財政と暮らし

消費税が掛からなくても、地方の事業税が掛かる?

消費税が免税でも、個人事業税が掛かる場合があります。消費税の納税義務と、都道府県が法定業種の所得に課す個人事業税は別の判定です。売上、所得、業種、事業を行った期間を分けて確認します。

基本の用語

売上は事業で得た収入、所得は所定の経費などを差し引いた額です。個人事業税は法人への事業税とも異なります。「事業をしている」という共通点だけで、税の対象と計算を一つにまとめないようにします。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

個人事業税は法定業種の所得に掛かる

個人事業税は、個人が営む事業のうち、法律で定められた業種の所得に掛かる税です。原則として、事務所・事業所の所在する都道府県が課します。事業を始めた人全員に、業種や所得を問わず課す税ではありません。

東京都の公式解説も、都内に事務所等を設けて法定業種を営む個人を対象としています。全国制度の根拠は地方税法ですが、具体的には所在地と事業の実態を確認します。法人への事業税や、消費税の納税義務の判定とは区別します。

売上と前年の所得を分ける

通常は、前年の事業の総収入から必要経費を差し引いた所得を基に計算します。売上全体にそのまま税率を掛けるものではありません。年の途中で事業を廃止した場合には、その年の廃止までの所得を基にするなど、対象期間にも違いがあります。

所得税申告書の所得額を無修正で使えるとも限りません。所得税の青色申告特別控除は個人事業税には適用されないため、申告書の所得金額にその額を加えて調整します。専従者給与や損失の控除にも所定の扱いがあり、所得税と個人事業税の計算を対応させる必要があります。

事業主控除は年間290万円で期間を調整する

事業主控除は、個人事業税の所得から年間290万円を差し引く仕組みです。売上が290万円を超えたら全額に課税される、という境目ではありません。経費等を考慮した所得から、さらにこの控除を差し引きます。

事業を行った期間が一年未満なら、290万円にその年の事業月数を掛け、12で割って控除額を求めます。月数は暦に従って計算し、一月未満の端数は一月とします。営業期間が短い人に年間の290万円をそのまま当てはめると、計算の基になる額を取り違えます。

消費税の免税判定と別に確認する

消費税の原則的な免税判定では、基準期間の課税売上高を見ます。個人事業者の基準期間は前々年です。インボイス登録、特定期間の判定、課税事業者の選択などにより、基準期間の売上だけでは免税とならない場合もあります。

一方、個人事業税では法定業種に当たるかを確認し、原則として前年の所得や事業主控除等から計算します。見る期間も、売上と所得のどちらを使うかも異なります。消費税が免税という判定だけでは、個人事業税の対象外であることや、その税額までは決まりません。

二つの税で見るものが違う
  • 消費税の免税判定

    基準期間の課税売上高などと、例外を確認する

  • 個人事業税の計算

    法定業種、前年の所得、事業主控除などを確認する

個人事業者の一般的な場合の比較です。免税の判定と、個別の税額計算は分けます。

所得400万円から事業主控除を引く

架空の例

対象となる業種の個人事業者Aさんが、まる一年営業し、個人事業税の計算で事業主控除前の所得を400万円とする設定を考えます。他の控除を置かなければ、年間290万円の事業主控除との差は110万円です。400万円全体や売上全体へ、そのまま税率を掛ける話ではありません。

このAさんが消費税の免税事業者かどうかは、基準期間の課税売上高などを別に確認します。例の所得400万円という数字から、消費税も掛かる、又は掛からないと結論を出すことはできません。実際の個人事業税も業種と所在地、各控除の条件で確かめます。

持ち帰る見方

  • 消費税の免税は課税売上高等、個人事業税は法定業種の所得等で判定します。同じ事業者についても、対象期間と控除を分けて確認します。

次に広がる疑問

  • 取引の非課税と、事業者の免税を分ける
  • 売上や収入から所得を計算する段階を読む
  • 個人の事業への税と、法人の利益への税を分ける

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出典

  • 地方税法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/325AC0000000226_20261001_508AC0000000002

    確認日:2026-10-05

  • 個人事業税(東京都主税局)https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/work/kojin_ji

    確認日:2026-10-05

  • No.6501 納税義務の免除(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm

    確認日:2026-10-04

本文の出典・補足

個人事業税は法定業種の所得に掛かる

個人事業税は個人が行う法定業種の事業について、所得を課税標準として事務所・事業所所在の都道府県が課す税である。法人事業税や国の消費税とは別の税である。

対象
対象日2026年10月5日。日本の個人事業税。地方税法は2026年10月1日施行版。所得・控除の具体的な説明は東京都の個人事業税を対象とする。
条件
地方税法72条2第3項。東京都解説の納める方は都内事務所/法定業種の個人。
例外・限界
法人課税信託等の特則を普通の個人事業へ混ぜない。事務所等なしの場合は住所等のみなしあり。業種名だけで個別認定を断定しない。
  • 地方税法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/325AC0000000226_20261001_508AC0000000002

  • 個人事業税(東京都主税局)https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/work/kojin_ji

売上と前年の所得を分ける

個人事業税は原則として前年の事業の総収入から必要経費を差し引く所得を基に計算する。所得税の青色申告特別控除は個人事業税には適用されないため、所得税申告の所得額から調整する。

対象
対象日2026年10月5日。日本の個人事業税。地方税法は2026年10月1日施行版。所得・控除の具体的な説明は東京都の個人事業税を対象とする。
条件
通常の年間事業を中心とする。東京都公式税額算出式は専従者給与等の調整/青色加算/各控除を示す。
例外・限界
廃止年等は対象期間別。法令特則/専従者給与/損失繰越等があり、単純売上×税率ではない。社会保険診療には法の収入経費除外。
  • 地方税法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/325AC0000000226_20261001_508AC0000000002

  • 個人事業税(東京都主税局)https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/work/kojin_ji

事業主控除は年間290万円で期間を調整する

個人事業税には所得から年間290万円を差し引く事業主控除がある。事業を行った期間が1年未満なら事業月数に応じた月割で、1月未満の端数は1月とする。

対象
対象日2026年10月5日。日本の個人事業税。地方税法は2026年10月1日施行版。所得・控除の具体的な説明は東京都の個人事業税を対象とする。
条件
所得控除であり売上の非課税枠ではない。290万円×月数÷12。
例外・限界
他の控除や業種認定等があるため年間利益だけで全事業の税額を断定しない。
  • 地方税法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/325AC0000000226_20261001_508AC0000000002

  • 個人事業税(東京都主税局)https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/work/kojin_ji

消費税の免税判定と別に確認する

消費税の免税は原則として基準期間の課税売上高などで判定する一方、個人事業税は法定業種の所得と控除などで計算する。消費税が免税であることだけでは個人事業税も掛からないとはいえない。

対象
対象日2026年10月5日。日本の個人事業者の消費税と個人事業税の比較。地方税法は2026年10月1日施行版、消費税の国税庁説明は2026年4月1日現在の法令等に基づく。
条件
個人事業者の消費税基準期間は前々年、課税売上高1000万円以下が原則。個人事業税の前年所得との比較。
例外・限界
インボイス登録/特定期間/課税選択等で消費税原則免税の例外あり。個人事業税も対象業種/控除による。
  • No.6501 納税義務の免除(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm

  • 地方税法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/325AC0000000226_20261001_508AC0000000002