政治の仕組み
不起訴になった事件を、市民が見直す制度はある?
検察官の不起訴処分を、市民から選ばれた11人が審査する検察審査会があります。最初の起訴相当などの議決は検察官の再検討につながり、その後の法定の再審査で起訴議決になれば、原則として指定弁護士が起訴を担います。不起訴の審査と有罪の判決は別です。
基本の用語
不起訴は、検察官が公訴を提起しない処分です。検察審査会が点検するのはその判断の当否であり、裁判員が刑事裁判で有罪無罪や刑を判断する役割とは異なります。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 逮捕されたら有罪と決まったことになる?逮捕、起訴、判決は別の段階。
不起訴処分を11人の市民が審査する
検察審査会の11人の審査員は、地域の衆議院議員の選挙権を持つ人から無作為に選ばれます。事件を起訴しないという検察官の判断を、市民が審査する仕組みです。市民が普段の捜査や起訴を全面的に代行する制度ではありません。
被害者、告訴・告発をした人など、法律が定める人は審査を申し立てられます。被害者が死亡した場合の一定の家族なども含まれます。審査会が法定の議決により職権で審査する道もありますが、事件の報道を知った誰でも、どの事件にも申立人として参加できるわけではありません。
最初の議決は、検察官の再検討につながる
最初の審査では、「不起訴相当」「不起訴不当」「起訴相当」という議決があります。不起訴相当は不起訴を妥当とする判断で、不起訴不当や起訴相当の場合は、検察官が事件を再検討します。議決の言葉だけでなく、何を見直すよう求めたのかを読みます。
起訴相当には審査員8人以上の賛成が必要です。11人の半数より多ければすべて同じ議決になる、という仕組みではありません。また、最初に起訴相当となっただけで、直ちに起訴が決まり、有罪まで確定するわけではありません。検察官の再検討という次の段階を分けます。
再審査で起訴議決になると、指定弁護士が起訴を担う
最初の起訴相当の後も不起訴にするなど法定の条件になれば、審査会は再び審査します。法定期間内に検察官の処分の通知がない場合なども規定されています。二度目の審査で審査員8人以上が賛成して起訴議決になれば、裁判所が、起訴と、その後の裁判で検察官の職務を担う弁護士を指定します。
指定弁護士は原則として起訴しますが、被疑者の死亡など法定の例外があります。「不起訴不当」を二回繰り返したら必ず強制起訴になる、という説明は正確ではありません。最初の起訴相当、再審査の条件、再審査での起訴議決をそれぞれ確認します。
審査の結論と、刑事裁判の結論を分ける
検察審査会の判断は、不起訴処分の当否を問うものです。起訴議決は刑事裁判で有罪を言い渡す判決ではありません。起訴へ進んだかと、その後の裁判がどんな判断をしたかを別に読む必要があります。
報道の「市民の判断」という言葉でも、検察審査員が不起訴を点検したのか、裁判員が判決に参加したのかは違います。参加する人の人数だけでなく、何を対象に、どの段階で、どんな結果を決めたかを確かめると、制度を取り違えずに読めます。
例えば「起訴相当」と書かれていたら、初回の議決なのか、その後に検察官が起訴したのか、再審査で起訴議決が出たのかを確かめます。最初の議決に賛成した人数だけから、その後の処分や裁判の結論まで補って読むことはできません。
架空の不起訴事件で、議決の段階を読む
ある事件で被害者が検察審査会に申し立て、最初の審査が起訴相当になったとします。この時点で分かるのは、再検討につながる議決が出たことです。「市民が犯人と認定した」と言い換えることはできません。
その後も不起訴になり、法定の再審査で起訴議決となった場合は、指定弁護士が原則起訴を担う段階へ進みます。それでも有罪無罪は裁判での判断です。
持ち帰る見方
- 不起訴を審査する市民参加と、有罪判決を分ける。
- 最初の起訴相当と、再審査での起訴議決では効果が違う。
次に広がる疑問
- 刑事裁判に参加する裁判員の役割と比べる
- 権力の判断を調査・説明・責任で監視する
- 事件報道の事実・判断・要確認を分ける
順番に読んでいる方へ
出典
検察審査会法(2026-06-24明示版)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/323AC0000000147_20260624_508AC0000000046
