経済の基礎

一つの市場で起きた値上がりは、ほかの市場へどう戻ってくる?

一つの値段が変わると、買い物の費用だけでなく、売る側や働く側の所得も変わります。その所得が別の商品の需要へ回るため、市場同士のつながりを同時に考える必要があります。一般均衡は、その相互関係のつり合いを扱う模型です。

基本の用語

需要と供給を一市場で比べる部分均衡では、ほかの条件を固定します。一般均衡は、財、働く資源、所有する利益の関係も合わせて考えます。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

値段は家計の所得も変える

一般均衡の家計予算では、保有する資源の価格評価と所有する企業利益の取り分が使える富を決める。価格を変えると購入費用だけでなく、この富も変わりうる。

小麦を買う家計には値上げが支出増になりますが、小麦を保有して売る家計には、その保有物の価値が上がります。同じ価格変化が全員の所得へ同じ向きに働くとは限りません。誰が何を持つかが必要です。

企業が増産して得た利益も、所有する家計の取り分へ戻ります。だから家計の所得を固定し企業利益だけを動かす比較と、両方を同時に調整する比較では、購入量の変化が一致するとは限りません。

全部の市場を、同時につり合わせる

競争均衡は、同じ価格の組の下で企業が利益を最大化し、家計が予算内で好みの最善を選び、その配分が経済全体の資源と生産の範囲に収まる組合せである。

家計が欲しい量と企業が作りたい量を別々に選んでも、資源の総量を超える計画はそのまま実現できません。同じ価格の下で各自が選ぶ量を集め、供給可能な量に収まるかを確認するのが大切です。

つり合う対象は、値段一つだけでなく価格の組と配分の組です。商品市場だけを見て雇用や材料投入を無制限に増やせると置くと、全体の資源制約を落としてしまいます。

一つだけ固定した比較との違い

部分均衡では家計の富や他市場の条件を固定して一市場を比較できるが、一般均衡では家計の初期保有や企業利益の価値も同時に考える。

一市場だけの比較は、その市場を詳しく調べる道具として使えます。ただ、影響が大きく他市場へ戻る問いでは、固定した条件が動くかを確かめます。模型の範囲を広げる目的は、説明を複雑にすること自体ではありません。

複数市場を並べただけでも不十分です。誰が売上を受け取り、それが誰の支出へ回るかをつなぎます。所有や分配を変えれば、同じ資源の量でも各家計の予算が変わり、別の需要の組が選ばれます。

均衡は、必ずそこへ動くという予測ではない

家計と企業の最適化と資源制約を同時に満たす均衡の定義だけでは、現実に価格がそこへ収束する速さや経路は定まらない。

均衡は全体として両立する計画の条件です。現実の値段を知れば必ず一つの解を計算できるという約束ではありません。好みや技術の条件によって、解の有無や数を別に調べる必要があります。

政策の影響を読むときも、最初の負担だけでなく、所得を得た人が何を買い、その供給に何が要るかを追います。ただし特定の価格が最後に必ず上がると予言するには、ここで示す関係以上の条件が必要です。

全体の支払と受取をつなぐ際には、企業の利益を売上と取り違えないようにします。売上から投入の費用を引いて残る利益の取り分が、所有家計の富に加わる設定です。働く資源の売却収入と企業利益を区別し、同じ受取を二回数えずに家計の予算を作ります。

条件を置いた具体例

架空の例

家計Aは小麦を持ち、家計Bは小麦を買うとします。小麦価格の上昇でAの保有物の評価が増え、Aが衣服を多く欲しがるという好みを置きます。衣服企業はその需要に応じるため働く資源を追加で求めます。

働く資源を小麦と衣服で共用するなら、その配分も調整が必要です。この説明は価格がどの方向へ落ち着くかの計算結果ではなく、最初の小麦市場だけでは全体の制約を見終わっていないという例です。

持ち帰る見方

  • 一つの値段が変わると、買い物の費用だけでなく、売る側や働く側の所得も変わります。
  • 家計と企業の最適化と資源制約を同時に満たす均衡の定義だけでは、現実に価格がそこへ収束する速さや経路は定まらない。

次に広がる疑問

  • 商品の値段は、どう決まる?
  • 作れる組合せの限界は、どうすれば広がる?

