政治の仕組み

市議が自分の契約に関わる議案で、投票してよい?

市議などの地方議員は、自分や所定の親族の一身上、又はその人の業務に直接の利害がある事件の議事に参加できません。議会の同意があれば出席して発言する例外はありますが、それを投票もできる許可と広げません。一般の政策への関心と直接の利害を分けて確認します。

基本の用語

地方議会は条例や予算などを議決します。議会全体が決める権限と、その議案に特定の議員が参加できるかという条件は別です。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

直接利害の事件は議事に参加できない

地方自治法117条は、普通地方公共団体の議会の議長と議員に除斥の条件を定めます。自己や父母、祖父母、配偶者、子、孫、兄弟姉妹の一身上に関する事件、又はその者が従事する業務に直接の利害がある事件について、議事に参与することはできません。

この規定を読む際は、誰とどの関係にあるか、議題が何を決めるものか、本人等の業務にどう直接関わるかを対応させます。「知り合いがいる」「地域で働いている」という一般的な説明だけを、条文の所定親族や直接利害と同じには扱いません。

議員も地域の住民として政策に関心や意見を持ちます。そのことと、自己等の一身上や業務に直接利害がある特定事件は違います。政策への賛成・反対の強さだけから除斥を決めるのではなく、具体的な事件と関係を確認します。

議会の同意で出席し発言できる

117条ただし書は、議会の同意があれば会議に出席し発言できると定めます。利害に関わる事情を説明する場面があっても、それだけで除斥の原則がなくなるわけではありません。条文が許すのは出席と発言なので、議決への参加まで許されたと広げません。

会議録で本人の発言が見つかったときも、「除斥される人なのに話しているから違反」と、発言した事実だけで決めることはできません。どの議会同意があり、何の発言をしたかを確認します。反対に、同意があったという記録だけで採決への参加も適切だったとは確定しません。

説明を聴くことと議決に加わることが分かれている点に注目します。関係者の説明が議会の判断材料になるとしても、誰が最終的な議決へ参加したかは別に読めます。会議の出席者名だけで議事への関与を一括りにしないようにします。

議決を要する事項と利害除斥は別

地方自治法96条は、条例、予算、一定の契約など、議会が議決する事件を定めます。ただし契約は種類や金額について条例等で定める条件があり、全ての契約を議会が個別に議決するわけではありません。まず、その案件で議会が何を決めるのかを確かめます。

そのうえで、当該議員に117条の条件があるかを別に見ます。「議会の権限だから全議員が投票できる」「市の契約だから関係者は全員除斥」といった大きな分類だけでは、二つの確認を済ませられません。議案の内容と利害関係が分かる資料を揃える必要があります。

議案説明、会議録、利害関係についての議会の扱いを対応させると、何がまだ分からないかも示せます。制度上参加できるかという問いと、その議案が住民にとって望ましいかという評価も別です。除斥された人がいるという情報だけから、議案の内容の良し悪しまで決めません。

議案への関与を分ける
  • 議事への参与

    直接の利害等があると117条で制限

  • 出席と発言

    議会の同意がある場合の例外

  • 議会全体の権限

    96条などで何を議決するか確認

出席・発言の許容から採決参加まで許されたとは読みません。

自分の業務に関わる議案(架空の例)

市がある契約について議決しようとし、議員本人の業務に直接の利害があるとします。議会の権限を確認したうえで、その議員には除斥の条件を確かめる必要があります。

議会の同意で本人が事情を説明したとしても、同意の内容を投票の許可へ置き換えません。この例は直接の利害があると仮定しており、実際の契約や議員の関係をここで判定するものではありません。

持ち帰る見方

  • 地方議会の議長・議員は、自己又は所定の親族の一身上や、その者の業務に直接利害のある事件について議事に参与できない。
  • 条例・予算・一定の契約などの議決事項が法定されている。議会が決める事件であっても個別議員の117条の除斥条件は別に確かめる。

次に広がる疑問

  • 市長と市議会が対立すると、誰が決める?
  • 市議会は、いつでも公開で開かれる?
  • 問題発言をした市議を、議会が辞めさせられる?

学習地図で、ほかの分野とのつながりを見る

出典

  • 地方自治法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/322AC0000000067

    確認日:2026-10-07

本文の出典・補足

直接利害の事件は議事に参加できない

地方議会の議長・議員は、自己又は所定の親族の一身上や、その者の業務に直接利害のある事件について議事に参与できない。

対象
日本の地方議会の議員の除斥。2026年10月7日現在。
条件
地方自治法117条の普通地方公共団体。
例外・限界
地域政策への一般的関心と直接の利害関係を同一にしない。
  • 地方自治法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/322AC0000000067

議会の同意で出席し発言できる

117条ただし書により議会の同意があれば会議に出席して発言できる。これを議決への参加まで許すものと広げない。

対象
日本の除斥された議員の出席と発言。2026年10月7日現在。
条件
117条ただし書の限定された許容。
例外・限界
出席・発言の許可と議事参与の原則禁止は区別する。
  • 地方自治法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/322AC0000000067

議決を要する事項と利害除斥は別

条例・予算・一定の契約などの議決事項が法定されている。議会が決める事件であっても個別議員の117条の除斥条件は別に確かめる。

対象
日本の地方議会の議決権限と議員個人の利害。2026年10月7日現在。
条件
96・117条。
例外・限界
全ての契約が96条の議決対象ではない。
  • 地方自治法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/322AC0000000067