財政と暮らし
新年度の予算が間に合わないと、国の支払は全部止まる?
本予算が間に合わない場合に備え、内閣は一定期間の暫定予算を作って国会へ提出できます。前年度予算が自動延長されるわけではありません。本予算成立後は暫定予算が失効し、それまでの支出等は本予算に基づく扱いになります。
基本の用語
予算は、国の収入と支出を国会が審議・議決する計画です。予算があることと、実際に支払ったことは分けます。ここでは日本国の会計年度の一部を対象にする暫定予算を考えます。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 国の予算は、どのように決まって使われる?予算案・議決・執行・決算
内閣が一定期間の予算を国会へ提出する
本予算が間に合わない場合、内閣は必要に応じて、年度内の一定期間を対象とする暫定予算を作成し、国会へ提出できます。前年度の予算を役所が自動的に延長する仕組みではありません。期間を限った新たな予算として、国会の審議・議決を経ることが必要です。
予算が成立すると、内閣は国会の議決に従って各省各庁へ予算を配賦します。これは、執行を担当する機関に予算を割り当てることです。暫定予算も、対象期間と認められた内容に沿って執行します。どの事業にいくら使えるのかは、成立した暫定予算の内容を見る必要があります。
したがって、本予算が未成立という情報だけで国の支払が全て止まるとは決まりません。暫定予算に基づく支払という経路があります。ただし、暫定予算さえあれば全ての事業を無条件に続けられるという意味でもなく、認められた支出の範囲が重要です。
本予算成立で暫定予算は失効する
当該年度の本予算が成立すると、暫定予算は失効します。暫定予算の対象期間がまだ残っていても、本予算とは独立した支出枠として、その後も使い続けられるわけではありません。切替えの基準は、暫定予算に書かれた期間の終わりだけでなく、本予算が成立したことです。
予算のニュースを読むときには、暫定予算の案を提出した段階、成立して執行する段階、本予算が成立した段階を分けます。案があることと、国会の議決に基づいて支出できることは異なります。本予算成立後には、暫定予算と本予算の二つの権限が並んで残ると考えないようにします。
先にした支出や債務負担は本予算に基づく扱いになる
暫定予算に基づいて先にした支出や債務負担は、本予算成立後には、その年度の予算に基づいて行ったものとみなします。債務負担とは、将来の支払義務を負う行為です。本予算へ切り替わっても、それまでの支出や義務を無かったことにする仕組みではありません。
また、暫定予算の支出を本予算とは別に扱い、両方の額を足して自由な追加枠を作ることもできません。暫定予算と、年度途中に予算の内容を変更する補正予算や、予備費は別の仕組みです。支出額を読む際にも、どの予算に基づく扱いになっているかをそろえます。
- 暫定予算を提出
内閣が年度内の一定期間を対象に作成する
- 成立した範囲で執行
国会の議決に従い、支出や債務負担をする
- 本予算が成立
暫定予算は失効し、先の支出等は当該年度予算に基づいた扱いになる
暫定予算額と本予算額を独立の支出枠として二重に使うことはできません。
一か月の暫定予算の途中で本予算が成立したら
架空の例
年度の最初の一か月を対象とする暫定予算が成立し、その範囲でA事業に支出したとします。その一か月が終わる前に当該年度の本予算が成立すると、暫定予算は失効し、先の支出は当該年度予算に基づいたものと扱われます。
本予算の額を読むときに、A事業への先の支出が本予算と別に残る自由な追加枠だと考えると、使える額を取り違えます。暫定予算の期間内に本予算が成立した場合も同じです。一方、A事業への支払を認めていたか、どの費用を含めていたかは、成立した暫定予算の具体的内容によります。
持ち帰る見方
- 本予算成立が、暫定予算からの切替えです。先にした支出等も当該年度予算に基づく扱いとなり、二つの自由な支出枠が残るわけではありません。
次に広がる疑問
- 内閣の予算作成と国会の議決を読む
- 会計年度と翌年度への繰越しを分ける
- 暫定予算と、年度途中の補正・予備費を比べる
順番に読んでいる方へ
出典
財政法(e-Gov法令API取得本文)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/322AC0000000034
確認日:2026-10-04
本文の出典・補足
内閣が一定期間の予算を国会へ提出する
内閣は必要に応じ、一会計年度のうち一定期間に係る暫定予算を作成し国会へ提出できる。前年度予算を行政が自動的に延長する仕組みではない。
- 対象
- 対象日2026年10月5日。日本国の暫定予算。財政法(2026年7月17日施行版)の該当規定。
- 条件
- 財政法30条1項・31条国会議決に従う配賦。一定期間の新たな予算。
- 例外・限界
- 本予算不成立時にあらゆる支出が自動で許可されるとはしない。具体的な支出は暫定予算の内容による。
財政法(e-Gov法令API取得本文)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/322AC0000000034
本予算成立で暫定予算は失効する
当該年度の本予算が成立すると暫定予算は失効する。期間限定の暫定予算が独立してその後も使えるわけではない。
- 対象
- 対象日2026年10月5日。日本国の暫定予算。財政法(2026年7月17日施行版)の該当規定。
- 条件
- 財政法30条2項前段。
- 例外・限界
- 本予算が成立した後も暫定/本予算の権限が二重に並ぶと説明しない。
財政法(e-Gov法令API取得本文)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/322AC0000000034
先にした支出や債務負担は本予算に基づく扱いになる
暫定予算に基づいて行った支出や債務負担は、本予算成立後に当該年度予算に基づいて行ったものとみなされる。暫定予算額をそのまま本予算へ上乗せして自由に使えるという意味ではない。
- 対象
- 対象日2026年10月5日。日本国の暫定予算。財政法(2026年7月17日施行版)の該当規定。
- 条件
- 財政法30条2項後段。暫定予算に基づく支出/債務負担に限定。
- 例外・限界
- 補正予算(29条)や予備費(24・35条)とは別制度。
財政法(e-Gov法令API取得本文)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/322AC0000000034