へ議決で懲罰を科すことができ、必要事項を会議規則で定める。
- 除名は議員の3分の2以上の出席と、その出席者の4分の3以上の同意を要する。住民の解職請求・投票は別制度。
次に広がる疑問
- 市議会の「百条委員会」は、何を調べられる?
- 市議会は、いつでも公開で開かれる?
- 住民の署名で、条例や市長を変えられる?
- 市議が自分の契約に関わる議案で、投票してよい?
出典
地方自治法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/322AC0000000067
確認日:2026-10-07
本文の出典・補足
法や会議規則への違反を議会が扱う
議会は地方自治法、会議規則、委員会条例に違反した議員へ議決で懲罰を科すことができ、必要事項を会議規則で定める。
- 対象
- 日本の地方議会の議員に対する懲罰。2026年10月7日現在。
- 条件
- 134条。
- 例外・限界
- 単なる意見の不一致だけで全ての法定要件が満たされるとはしない。
地方自治法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/322AC0000000067
懲罰には四つの種類がある
懲罰は公開の議場の戒告・陳謝、一定期間の出席停止、除名。動議には定数の8分の1以上の議員の発議を要する。
- 対象
- 日本の地方議会の懲罰の種類と発議。2026年10月7日現在。
- 条件
- 135条1・2項。
- 例外・限界
- 出席停止と議席を失う除名は同じではない。
地方自治法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/322AC0000000067
除名には特別の出席と賛成を要する
除名は議員の3分の2以上の出席と、その出席者の4分の3以上の同意を要する。住民の解職請求・投票は別制度。
- 対象
- 日本の地方議会の除名の議決と住民の解職請求。2026年10月7日現在。
- 条件
- 135条3項・80・83条。
- 例外・限界
- 3分の2と4分の3は同じ分母ではない。
地方自治法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/322AC0000000067