経済の基礎
二人へ別々のおすすめを送ると、独立なくじよりうまく調整できる?
仲介者が二人の行動の組を選び、各人へ別々に推奨すると、独立なくじでは得られない調整が可能な場合があります。推奨を受けた後も一人でずらす得がないかを、条件付きの期待利得で確かめます。
基本の用語
混合戦略では各人が確率を選び、そのくじは独立と置きます。相関均衡では共同の分布を使い、各人が受け取る推奨から相手の行動を予想します。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 行動をランダムに選ぶ方が、相手に読まれず有利になる?相手に行動を読まれると不利になるゲームでは、確率を決めて行動を選ぶ均衡があります。
- 相手の出方で最善の選択が変わるのはなぜ?相手の行動を条件に、自分の最適反応を比べる。
一緒に組合せをくじで選ぶ
二人が別々に半々のくじを引くと、四つの行動の組がそれぞれ同じ確率で起こります。一緒に調整したい組だけを選ぶ仕組みとは違います。仲介者が行動の組を一度に選べば、起こる組合せの確率を独立なくじより広く設計できます。
その仲介者は各人へ「上を選んで」「左を選んで」と、その人の推奨だけを伝えます。他人への推奨を必ず知らせるわけではありません。受け取った通知が、相手についてどんな情報を与えるかまで、ルールの一部です。
推奨は強制命令ではありません。従う方が本人にとって悪くない条件を作れるかを考えます。二人の組を調整できることだけで、二人が必ず通知を守るとは分かりません。
自分の通知を受けた後で比べる
「上」という推奨が届いたら、上を送った場合だけに絞った分布で、相手の推奨を予想します。推奨前の全体分布で一回だけ得を比べるのではありません。本人が受け取った情報を条件にした確率が必要です。
例えばある通知は相手の行動を一つに特定し、別の通知は二つを半々と知らせるようにできます。通知ごとに従う得とずらす得を比べるため、全体として高い平均利得があることと、通知後に従いたいことは別の検査です。
相手も推奨に従うと置いた一人の変更を比べます。二人が同時に相談して別の組へ移る比較とは違います。また共同分布の全結果を公開した場合は、本人が知る情報が変わるので、その条件で再び検査します。
従いたくなる分布を確認する
どの正の確率の通知に対しても、一人で行動を変えた期待利得が高くならない共同分布が相関均衡です。同点であれば従うことも最適になります。全員が厳密に従う方を好むという条件までは要求していません。
以下の三つの組を使う例では、推奨によって相手が一つに決まる場合と、二つが残る場合を別に検算できます。独立なくじで起きたくない組を避けながら、通知後の一人の変更誘因も抑える点が特徴です。
仲介へ信頼を置けるか、分布と通知を実行できるかは現実の条件です。相関均衡の存在を、あらゆる仲介がよい結果を作るという評価へ広げません。設計した分布と、情報を受け取った後の比較の両方を読んで判断します。
- Aに上 / Bに右
相手の行動が一つに決まり、従う得4、ずらす得3。
- Aに下 / Bに左
相手の二候補が半々。従う得2、ずらす得2。
- 全体の平均
三つの組を各1/3で選び、双方の期待利得8/3。
同じ表の左右対称な通知条件をまとめた架空例です。自分の通知だけを知り、相手は従う条件で比べます。同点は推奨に従うことを許し、強制を意味しません。
架空の例:三つの行動の組を勧める
利得A/Bは上左4/1、上右0/0、下左3/3、下右1/4とします。仲介は上左・下左・下右を各1/3で選び、自分の行動だけを知らせます。Aに上ならBは左なので4>3。Aに下ならBは左右半々で、従う得(3+1)/2=2、上へ変える得(4+0)/2=2です。
Bも左の通知ではAが上下半々で、従う得(1+3)/2=2、右へ変える得(0+4)/2=2。右ならAは下なので4>3です。平均利得は双方8/3。独立に上下・左右を半々にする混合均衡の各2より高くなります。
持ち帰る見方
- 共同分布と、各人が知る通知内容をセットで確認する。
- 通知後の条件付き期待利得で一人の逸脱を検算する。
次に広がる疑問
- 最悪の相手への保証はどう求める?
- 私的タイプと仲介の推奨は何が違う?
順番に読んでいる方へ
出典
Correlated Equilibrium, Lecture 4 — MIT 6.254 (2010)(MIT OpenCourseWare / Asuman Ozdaglar)https://ocw.mit.edu/courses/6-254-game-theory-with-engineering-applications-spring-2010/52f7457038c77fbf6773454f528ae7aa_MIT6_254S10_lec04.pdf
確認日:2026-10-07
本文の出典・補足
一緒に組合せをくじで選ぶ
独立な混合戦略と違い、仲介者は行動の組を共同分布から選び、各人へその人の行動を推奨できる。
- 対象
- 私的な行動推奨に従う条件を条件付き期待利得で確認し、独立混合と区別する。
- 条件
- 有限二人ゲーム、信頼できる仲介の共同分布、各人には自分への推奨のみ通知、通知後の条件付き分布で期待利得比較、他人が推奨に従う。
- 例外・限界
- 推奨が拘束命令なら別ルール。相関分布を作るだけでは服従誘因を保証しない。全員が共同結果を知る場合は情報条件が変わる。
Correlated Equilibrium, Lecture 4 — MIT 6.254 (2010)(MIT OpenCourseWare / Asuman Ozdaglar)https://ocw.mit.edu/courses/6-254-game-theory-with-engineering-applications-spring-2010/52f7457038c77fbf6773454f528ae7aa_MIT6_254S10_lec04.pdf
自分の通知を受けた後で比べる
各人は自分への推奨を受けて、他人への推奨に関する条件付き確率を使う。
- 対象
- 私的な行動推奨に従う条件を条件付き期待利得で確認し、独立混合と区別する。
- 条件
- 有限二人ゲーム、信頼できる仲介の共同分布、各人には自分への推奨のみ通知、通知後の条件付き分布で期待利得比較、他人が推奨に従う。
- 例外・限界
- 推奨が拘束命令なら別ルール。相関分布を作るだけでは服従誘因を保証しない。全員が共同結果を知る場合は情報条件が変わる。
Correlated Equilibrium, Lecture 4 — MIT 6.254 (2010)(MIT OpenCourseWare / Asuman Ozdaglar)https://ocw.mit.edu/courses/6-254-game-theory-with-engineering-applications-spring-2010/52f7457038c77fbf6773454f528ae7aa_MIT6_254S10_lec04.pdf
従いたくなる分布を確認する
相関均衡では、他人が推奨に従うとき、自分も従う期待利得が、推奨から一人でずらす利得以上となる。
- 対象
- 私的な行動推奨に従う条件を条件付き期待利得で確認し、独立混合と区別する。
- 条件
- 有限二人ゲーム、信頼できる仲介の共同分布、各人には自分への推奨のみ通知、通知後の条件付き分布で期待利得比較、他人が推奨に従う。
- 例外・限界
- 推奨が拘束命令なら別ルール。相関分布を作るだけでは服従誘因を保証しない。全員が共同結果を知る場合は情報条件が変わる。
Correlated Equilibrium, Lecture 4 — MIT 6.254 (2010)(MIT OpenCourseWare / Asuman Ozdaglar)https://ocw.mit.edu/courses/6-254-game-theory-with-engineering-applications-spring-2010/52f7457038c77fbf6773454f528ae7aa_MIT6_254S10_lec04.pdf