国際関係

輸入材料を使った品物にも、協定の安い関税は使える?

輸入材料を使っただけで、協定の関税優遇を受けられなくなるわけではありません。材料や完成品の分類、生産で付いた価値、加工工程などを、その品目に定める規則で確認します。原産品かどうかと、優遇を申告するための証明・手続も別の条件です。

基本の用語

出荷した国と原産国は同じとは限りません。ここでは協定の原産性を、完成品と材料の関係から判断する基準へ進みます。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

非原産材料と完成品の、何が変わったかを見る

税関の説明は、第三国の材料を使っても、完成品が品目別の実質的変更基準を満たせば原産品となり得るとしています。材料が全て国内産でなければ不可という一つの規則ではありません。どの協定を使い、完成品がどの品目に当たるかを最初に確かめます。

基準には関税分類番号の変更、付加価値、特定の加工工程などがあります。分類変更の基準なら、非原産材料と完成品の番号が、指定された桁の区分で変わったかを比べます。単に商品名が変わった、見た目が違うという判断では代わりになりません。

品目別規則が複数の方法を選択肢として認める場合と、複数の条件を同時に求める場合も区別します。RCEPのHS2022品目表にはCC又はRVC40といった選択式がありますが、全商品でこの二択を使えるわけではありません。表の適用する版と該当する欄を読みます。

域内の原産材料と、非原産材料の価額を分ける

RCEPは、原産材料だけで生産する場合と、非原産材料を使って品目別規則を満たす場合などを定めます。他の締約国で原産性を満たした材料を、生産する締約国の原産材料とみなす累積の規定もあります。域内を運ばれただけの域外材料を、全て原産材料に変える制度ではありません。

域内原産割合を使う場合、RCEPにはFOB価額から非原産材料価額VNMを引き、FOBで割って100を掛ける方式があります。例えば最終産品の価額と材料価額を同じ通貨で対応させます。「国内で働いた時間の割合」や材料の個数の割合を、この価額の式へ代入できません。

FOBや材料価額は協定の定義に沿って扱います。完成品の店頭価格と、別の条件で測った材料の金額を組み合わせると、同じ式でも誤った割合になりえます。また、域内材料の累積を使うなら、その材料自体が他締約国の原産品であることが条件です。

非原産材料価額が600から650へ変わった仮の例では、完成品のFOBを1,000のまま固定しています。完成品の価額も変わるなら、分子と分母の両方を計算し直します。材料額だけが50増えたという比較と、価格全体も上がった比較は別です。個別商品の判定には、その品目に認められる算定方法と関連する要件を対応させます。

品目の条件と、証明を使う手続を両方確認する

割合が基準を満たすことと、関税優遇を実際に要求することは別です。RCEPは原産地証明に基づく特恵待遇の要求や輸入時の申告等を定めています。低価額等の例外もあるため、一律に同じ証明書が必須とせず、使う制度の条件を確認します。

手順としては、協定と品目を決め、材料の原産性と適用基準を確かめ、該当する方法で判定し、証明や記録と申告の条件を確認します。優遇を使う書類がそろっても、完成品が実体の原産性を満たしているかという問いは残ります。

関税の節約を計算する前に、この適用条件を通過できるかを見ます。税関の概説教材の過去の締結件数や特定協定の例を、現在の全品目の条件へ流用しません。架空の割合の検算と、実際の商品の原産性を認定する判断も分けます。

架空の例控除方式の割合を検算する
  • 非原産材料600

    (1,000−600)÷1,000=40%。

  • 非原産材料650

    (1,000−650)÷1,000=35%。

FOB1,000、RVC40を選べる品目と仮定。他の関連要件も確認する。

RVC40を選べると仮定した製品

ある架空の製品に、控除方式で域内原産割合40%以上という品目別規則を使えると仮定します。FOB価額1,000、非原産材料価額600なら、(1,000−600)÷1,000×100=40%です。非原産材料が650なら35%となります。

前者は仮定した割合の条件を満たし、後者は満たしません。ただし、全ての商品の基準が40%という例ではありません。ほかの関連要件、材料の価額の定義、証明と申告の条件も満たすかを確認してから優遇を要求します。

持ち帰る見方

  • 輸入材料の使用だけでは原産性は決まらない。
  • 品目別の基準、累積、価額の定義を対応させる。
  • 原産性の実体と、特恵を要求する手続を両方確認する。

次に広がる疑問

  • 一つの商品の生産が何か国にも分かれるのはなぜ?
  • 関税は外国の会社が払う税金?

