政治の仕組み

訴えられた側も、同じ裁判で相手に請求できる?

被告も、本訴の請求や防御の方法に関連する請求を、反訴として同じ裁判所へ出せる場合があります。相手の請求を否定するだけの反論と、自分のために判決を求める反訴は別です。関連性、提出時期、管轄、審理への影響を確認します。

基本の用語

ここでは通常の民事訴訟の反訴を扱います。本訴は先に起こされた訴えです。反訴は被告が原告を相手に起こす訴えで、同じ手続で扱える条件があります。別の訴えを自動で併せる制度だとは考えません。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

反論と相手への請求は違う

民事訴訟法146条は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求に限り、被告が反訴を提起できるとします。時期は口頭弁論の終結までで、提出先は本訴が係属する裁判所です。相手が同じという情報だけでは関連性を確認しきれません。

反論は、原告の請求が認められない理由を述べることです。反訴では、被告自身が原告に一定の支払などを求め、その請求について裁判を求めます。「自分にも被害がある」と述べただけで、当然にその支払請求の訴えを出したことにはなりません。

反訴には訴えに関する規定が適用されます。まず、本訴が求める結論、自分が防御として述べること、自分が別に実現したい結論を分けると、何を反訴として出すのかが明確になります。反訴の提起は、その内容を裁判所が認めた結果とは別です。

関連していても許されない場合がある

関連があっても、反訴の請求が他の裁判所の法定の専属管轄に属する場合や、反訴の提起で著しく手続を遅滞させる場合は、原則として許されません。終結前という時期を満たせば、必ず同じ裁判へ入れられるわけではありません。

ただし、この除外から当事者が合意で定めた専属管轄は外されています。知的財産に関する所定の裁判所の管轄にも特則があります。「専属」と書かれた合意があることだけで、法定専属管轄と同じ結論へ進まないようにします。

手続への影響を考えるときは、反訴で新たに調べる事実や資料と、本訴で既に整理された争点との関係を見ます。関連する取引だから遅延の条件を無視できるとも、証拠が増えれば直ちにすべて不許可とも一般化できません。

海外の関係では管轄も分けて確認する

海外の関係がある場合には、国内の裁判所どうしの管轄と、日本の裁判所がその反訴を扱えるかという国際裁判管轄を分けます。146条3項には、通常は日本の管轄がない請求についての反訴の特則があります。

その特則は、本訴の請求又は防御方法と密接に関連する請求の場合に、反訴を提起できるものです。一方、日本の専属管轄に関する規定によって管轄がない場合は除かれます。通常の関連性という言葉と、この場合の密接な関連性を同一にしません。

本訴の書類を受け取ったとき、単に全部否定するかどうかだけでなく、自分が相手へ何を求めるかも整理します。そのうえで、反論としての主張と、反訴として求める判決の区別を相談できます。反訴が可能かと、実際に請求が認められるかは別の問いです。

被告の対応を分ける
  • 反論

    原告の請求を認めない理由を述べる

  • 反訴

    被告の請求への判決を求める

  • 提起の条件

    関連性・時期・管轄・遅延を確認

反訴の提出は、その請求の勝訴を意味しません。

架空の工事代金と修理費の争い

工事代金を請求された発注者が、工事には不具合があり、自分から修理費の支払を求めたいと考えたとします。「代金を払う義務はない」という反論と、「業者に修理費を払ってほしい」という請求は、求める結論が違います。

後者を反訴として同じ裁判へ出せるかは、本訴や防御との関連性、時期、管轄、著しい遅延の有無を確認します。この例では不具合や修理費の権利が認められると置きません。反訴を出した事実と、工事内容についての判断を分けます。

持ち帰る見方

  • 防御の反論と、自分への支払等を求める反訴を分ける。
  • 関連性だけでなく管轄と手続の段階を確認する。

次に広がる疑問

  • 金額が小さい裁判は、必ず近くの簡易裁判所でできる?
  • 裁判中に請求額や内容を変えても、同じ訴えで続けられる?

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出典

  • 民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109

    確認日:2026-10-07

本文の出典・補足

反論と相手への請求は違う

被告は本訴の請求又は防御方法に関連する請求を、口頭弁論終結まで、本訴の係属裁判所に反訴として提起できる。反訴には訴えの規定が適用される。

対象
日本の反訴の関連性・時点・審理遅延の条件。2026年10月7日現在。
条件
民事訴訟法146条1・4項。
例外・限界
相手の請求を否定しただけで被告の独立請求を提起したことにはならない。
  • 民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109

関連していても許されない場合がある

反訴の請求が他の裁判所の法定専属管轄に属するときや、反訴で著しく手続を遅延させるときは原則として許されない。

対象
日本の反訴の関連性・時点・審理遅延の条件。2026年10月7日現在。
条件
146条1項各号。
例外・限界
当事者が合意した専属管轄は除かれ、知財管轄には2項の特則がある。
  • 民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109

海外の関係では管轄も分けて確認する

反訴への日本の国際裁判管轄が通常はない場合、本訴又は防御方法と密接に関連するときに反訴を提起できる特則がある。

対象
日本の反訴の関連性・時点・審理遅延の条件。2026年10月7日現在。
条件
146条3項。
例外・限界
日本の専属管轄に関する規定によって管轄がない場合は除く。
  • 民事訴訟法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/408AC0000000109