政治の仕組み
裁判所の訴訟救助は、弁護士への依頼費をくれる制度?
訴訟救助は、資力などの条件を満たす人について、裁判費用等の支払を猶予する裁判所の制度です。任意に依頼した弁護士の費用を一律に給付するものではありません。法テラスの費用立替えと、対象費用・条件・後の支払の扱いを分けます。
基本の用語
支払の猶予は今の支払を待つことで、費用そのものの永久免除とは同じではありません。民事訴訟法の訴訟上の救助では、審級ごとの決定と、決定が定める効力を読みます。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 弁護士費用を払えないと、裁判を諦めるしかない?情報提供、無料法律相談、依頼費用の立替えを分ける。
家計と勝訴の見込みの条件がある
民事訴訟法82条は、訴訟の準備や追行に必要な費用を払う資力がない人、又は払うことで生活に著しい支障が生じる人へ、申立てにより救助を決定できるとします。家計上の困難だけでなく、勝訴の見込みがないとはいえないという条件もあります。
この条件は、必ず勝つと証明しなければならないという表現ではありません。一方、資力がないという一つの事情だけで、どんな訴えにも自動的に救助が決まると考えることもできません。必要な費用と家計の事情、争いの内容を区別して整理します。
決定は審級ごとに行います。第一審で救助を受けた事実から、後の控訴審などにも同じ決定がそのまま及ぶとは読めません。どの裁判所の、どの段階について救助が決められたかを、決定の文書で確かめます。
基本の効果は費用の支払猶予
83条が挙げる効力には、裁判費用、執行官の手数料と職務費用、裁判所が付添いを命じた弁護士の報酬等の支払猶予があります。訴訟費用の担保の免除もあります。決定がどの効力を定めたかを確認する必要があります。
弁護士という語があっても、自分で契約して依頼した弁護士の報酬をすべて給付するという意味ではありません。条文が対象にするのは裁判所で付添いを命じた弁護士です。依頼の支援を求める制度と、裁判費用の支払を待つ制度の対象をそろえて読みます。
救助の効力は、決定を受けた人のためにのみ生じます。同じ事件の共同当事者が一人救助を受けたから、ほかの人の費用も自動的に待ってもらえるとはいえません。誰に、どの費用について、どの効力があるかを別々に確認します。
資力の条件が変われば取消しもある
資力などの要件を最初から欠いていたと判明した場合や、後に欠くに至った場合には、救助を取り消し、猶予した費用の支払を命じることができます。現在の支払を待つ制度なので、その後の条件の変化も関わります。
また、猶予された費用は、それを負担するとされた相手方から直接取り立てることができる規定があります。救助があること、最終的に費用をどちらが負担することになったか、取り立てる対象は、それぞれ別の情報です。
救助の決定を、裁判の結論や相手からの回収の保証と読み替えません。決定書で対象と効力を確認し、後の判決等の費用負担へつなげます。法テラスの立替金の返済と、裁判所が猶予した費用の後の扱いも、同じ名前の支援として混ぜないようにします。
- 訴訟救助
裁判所の決定による所定費用の猶予等
- 依頼費用の支援
任意の弁護士依頼は別の制度を確認
- 最終の負担
後の費用負担と取立ては別に確認
猶予、担保免除、依頼費用の立替えは同じ効果ではありません。
架空の費用支払が難しい原告
ある原告が、裁判費用を払うと生活に著しい支障が生じるとして訴訟救助を申し立てたとします。裁判所の決定で裁判費用の支払が猶予されても、原告が任意に依頼した弁護士の報酬まで自動的に給付されたとは読めません。
その後に控訴する場合は、どの審級の救助決定だったかを確かめます。また家計条件が変わった場合の取消しと支払の規定も別に確認します。この例は、資力を示せば必ず救助を受けられるという結果を置いていません。
持ち帰る見方
- 資力と争いの条件、審級ごとの決定を確認する。
- 所定費用の支払猶予を一律給付や永久免除と考えない。
次に広がる疑問
- 民事裁判で勝てば、弁護士代も全額相手が払う?
- 民事裁判の控訴と上告は、理由と期限が同じ?
順番に読んでいる方へ
出典
民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109
確認日:2026-10-07
本文の出典・補足
家計と勝訴の見込みの条件がある
訴訟準備・追行費用を払う資力がない又は支払で生活に著しい支障を生ずる者に、申立てにより訴訟上の救助を決定できる。ただし勝訴の見込みがないとはいえないときに限り、決定は審級ごと。
- 対象
- 日本の裁判費用の支払猶予と取消し・相手への効果。2026年10月7日現在。
- 条件
- 民事訴訟法82条。
- 例外・限界
- 資力条件を満たすだけで全審級に自動適用する制度ではない。
民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109
基本の効果は費用の支払猶予
救助には裁判費用、執行官手数料等、裁判所が付添いを命じた弁護士の報酬等の支払猶予と、訴訟費用の担保免除の効力がある。
- 対象
- 日本の裁判費用の支払猶予と取消し・相手への効果。2026年10月7日現在。
- 条件
- 83条。
- 例外・限界
- 任意に依頼した弁護士の費用を一律に給付する制度ではない。効力は本人のために限る。
民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109
資力の条件が変われば取消しもある
資力等の要件を欠くことが判明又は後に欠くに至ったとき、救助を取り消して猶予費用の支払を命じられる。猶予費用は負担する相手方から直接取り立てられる場合もある。
- 対象
- 日本の裁判費用の支払猶予と取消し・相手への効果。2026年10月7日現在。
- 条件
- 84・85条。
- 例外・限界
- 猶予は恒久的な免除と同じではない。
民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109