政治の仕組み
議員に欠員が出たら、必ず補欠選挙をする?
議員の欠員は、比例名簿などからの繰上補充で埋める場合と、補欠選挙を行う場合があります。選挙方式、補充できる人の有無、欠員数などで条件が異なります。また、当選人がいない・不足する場合などの再選挙とも分けて読みます。
基本の用語
議員が任期の途中で欠けることと、選挙の段階で当選人が定まらないことは別の出来事です。投票の方式が違えば、後から議席を埋める方法も変わります。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 選挙の一票は、どのように政治へ届く?代表を選ぶ仕組みと限界
比例の名簿から補う場合がある
衆院比例で議員に欠員が出たとき、その議員に係る名簿に当選人とならなかった人がいれば、選挙会で名簿の当選順位に従って当選人を定めます。新しく有権者の投票を集めるのではなく、元の選挙の名簿と順位を基に補います。
参院比例にも読替えによる準用があります。一方、小選挙区や地方議会などの繰上補充は、同じ比例名簿の規則ではありません。同票などに関わる規定や、欠員が選挙からどの時期に生じたかの条件もあるので、「次点なら誰でもいつでも繰上げ」とは言えません。
記事で「繰上当選」と聞いたら、欠員を出した議席がどの選挙で選ばれたか、何の名簿や法定得票条件に基づいて次の人を定めたかを見ます。欠員人数だけでは、採用された補充方法を確定できません。
補欠選挙には欠員数などの条件がある
繰上補充で当選人を定められる場合を除き、補欠選挙には法が定める欠員数の条件があります。衆院小選挙区では1人の欠員が基準ですが、市町村議会では定数の6分の1を超える場合など、同じ基準にはなっていません。
定数12人の市議会なら、その6分の1は2人です。「超える」条件なので、2人に達することと3人になることは違います。ただし他の選挙と同時に補欠選挙をする特則などもあるため、この計算だけで実際の日程や実施の有無を決めません。
補欠選挙の告示があるときは、対象の選挙区、欠員数、繰上補充の可否、用いた規定を確認します。報道の「欠員を補う」という共通の表現を、全て新しい投票をするという意味に置き換えないことが大切です。
再選挙と補欠選挙を原因で分ける
再選挙は、当選人がいない・不足する、当選を失ったなどの法定原因について定める別の制度です。選挙後に議員が辞職して欠員が生じる場合の補欠選挙と、原因の整理から分けます。再選挙にも、他の規定で当選人を定められる場合などの例外があります。
同じ一議席の空きでも、何がいつ起きたかが違えば参照する条文が変わります。辞職の発表、当選無効の判断、選管が補充方法を決めた記録を一つにまとめず、元の議席と欠ける原因を対応させます。
議席が空いているという状態だけを見て、選管が手続を忘れていると結論づけるのも早計です。補充できる人の有無や人数の条件が分からなければ、それが次に確かめる対象になります。制度の条件と、欠員が地域の代表へ与える影響の評価は別の問いです。
- 繰上補充
元の名簿・得票などの法定条件から当選人を定める
- 補欠選挙
欠員数等の条件に応じて新たな選挙を行う
- 再選挙
当選人不足・当選無効等の原因に対応する
全ての空席が同じ順に三つの方法を通る図ではありません。
比例の欠員と市議会の欠員(架空の例)
衆院比例の議員が辞職し、その名簿に未当選者がいる場合と、定数12人の市議会に2人の欠員がある場合を考えます。前者では名簿による補充、後者では欠員数などの補選条件が問いになります。
同じ「欠員がある」という状態だけを見て処理を揃えず、選挙方式と法定条件を先に見ます。他の選挙と同時に行う特則などは、この例の単純な人数比較から除いています。
持ち帰る見方
- 衆院比例の議員に欠員があり、当該名簿に未当選者があるとき、名簿の当選順位に沿って当選人を定める。参院比例には読替え準用がある。
- 再選挙は当選人がない・不足する、当選を失う等の法定原因で行い、補欠選挙とは条文が別。再選挙にも他の方法で当選人を定められるとき等の例外がある。
次に広がる疑問
- 選挙の一票は、どのように政治へ届く?
- 小選挙区と比例代表で結果はどう変わる?
- 選挙に不正があったら、結果は必ず取り消される?
- 候補者が定員以下なら、投票せずに当選が決まる?
順番に読んでいる方へ
出典
公職選挙法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/325AC1000000100
確認日:2026-10-07
本文の出典・補足
比例の名簿から補う場合がある
衆院比例の議員に欠員があり、当該名簿に未当選者があるとき、名簿の当選順位に沿って当選人を定める。参院比例には読替え準用がある。
- 対象
- 日本の比例代表選挙の欠員補充。2026年10月7日現在。
- 条件
- 112条2〜4項。
- 例外・限界
- 小選挙区等の繰上補充は同じ名簿方式ではない。
公職選挙法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/325AC1000000100
補欠選挙には欠員数などの条件がある
繰上補充できる場合を除き、補欠選挙は法定の欠員数に達した場合に行う。衆院小選挙区は1人、市町村議会は定数の6分の1を超える場合など条件が違う。
- 対象
- 日本の議会議員の補欠選挙。2026年10月7日現在。
- 条件
- 113条1項。
- 例外・限界
- 他の選挙と同時に補選する3項等の特則がある。
公職選挙法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/325AC1000000100
再選挙と補欠選挙を原因で分ける
再選挙は当選人がない・不足する、当選を失う等の法定原因で行い、補欠選挙とは条文が別。再選挙にも他の方法で当選人を定められるとき等の例外がある。
- 対象
- 日本の当選人不足等による再選挙。2026年10月7日現在。
- 条件
- 109・110条・113条。
- 例外・限界
- 再選挙という言葉を任期途中の全欠員へ一律に用いない。
公職選挙法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/325AC1000000100