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出典

  • 原産地規則の概要(財務省・税関)https://www.customs.go.jp/roo/origin/gaiyou.pdf

    確認日:2026-10-07

  • RCEP協定 第3章 原産地規則(日本語公表訳)(財務省・税関)https://www.customs.go.jp/roo/information/rcep/rcep2.pdf

    確認日:2026-10-07

  • RCEP Product-Specific Rules in HS2022(RCEP Joint Committee / 財務省・税関掲載)https://www.customs.go.jp/roo/information/rcep/PSR.pdf

    確認日:2026-10-07

本文の出典・補足

非原産材料と完成品の、何が変わったかを見る

非原産材料を使っても品目別の実質的変更基準を満たせば原産品となり得て、基準には分類番号変更・付加価値・特定加工工程等がある。

対象
2022年1月を記載する教材の基準説明。現行各品目への適用は別途
条件
EPA等の原産性の基準と手続、分類/付加価値/加工工程
例外・限界
教材の特定EPAの例や締結件数を2026年の最新条件として流用しない
  • 原産地規則の概要(財務省・税関)https://www.customs.go.jp/roo/origin/gaiyou.pdf

RCEPのHS2022品目別表にはCC又はRVC40などの選択式があり、該当品目に適用される要件を読む。

対象
2022-06-30採用/2022-08-20編集、2023-01-01実施版
条件
該当するHS版・商品分類・関連条章の要件を確認
例外・限界
RVC40等は該当品目の要件で全商品共通ではない
  • RCEP Product-Specific Rules in HS2022(RCEP Joint Committee / 財務省・税関掲載)https://www.customs.go.jp/roo/information/rcep/PSR.pdf

域内の原産材料と、非原産材料の価額を分ける

RCEPは原産材料のみの生産と非原産材料を使い品目別規則を満たす生産等を定め、他締約国の原産材料の累積を認める。

対象
RCEP原産地規則の公表本文。対象国への発効を個別確認
条件
原産性には第三章の関連要件全てを満たす。域内材料累積とFOB等の定義を確認
例外・限界
単なる輸送国変更で原産性は生じない。累積を全世界の材料/全加工へ拡張しない
  • RCEP協定 第3章 原産地規則(日本語公表訳)(財務省・税関)https://www.customs.go.jp/roo/information/rcep/rcep2.pdf

RCEPの域内原産割合にはFOBから非原産材料価額を控除する方式等があり、産品全体の売価と非原産材料価額の定義をそろえる。

対象
RCEP原産地規則の公表本文。対象国への発効を個別確認
条件
原産性には第三章の関連要件全てを満たす。域内材料累積とFOB等の定義を確認
例外・限界
単なる輸送国変更で原産性は生じない。累積を全世界の材料/全加工へ拡張しない
  • RCEP協定 第3章 原産地規則(日本語公表訳)(財務省・税関)https://www.customs.go.jp/roo/information/rcep/rcep2.pdf

品目の条件と、証明を使う手続を両方確認する

原産性と関税優遇の要求手続を分け、RCEPでは原産地証明に基づく特恵待遇要求と輸入時の申告等を定める。

対象
RCEP原産地規則の公表本文。対象国への発効を個別確認
条件
原産性には第三章の関連要件全てを満たす。域内材料累積とFOB等の定義を確認
例外・限界
単なる輸送国変更で原産性は生じない。累積を全世界の材料/全加工へ拡張しない
  • RCEP協定 第3章 原産地規則(日本語公表訳)(財務省・税関)https://www.customs.go.jp/roo/information/rcep/rcep2.pdf