確認日:2026-10-04
本文の出典・補足
不起訴処分を11人の市民が審査する
検察審査会は、衆議院議員の選挙権を有する人から無作為に選ばれた11人が、検察官の不起訴処分の当否を審査する。被害者等の法定申立てや、会自身の職権で審査を行う。
- 対象
- 検察審査会法2・4・30条
- 条件
- 告訴・告発人、請求人、被害者、死亡した被害者の一定家族等の法定申立人。職権審査には法定議決条件。
- 例外・限界
- 事件を知った誰でもどの事件でも申立人になれるとはしない。特別な犯罪等に法30条の申立適用除外がある。
検察審査会法(2026-06-24明示版)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/323AC0000000147_20260624_508AC0000000046
最初の議決は、検察官の再検討につながる
最初の審査の議決には不起訴相当、不起訴不当、起訴相当がある。不起訴不当又は起訴相当なら検察官が再検討し、起訴相当には審査員8人以上の賛成が必要になる。
- 対象
- 検察審査会法39の5・41条
- 条件
- 最初の不起訴処分審査の議決と通知後の再検討。
- 例外・限界
- 最初の起訴相当だけで直ちに市民が有罪や起訴を決めるわけではない。通常の過半数と起訴相当8人の条件を区別。
検察審査会法(2026-06-24明示版)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/323AC0000000147_20260624_508AC0000000046
再審査で起訴議決になると、指定弁護士が起訴を担う
起訴相当の後も不起訴など法定条件になれば再審査し、8人以上の賛成による起訴議決があれば、裁判所が指定した弁護士が原則起訴・公訴維持を行う。起訴議決は有罪判決ではない。
- 対象
- 検察審査会法41の2・41の6–7・41の9–10条
- 条件
- 起訴相当後の再不起訴又は法定の経過期間等による第2段階。検察官の意見機会、起訴議決の8人条件と指定弁護士。
- 例外・限界
- 不起訴不当を二回繰り返せば強制起訴という制度ではない。被疑者死亡など起訴できない法定例外。審査は不起訴の当否で刑事裁判の有罪判断とは別。
検察審査会法(2026-06-24明示版)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/323AC0000000147_20260624_508AC0000000046
審査の結論と、刑事裁判の結論を分ける
最初の審査の議決には不起訴相当、不起訴不当、起訴相当がある。不起訴不当又は起訴相当なら検察官が再検討し、起訴相当には審査員8人以上の賛成が必要になる。
- 対象
- 検察審査会法39の5・41条
- 条件
- 最初の不起訴処分審査の議決と通知後の再検討。
- 例外・限界
- 最初の起訴相当だけで直ちに市民が有罪や起訴を決めるわけではない。通常の過半数と起訴相当8人の条件を区別。
検察審査会法(2026-06-24明示版)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/323AC0000000147_20260624_508AC0000000046
起訴相当の後も不起訴など法定条件になれば再審査し、8人以上の賛成による起訴議決があれば、裁判所が指定した弁護士が原則起訴・公訴維持を行う。起訴議決は有罪判決ではない。
- 対象
- 検察審査会法41の2・41の6–7・41の9–10条
- 条件
- 起訴相当後の再不起訴又は法定の経過期間等による第2段階。検察官の意見機会、起訴議決の8人条件と指定弁護士。
- 例外・限界
- 不起訴不当を二回繰り返せば強制起訴という制度ではない。被疑者死亡など起訴できない法定例外。審査は不起訴の当否で刑事裁判の有罪判断とは別。
検察審査会法(2026-06-24明示版)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/323AC0000000147_20260624_508AC0000000046