数字と報道
空き家が多ければ、すぐ住める家も多い?
空き家の総数は、すぐ入居できる賃貸住宅の数とは違います。2023年住宅・土地統計調査の空き家には、賃貸用、売却用、別荘などの二次的住宅、それら以外の住宅が含まれます。用途と居住、建物の定義を分けて読みます。
基本の用語
調査日に家が留守だっただけでは空き家ではありません。また全ての使われない建物を住宅として数えるわけでもありません。ここでは2023年調査の用語の範囲を確認します。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 行政が持つ記録を集めれば、社会全体の統計になる?行政手続きの記録対象と、統計で知りたい社会の対象・単位・時点を比べる。
空いている住宅を用途で分ける
統計局の用語解説は、賃貸用・売却用、二次的住宅、それらを除く空き家に区分します。二次的住宅には別荘のほか、ふだんの住まいとは別に時々寝泊まりする住宅も含まれます。
総数が大きくても、全てが賃貸のために空いている住宅ではありません。住宅の供給を考えるなら、まず用途別の内訳を確認します。空き家という一つの言葉へまとめられたものを、募集物件の総数と読み替えないようにします。
賃貸用も新築と中古の両方を含みます。用途の区分と、建築時期や建物の状態は違う分類です。賃貸用の数から、希望する地域や設備の物件が何戸あるかまでこの区分だけで判断はできません。
ふだん住む人の有無を数える
この調査のふだんの居住は原則、調査日まで既に3か月以上住むか、調査日前後を通じて3か月以上住む予定で定義します。居住世帯があるかは、その場の一時的な在宅・不在だけで判断しません。
昼間だけ使用し、交代で寝泊まりするなど、ふだん居住する人が一人もいない「一時現在者のみの住宅」は、空き家と別区分です。人を見かけたかどうかと、調査上の分類が単純に一致するわけではありません。
住んでいる人が旅行へ行き調査日に留守でも、ふだんの居住条件を満たしていれば、その不在だけで空き家にはしません。利用の実態を短い観察で決める数と、調査の定義で数える数を区別します。
廃屋と未完成を同じにしない
解説は、そのままでは家庭生活が困難ないわゆる廃屋を住宅に含めないとします。したがって空き家総数を「廃屋の数」と説明することもできません。そもそもの住宅の要件を満たすかが先です。
一方、建築中でも戸締まりできる段階なら、内装が完了していなくても空き家にします。分類の空き家が、その時点で完成してすぐ暮らせる建物を保証するわけではありません。建築段階と利用可能性も別に読みます。
廃屋を含めないことと、全空き家がそのまま募集できる状態であることは異なります。調査の対象となる住宅という条件から、改修の必要性や利用手続の条件まで自動的に決まるわけではありません。
利用できる戸数とは別に考える
賃貸・売却・二次的住宅を除く区分には、転勤や入院による長期不在、建て替えのため取り壊す予定の住宅などを含みます。空き家の種類を判断しにくい住宅もこの区分へ入ります。
そのため、この区分の数を全て放置住宅と呼んだり、総数を全部すぐ使える在庫と呼んだりしません。今どう使われ、何のために空いているかという情報が必要です。分類の広さと、利用可能な供給量を分けます。
空き家対策の報道では、どの調査の何の区分の増減かを探します。区分をそろえた比較はできますが、その増加が直ちに住居の確保を容易にしたかは、この総数だけでは判断できません。
100戸の内訳を変えて読む
架空の調査分類で空き家100戸の内訳が、賃貸用30戸、売却用10戸、二次的住宅20戸、それら以外40戸とします。100戸が全て賃貸募集用という読みはできません。
また賃貸用30戸という用途の数だけで、その全てが特定の日に即入居できることも確定しません。この例は分類の違いを示すもので、現実の市場の募集数や空室期間を測った値ではありません。
考えるときの注意点
- 2023年住宅・土地統計調査の用語を説明する。特定地域の改修費や空室市場の実態を推計してはいない。
持ち帰る見方
- 用途別の空き家を読む。
- 一時的な留守とふだんの居住を区別する。
- 調査上の戸数とすぐ利用できる供給を分ける。
次に広がる疑問
- 行政が持つ記録を集めれば、社会全体の統計になる?
- 公営住宅は、誰でも同じ家賃で入れる?
- 住民票がある人数と、国勢調査の人口は同じ?
順番に読んでいる方へ
出典
令和5年住宅・土地統計調査 用語の解説(総務省統計局)https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/yougo.pdf
確認日:2026-10-07
本文の出典・補足
空いている住宅を用途で分ける
空き家には賃貸用、売却用、二次的住宅、それら以外の空き家がある。二次的住宅には別荘や時々寝泊まりする住宅を含む。
- 対象
- 2023年調査の住宅/居住世帯/空き家の分類。最新件数・賃貸市場の実態値は使わない。
- 条件
- 2023年住宅・土地統計調査の分類。
- 例外・限界
- 全部を現在の賃貸募集物件と読まない。
令和5年住宅・土地統計調査 用語の解説(総務省統計局)https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/yougo.pdf
ふだん住む人の有無を数える
調査の居住は原則3か月以上住む又は調査日前後を通じて住む予定で定義し、一時現在者のみの住宅は空き家と別の区分である。
- 対象
- 2023年調査の住宅/居住世帯/空き家の分類。最新件数・賃貸市場の実態値は使わない。
- 条件
- 調査日/ふだん居住の定義。
- 例外・限界
- 調査日に誰も家にいないだけで空き家ではない。
令和5年住宅・土地統計調査 用語の解説(総務省統計局)https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/yougo.pdf
廃屋と未完成を同じにしない
家庭生活が困難な廃屋は調査上の住宅に含めない。一方、戸締まりできる段階の建物は内装未完でも空き家へ分類される。
- 対象
- 2023年調査の住宅/居住世帯/空き家の分類。最新件数・賃貸市場の実態値は使わない。
- 条件
- 2023年定義の住宅要件/建築進捗。
- 例外・限界
- 空き家総数だけで入居可能な品質を断定しない。
令和5年住宅・土地統計調査 用語の解説(総務省統計局)https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/yougo.pdf
利用できる戸数とは別に考える
その他区分には長期不在や取り壊し予定、種類の判断が困難な住宅も含むため、空き家総数はすぐ利用できる住宅の数ではない。
- 対象
- 2023年調査の住宅/居住世帯/空き家の分類。最新件数・賃貸市場の実態値は使わない。
- 条件
- 分類対象の用途/状態を追加確認する編集上の整理。
- 例外・限界
- 供給可能戸数を算出した実測ではない。
令和5年住宅・土地統計調査 用語の解説(総務省統計局)https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/yougo.pdf