お金と金融

株を渡したのに、代金を受け取れない事態はどう防ぐ?

DVPは、証券の引渡しと代金の支払いを条件で結び付ける決済方法です。株だけを渡して代金が来ない、代金だけを払って株が来ない危険を防ぎます。ただし、売買の価格変動や受渡しの遅れまで全てなくす仕組みではありません。受渡しの片方だけが完了しないようにする条件を見ます。

基本の用語

株の売買が成立した後には、証券と代金の受渡しが残ります。清算機関が相手になることと、証券・資金をどの条件で移すかを区別して考えます。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

証券と代金の片方だけを渡さない

売り手が先に株式を渡したのに買い手が払えなくなると、売り手は渡した株式の代金を取りはぐれます。先に代金を払った買い手が株を受け取れない場合も同じ問題です。取引が成立しているだけでは、片方だけを渡す危険はなくなりません。

DVPはDelivery Versus Paymentの略です。代金の支払いを条件に証券を引き渡し、証券の引渡しを条件に代金を払うように、二つの受渡しを結び付けます。決済不履行が起きても、片方だけを無条件に渡してしまわないための仕組みです。

「株と代金を同じ日に渡す予定」と書くだけでは、条件の連動を説明したことになりません。どちらかが用意できない場合、もう一方の移転はどう扱われるかが要点です。対象取引の決済の仕組みを読み、日付だけでなく受渡しの条件を確認します。

同時刻の送信だけが、結び付け方ではない

DVPを二つの送信が全く同じ瞬間に行われる図だけで考えると、実際の手順を見落とします。JSCCでは、清算参加者が金銭や有価証券の担保を預託することによって、資金決済が終わる前に証券を受け取る仕組みもあります。

これは、証券だけを無条件で渡すこととは違います。必要な担保などで結び付きが確保されるから、証券の受取りと後の資金決済を組み合わせられます。DVPの要点は二つの移転を条件で結ぶことで、実現する具体的な手順はその制度を見て確かめます。

JSCCの説明する現物取引のDVPには対象範囲があり、発行日取引や当日取引はそのページの対象外です。すべての証券とあらゆる売買が同じ手順で処理されるとは考えません。自分が見ている取引の種類と、当事者がどの参加者かをそろえて読みます。

取りはぐれを防ぐことと、遅れないことは別

DVPがあることは、予定した日に必ず株が届くことと同じではありません。JSCCでは、参加者が決済時限までに証券を渡せないフェイルが起きると、未了となった証券とそれに対応する代金の授受を翌日へ繰り越す仕組みがあります。

証券と対応代金を一緒に繰り越すことは、片方だけを取りはぐれないための扱いです。それでも、受取りを予定した人には遅れが生じます。安全に結び付けることと、予定通りの日時に完了することは区別して確認する必要があります。

また、買った株の市場価格が変わることは別の問題です。DVPは約束された証券と代金の授受を扱い、買った後の値上がりを約束しません。相手を一元化する清算、片方だけを渡さないDVP、予定日に実際に完了するかを、それぞれの役割で読むと混同が減ります。

株100株と代金10万円を結び付ける

架空の例

売り手が株100株、買い手が代金10万円を渡す取引を考えます。条件が結び付いていない仕組みで売り手が先に株を渡し、その後買い手が払えなくなれば、株だけを失う危険があります。DVPでは、対応する代金の支払いと証券の引渡しを結び付けます。

売り手が株を用意できず、両方の受渡しを延期する場合、買い手が先に10万円だけを渡して株を受け取れない問題は避けられます。ただし、買い手が予定日には株を受け取れないという遅れは残ります。片方の取りはぐれと、遅延を分ける例です。

持ち帰る見方

  • DVPは証券と代金を条件で結び付ける。
  • 担保を使うなど、実現する手順は制度ごとに読む。
  • 取りはぐれ防止と、遅延や価格変動の解消は別。

次に広がる疑問

  • 清算機関が相手になる仕組みを読む
  • 支払指図と資金の最終決済を読む

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出典

  • DVP決済(日本証券クリアリング機構(JSCC))https://www.jpx.co.jp/jscc/seisan/genbutsu/acceptance_debt/dvp.html

    確認日:2026-10-04

  • フェイル(証券決済未了)(日本証券クリアリング機構(JSCC))https://www.jpx.co.jp/jscc/seisan/genbutsu/acceptance_debt/fail.html

    確認日:2026-10-04

本文の出典・補足

証券と代金の片方だけを渡さない

DVPは証券と資金の受渡しを結びつけ、相手側の支払/引渡しを条件とする決済方法である。

対象
JSCC対象現物のDVP
条件
引渡しと支払の条件連動
例外・限界
単に同じ予定日を書くだけではない
  • DVP決済(日本証券クリアリング機構(JSCC))https://www.jpx.co.jp/jscc/seisan/genbutsu/acceptance_debt/dvp.html

同時刻の送信だけが、結び付け方ではない

JSCCのDVPは証券受取りに担保を預託する手順もあり、証券と資金の授受は条件連動により保護される。

対象
JSCCの担保方式
条件
資金決済以前の証券受領には担保条件
例外・限界
発行日取引・当日取引は当該説明の対象外
  • DVP決済(日本証券クリアリング機構(JSCC))https://www.jpx.co.jp/jscc/seisan/genbutsu/acceptance_debt/dvp.html

取りはぐれを防ぐことと、遅れないことは別

JSCCではフェイル時に未了証券と対応代金を繰り越すため、DVPは必ず予定日受渡しになる保証とは異なる。

対象
JSCC現物フェイル
条件
引渡し未了の対応証券/代金の繰越し
例外・限界
全リスク/価格変動がなくなる保証としない
  • フェイル(証券決済未了)(日本証券クリアリング機構(JSCC))https://www.jpx.co.jp/jscc/seisan/genbutsu/acceptance_debt/fail.html

  • DVP決済(日本証券クリアリング機構(JSCC))https://www.jpx.co.jp/jscc/seisan/genbutsu/acceptance_debt/dvp.html