数字と報道
ゼロが多い利用件数は、普通の時系列予測でよい?
ゼロが多い少数件数では、連続値を前提にした方法が対象に合うかを確かめます。Croston法は非ゼロの利用量と発生間隔を分けて予測する方法です。ただし基本法には偏りと予測区間の限界があり、使えば解決とはいえません。
基本の用語
0件は発生がなかったという観測で、欠測とは別です。ここでは決まった間隔で記録された0以上の件数のうち、時々だけ非ゼロの値が出る系列を考えます。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- GDPの発表前に、今の景気をどう推計する?公表前の現在や直近を、その日に利用できる情報から推計する。
- 過去のデータにぴったり合う予測は、将来も正確?予測する値をまだ見ていない状態で、評価の情報と時間を分ける。
少数件数とゼロを区別する
実現する利用件数は0、1、2といった整数です。少数件数では、負値や連続した値を想定する模型が対象に合うかを考えます。平均件数の点予測が0.8件という小数になることと、実際の件数が0.8件になることは別です。
大きい件数では連続値の近似との差が小さくても、0付近の小さい件数では無条件に同じとは扱いません。非負整数の標本空間や、ゼロが出る条件に合う方法が必要になります。件数の小ささと発生が断続的であることも分けて確認します。
0と記録がない値を混ぜると、いつ発生したかの情報が変わります。毎日記録したのか、開業日だけか、値が公表されない日があるかを読んで、ゼロという観測を定義します。表の空欄を一律に0へ置き換えて間隔を計算しません。
起きた量と間隔を別々に予測する
Croston法では非ゼロの値だけを取り出した量の系列と、非ゼロの発生から次までの間隔の系列を作ります。元の毎日の時点順と、非ゼロ発生の順番を区別します。二つの系列にそれぞれ単純指数平滑化を適用する方法です。
非ゼロ量の予測を発生間隔の予測で割り、元の時間単位当たりの需要を予測します。量が一回当たり6件、間隔が3日と予測されるなら2件/日という比です。次に必ず2件来るという予測ではなく、量と間隔を合わせた中心の予測を考えます。
非ゼロの日だけの平均は、毎日の平均と同じではありません。ゼロの日を削除した後の系列の間隔を毎日と呼ぶと、時間の意味を失います。どの発生が量の1個目か、その前の間隔をどう扱ったかなど、方法の入力の定義を明示します。
方法の限界も読む
原教材は、基本のCroston法の予測には偏りが知られ、対応する確率模型がないため、通常の代数的な予測区間の結果がないと説明しています。広く使われる方法でも、点予測を作れることと分布を適切に示せることは別です。
例えば非ゼロ3回の量の平均を「一日当たり」と表示すると、ゼロの日を抜いた分母になっています。量の系列の単位は一回当たり、間隔の系列の単位は日です。割り算後の一日当たり件数と、入力の二系列の単位を並べて書くと取り違えを防げます。
この説明はここで扱う基本法についてのものです。点予測の値だけを見て、0件になる確率や上側の区間が決まったとは考えません。別の件数模型や修正版を使うなら、その方法と仮定に合う根拠を確認する必要があります。
評価では、同じ日数と予測先を使い、単純な基準などと比べます。平均誤差が良い場合も、ゼロの発生や多い日の扱いなどの目的が残ります。ゼロが多いから特定法で解決という説明をせず、件数、発生間隔、評価する用途を言い分けます。
非ゼロ3回の量と3日間隔(架空)
日別利用件数を、0、0、6、0、0、3、0、0、9件と置きます。非ゼロ量は6、3、9件、3日目から6日目、6日目から9日目の間隔はそれぞれ3日です。
仮に平滑化後の非ゼロ量予測が6件、間隔予測が3日なら、比は2件/日です。元の9日系列と、非ゼロ3観測の系列を分けます。この例では平滑化係数の推定や予測性能の検証はしていません。
持ち帰る見方
- ゼロと欠測を分け、利用量と到来間隔を別に扱う模型を読む。
- 点予測から自動的に適切な分布や区間が得られるとはいえない。
次に広がる疑問
- 小さい件数や割合の予測を、許容範囲に収める方法は?
順番に読んでいる方へ
出典
Forecasting: Principles and Practice §13.2 Time series of counts(Rob J Hyndman / George Athanasopoulos(著者原教材、OTexts))https://otexts.com/fpp3/counts.html
確認日:2026-10-07
本文の出典・補足
少数件数とゼロを区別する
少数カウントを予測する場合、非負整数の標本空間に合う方法を検討する必要がある。
- 対象
- 0が多い需要件数など、非負整数で観測される時系列の予測。
- 条件
- 0は実際の件数0として記録し、欠測と分ける。
- 例外・限界
- 平均件数の点予測が小数であることだけは誤りではない。
Forecasting: Principles and Practice §13.2 Time series of counts(Rob J Hyndman / George Athanasopoulos(著者原教材、OTexts))https://otexts.com/fpp3/counts.html
起きた量と間隔を別々に予測する
Croston法は非ゼロの需要量と非ゼロ観測間の時間を別々に指数平滑化し、量の予測を間隔の予測で割る。
- 対象
- 非ゼロ需要の量と発生間隔を分けるCroston法。量を間隔で割った一期間当たりの予測。
- 条件
- 一定間隔の元系列と、非ゼロ発生順の系列を区別。
- 例外・限界
- ゼロの日を削除して元系列の毎日の平均と呼ばない。
Forecasting: Principles and Practice §13.2 Time series of counts(Rob J Hyndman / George Athanasopoulos(著者原教材、OTexts))https://otexts.com/fpp3/counts.html
方法の限界も読む
原教材はCroston法の予測に偏りがあり、対応する確率模型がないため通常の代数的予測区間の結果がないとする。
- 対象
- Croston法の点予測の偏りと、確率模型に基づく予測区間の扱い。
- 条件
- 本文で扱う基本Croston法。
- 例外・限界
- 点予測から自動的に適切な分布や区間が得られるとはいえない。
Forecasting: Principles and Practice §13.2 Time series of counts(Rob J Hyndman / George Athanasopoulos(著者原教材、OTexts))https://otexts.com/fpp3/counts.html