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出典

  • Lecture 13: Walrasian Equilibrium and International Trade — transcript, MIT 14.04 (2020)(MIT OpenCourseWare / Robert Townsend)https://ocw.mit.edu/courses/14-04-intermediate-microeconomic-theory-fall-2020/1Bn4_RDGcRW81CjT8JUjKjVfvOYUBojTZ_transcript.pdf

    確認日:2026-10-05

本文の出典・補足

値段は家計の所得も変える

一般均衡の家計予算では、保有する資源の価格評価と所有する企業利益の取り分が使える富を決める。価格を変えると購入費用だけでなく、この富も変わりうる。

対象
有限数の財・家計・企業からなる私的所有経済の競争均衡。
条件
各家計と企業が価格を受け入れ、初期保有と利益の所有持分を持つ。
例外・限界
一市場の動きだけで他市場の価格方向を一意に決めない。均衡の存在・一意性・現実の調整速度を定義から保証しない。
  • Lecture 13: Walrasian Equilibrium and International Trade — transcript, MIT 14.04 (2020)(MIT OpenCourseWare / Robert Townsend)https://ocw.mit.edu/courses/14-04-intermediate-microeconomic-theory-fall-2020/1Bn4_RDGcRW81CjT8JUjKjVfvOYUBojTZ_transcript.pdf

全部の市場を、同時につり合わせる

競争均衡は、同じ価格の組の下で企業が利益を最大化し、家計が予算内で好みの最善を選び、その配分が経済全体の資源と生産の範囲に収まる組合せである。

対象
有限数の財・家計・企業からなる私的所有経済の競争均衡。
条件
各家計と企業が価格を受け入れ、初期保有と利益の所有持分を持つ。
例外・限界
一市場の動きだけで他市場の価格方向を一意に決めない。均衡の存在・一意性・現実の調整速度を定義から保証しない。
  • Lecture 13: Walrasian Equilibrium and International Trade — transcript, MIT 14.04 (2020)(MIT OpenCourseWare / Robert Townsend)https://ocw.mit.edu/courses/14-04-intermediate-microeconomic-theory-fall-2020/1Bn4_RDGcRW81CjT8JUjKjVfvOYUBojTZ_transcript.pdf

一つだけ固定した比較との違い

部分均衡では家計の富や他市場の条件を固定して一市場を比較できるが、一般均衡では家計の初期保有や企業利益の価値も同時に考える。

対象
有限数の財・家計・企業からなる私的所有経済の競争均衡。
条件
各家計と企業が価格を受け入れ、初期保有と利益の所有持分を持つ。
例外・限界
一市場の動きだけで他市場の価格方向を一意に決めない。均衡の存在・一意性・現実の調整速度を定義から保証しない。
  • Lecture 13: Walrasian Equilibrium and International Trade — transcript, MIT 14.04 (2020)(MIT OpenCourseWare / Robert Townsend)https://ocw.mit.edu/courses/14-04-intermediate-microeconomic-theory-fall-2020/1Bn4_RDGcRW81CjT8JUjKjVfvOYUBojTZ_transcript.pdf

均衡は、必ずそこへ動くという予測ではない

家計と企業の最適化と資源制約を同時に満たす均衡の定義だけでは、現実に価格がそこへ収束する速さや経路は定まらない。

対象
有限数の財・家計・企業からなる私的所有経済の競争均衡。
条件
各家計と企業が価格を受け入れ、初期保有と利益の所有持分を持つ。
例外・限界
一市場の動きだけで他市場の価格方向を一意に決めない。均衡の存在・一意性・現実の調整速度を定義から保証しない。
  • Lecture 13: Walrasian Equilibrium and International Trade — transcript, MIT 14.04 (2020)(MIT OpenCourseWare / Robert Townsend)https://ocw.mit.edu/courses/14-04-intermediate-microeconomic-theory-fall-2020/1Bn4_RDGcRW81CjT8JUjKjVfvOYUBojTZ_transcript.pdf