財政と暮らし
年度の途中で支出を増やすとき、補正予算と予備費はどう違う?
補正予算は、成立した予算に追加や変更を加え、国会の議決を受けるための予算です。予備費は、国会が先に認めた枠を予見しにくい不足に使い、支出に事後の承諾を受ける仕組みです。どちらも年度途中の対応ですが、変更する対象と国会が確認する時期が違います。
基本の用語
当初予算は年度の最初に組む基本の計画です。年度の途中の支出を読むときは、新しい予算を追加したのか、既にある予算の枠を使ったのかを確かめます。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 国の予算は、どのように決まって使われる?予算案・議決・執行・決算
補正予算は、成立した予算の内容を変更する
年度開始前の計画を、その後も全く変えられないと考えると、災害などで新たな支出が必要になる場合を説明できません。一方、事情が変われば政府が何の手続きもなく追加できるわけでもありません。国の予算を変更する方法の一つが補正予算です。
財政法29条は、法律上・契約上の国の義務に属する経費の不足を補う場合や、予算作成後の事情により特に緊要になった経費などを追加する場合を定めています。追加以外の変更も対象になります。補正という名前は、必ず歳出総額を増やすという意味ではありません。
内閣が案を作成し国会へ提出するため、閣議で案を決めた段階と国会が議決した段階を分けます。成立後も、契約や交付などの執行があります。「補正予算を決定」というニュースでは、誰がどの段階の決定をしたのかが要点です。
予備費は、議決済みの枠を使って不足に対応する
予備費は、予見し難い予算の不足へ備え、予算の中にあらかじめ設ける枠です。国会が枠を議決し、内閣の責任で支出できます。個別の使途を予算成立前にすべて決め切れないことに対応しています。
財政法には、省庁から必要な理由や金額を示し、財務大臣が調整して予備費使用書を作る手続きがあります。使用の決定は原則として閣議を経ますが、あらかじめ閣議で決めた一定の経費について、財務大臣が決める例外もあります。
予備費を使った支出には、事後に国会の承諾を得る必要があります。先に議決した枠があることは、個別支出を全く説明しなくてよいという意味ではありません。また、予備費の使用は既存の枠を配分することであり、それだけで予算の総額を無制限に増やすことはできません。
追加額と、実際に払った額を分ける
補正の追加額と、予備費を使った額を足すときは、何を数えたいかを決めます。補正で予備費を増やし、その枠を後から使った場合、予算追加と支出の使用を別々の新しい財政負担として重ねれば、同じ資金を二度数える可能性があります。
予算の成立額と、その後に実際に支払った額も別です。支払が翌年度へずれる場合などには、同じ年度の予算と決算が一致しません。対策の規模、予算の変更、行政の執行を分けて読むと、何が追加され何が実行されたかが分かりやすくなります。
年度途中のニュースは、使った制度を特定する
まず当初予算、補正予算、予備費使用のどれについてのニュースかを確かめます。次に、案、国会議決、使用の決定、実際の支払のどの段階かを見ます。同じ「決定」でも、決める主体と対象が違います。
必要な支出へ早く対応することと、使途を国会が点検することをどのように両立するかも制度の問いです。手続きが存在することだけで成果を保証せず、法定条件、使った額、届いた結果をそれぞれ確かめます。
- 補正予算
予算の内容を追加・変更し、国会の議決を受ける。
- 予備費
議決済みの枠を使い、支出の事後承諾を受ける。
どちらも、決定した額と実際に支払った額は区別します。
追加する枠と、既存の枠の使用を比べる
架空の年度で、予算総額が100、うち予備費が5とします。予備費から2を使っても、その使用だけで予算総額が102になるわけではありません。既存の5のうち2を具体的な経費へ充てるからです。
別に補正で総額を10増やすことが議決されれば、総額は110になります。実際の支払額や財源は別に確認します。数字は現実の予算額ではなく、枠を増やす変更と枠の使用の違いを示しています。
持ち帰る見方
- 補正予算は予算の追加・変更、予備費は既存枠の使用。
- 国会の事前議決と事後承諾を区別する。
- 追加額と使用額と支払額を重ねて数えない。
次に広がる疑問
- 国の予算は、どのように決まって使われる?
- 一般会計と特別会計を足すと、国の予算総額になる?
順番に読んでいる方へ
出典
財政法(e-Gov法令API取得本文)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/322AC0000000034
確認日:2026-10-04
日本国憲法(衆議院掲載本文)(衆議院)https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm
確認日:2026-10-04
本文の出典・補足
補正予算は、成立した予算の内容を変更する
内閣は財政法29条の法定の場合に補正予算を作成し国会へ提出できる。
- 対象
- 29条、憲法86条
- 条件
- 国の補正予算、追加以外の変更もある
- 例外・限界
- 案の閣議決定を議決/支払と同一視しない。
財政法(e-Gov法令API取得本文)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/322AC0000000034
日本国憲法(衆議院掲載本文)(衆議院)https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm
予備費は、議決済みの枠を使って不足に対応する
予備費は国会議決で設けた枠を内閣の責任で使い、支出に事後の国会承諾を要する。
- 対象
- 憲法87条、財政法35・36条
- 条件
- 予見し難い予算不足、使用書と事後承諾
- 例外・限界
- 法定経費の財務大臣指定等例外。追加予算総額を無制限に増やす制度ではない。
日本国憲法(衆議院掲載本文)(衆議院)https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm
財政法(e-Gov法令API取得本文)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/322AC0000000034
年度途中のニュースは、使った制度を特定する
内閣は財政法29条の法定の場合に補正予算を作成し国会へ提出できる。
- 対象
- 29条、憲法86条
- 条件
- 国の補正予算、追加以外の変更もある
- 例外・限界
- 案の閣議決定を議決/支払と同一視しない。
財政法(e-Gov法令API取得本文)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/322AC0000000034
日本国憲法(衆議院掲載本文)(衆議院)https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm
予備費は国会議決で設けた枠を内閣の責任で使い、支出に事後の国会承諾を要する。
- 対象
- 憲法87条、財政法35・36条
- 条件
- 予見し難い予算不足、使用書と事後承諾
- 例外・限界
- 法定経費の財務大臣指定等例外。追加予算総額を無制限に増やす制度ではない。
日本国憲法(衆議院掲載本文)(衆議院)https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm
財政法(e-Gov法令API取得本文)(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/322AC0000000034