政治の仕組み
民事裁判を欠席したら、相手の言い分が全部認められる?
民事裁判では、相手の主張した事実を争わないと、その事実を認めたものとみなす規則があります。欠席にも適用がありますが、提出済み書面や公示送達による呼出しなどの例外を確認します。欠席だけで相手の全ての法的な請求が自動的に正しいと決まるわけではありません。
基本の用語
民事裁判は、何を請求するかと、どの事実を争うかを分けて進めます。裁判所へ答弁書を提出したか、期日に出たか、どの事実へ応答したかは別の記録です。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 民事裁判で「言った・言わない」はどう確かめる?主張の食い違いを整理し、証拠と事実を結び付ける。
争わない事実は自白とみなす規則がある
民事訴訟法159条は、口頭弁論で相手の主張した事実を争うことを明らかにしない場合、その事実を自白したものとみなすと定めます。ただし、弁論の全体から争ったと認めるべき場合は例外です。単に同じ言葉を毎回繰り返したかだけで判断するものではありません。
ここで対象になるのは、相手が主張した事実です。例えば契約をしたという事実と、その契約から相手が請求する金額の法的な根拠は異なります。事実についての自白擬制を、相手の評価や結論を全て無条件で受け入れる制度と読まないようにします。
相手の主張する事実を知らないと陳述した場合は、その事実を争ったものと推定します。認める、否定する、知らないという応答の意味が違うため、「よく分からない」と思っているだけで裁判所への応答まで済んだと考えず、どの事実への陳述かを具体化します。
欠席しても提出済み書面が関わる
期日に出頭しない場合にも自白擬制を準用します。ただし、公示送達によって呼び出された当事者の欠席は例外です。届いた文書や呼出しの方法を確かめる必要があり、欠席者は全員同じ扱いという説明にはなりません。
最初にすべき口頭弁論期日へ出頭しない場合には、裁判所は提出済みの答弁書などに記載した事項を陳述したとみなして、相手に弁論させることができます。本人が席にいないという事実だけでは、反論の書面が一切ないとは限りません。
もっとも、最初の期日の書面の規定を、全ての後の期日に欠席してよい保証とはしません。期日の案内、提出した書面、何を争っているかを対応させて確認します。通知を受けているのに、欠席しても自動勝訴ではないから放置してよいと考えることも避けます。
双方が欠席したときは別の終わり方がある
双方の当事者が期日に出頭しないなどの場合には、別に訴えの取下げをみなす規則があります。1か月以内に期日指定の申立てをしないときや、双方が連続して2回出頭しないなどの場合が定められています。一方だけの欠席と同じ効果ではありません。
この場合に読むのは、相手の事実が認められたかではなく、訴訟がどのように終わるかです。「裁判が進まなかった」という言葉だけでは、誰がどの期日に欠席し、どの手続をしたかが分からないので、両方の出頭状況と後の申立てを整理します。
裁判所からの通知に対応するときは、期日と提出期限、相手が主張した事実、自分が既に提出した反論を確認します。忘れていたという事情の説明と、それがどの法定扱いになるかは別です。不明点は具体的な文書と日付を揃え、手続の相談で確かめます。
- 事実を争わない
自白擬制と全趣旨からの例外を確認
- 初回期日の欠席
提出済み書面を陳述とみなす規則を確認
- 双方の欠席等
取下げ擬制の別条件を確認
公示送達による呼出しには欠席時の自白擬制の例外があります。
初回期日に出られない被告(架空の例)
被告が初回の口頭弁論に出られませんが、既に答弁書で契約した事実を否定しているとします。欠席したという一事だけから、その事実を全部認めたと読みません。
提出済み書面の扱い、呼出しの方法、どの事実が争われているかを確かめます。答弁書を出したことだけで後の期日も全て欠席してよいという例ではありません。
持ち帰る見方
- 相手の主張した事実を争うことを明らかにしないと、その事実を自白したとみなす。ただし弁論全体から争ったと認める場合は例外で、知らないとの陳述は争ったものと推定する。
- 双方が期日に出頭しない等の場合、1か月以内に期日指定申立てがないと取下げを擬制する。双方の連続2回の欠席等も取下げ擬制の対象。
次に広がる疑問
- 民事裁判で「言った・言わない」はどう確かめる?
- 相手の住所が分からなくても、裁判は進められる?
- 訴えを取り下げれば、同じ裁判をいつでも起こし直せる?
順番に読んでいる方へ
出典
民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109
確認日:2026-10-07
本文の出典・補足
争わない事実は自白とみなす規則がある
相手の主張した事実を争うことを明らかにしないと、その事実を自白したとみなす。ただし弁論全体から争ったと認める場合は例外で、知らないとの陳述は争ったものと推定する。
- 対象
- 日本の民事訴訟で争わない事実の扱い。2026年10月7日現在。
- 条件
- 民訴159条1・2項。
- 例外・限界
- 相手の全ての法的結論を自動承認する規定ではない。
民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109
欠席しても提出済み書面が関わる
期日欠席にも自白擬制を準用するが、公示送達による呼出しは除く。最初の口頭弁論欠席では提出済み答弁書等を陳述したとみなせる。
- 対象
- 日本の民事訴訟の期日欠席と提出済み書面の扱い。2026年10月7日現在。
- 条件
- 158・159条3項。
- 例外・限界
- 書面を提出すれば全ての後の期日に出なくてよいという保証ではない。
民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109
双方が欠席したときは別の終わり方がある
双方が期日に出頭しない等の場合、1か月以内に期日指定申立てがないと取下げを擬制する。双方の連続2回の欠席等も取下げ擬制の対象。
- 対象
- 日本の民事訴訟で双方が欠席した場合の取下げ。2026年10月7日現在。
- 条件
- 263条。
- 例外・限界
- 片方の欠席による自白擬制と双方の欠席による取下げ擬制は別。
民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109