政治の仕組み

違法な状態を見つけたら、役所に処分を求める手続はある?

法令に違反する状態があり、是正のためにすべき処分や行政指導が行われていないと思うときは、行政手続法の「処分等の求め」を利用できる場合があります。申出には違反事実、法令の条項、求める措置などを示します。行政は調査し、必要と認めれば措置をしますが、申出だけで希望した処分が確定するわけではありません。

基本の用語

自分が許可を得るための申請、自分への処分を争う審査請求、他の違反状態の是正を求める申出は、それぞれ入口の異なる手続です。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

申請とも不服申立てとも違う

行政手続法36条の3は、何人も、法令違反の事実の是正のためにされるべき処分や行政指導がされていないと思うとき、権限のある行政庁や行政機関へ申し出て、措置を求められると定めています。自分が元の処分を受けた本人であることだけを前提にした制度ではありません。

ただし、行政指導については、その根拠が法律に置かれているものに限られます。また、行政手続法には適用除外があり、自治体の条例に基づく処分等では条例の制度を確認する必要があります。窓口への全ての苦情や政策変更の要望を、この条文の法定申出として一律に扱えるわけではありません。

申出書では、現に確認したことと、まだ疑いにとどまることを分けて示します。相手が違反しているという結論だけを書くより、その結論の基になる行為や記録を具体化すると、必要な調査が何かも説明しやすくなります。求める措置と、その措置をする権限の根拠も別々の欄として考えます。

違反と求める措置を対応させる

申出は書面で行います。氏名又は名称と住所等に加え、法令に違反する事実の内容、求める処分又は行政指導の内容、その根拠となる法令の条項、措置をすべきだと思う理由、参考事項を記載します。「取り締まってほしい」という希望だけでなく、何がどの規則に反するのかを対応させます。

さらに、求める先がその措置をする権限を持つかを確認します。同じ行政の窓口でも、担当分野や法に基づく権限は異なります。いつ、どこで、どんな事実があり、何を確認したかを整理すると、推測と確認した事実も区別できます。匿名の通報一般と、この記名の申出書による手続を同じものとしません。

調査した結果、必要なら措置をする

法定の申出があった場合、行政庁等は必要な調査を行い、その結果に基づき必要と認めるときは、処分又は行政指導をしなければなりません。申出を受けたことと、調査で違反が確認されたこと、その違反に対してどの措置が必要かという判断には段階があります。

したがって、申出人が処分を求めたことだけで、相手方の違反や処分内容が確定しません。自分への許可申請の結果でも、裁判所による命令でもありません。進み具合を整理する際は、提出した申出書、示した条項と事実、行政が確認した内容、行われた措置を分けて読みます。必要とされる判断を自分の希望で置き換えないことが大切です。

調査の後に行政指導が行われた場合も、それを許可取消しなどの処分と同じ効力だとは読みません。申出が目指した是正と、行政が実際に選んだ措置を比較します。処分等の求めという入口を理解するには、申出人の希望だけでなく、結果として行われた行為の種類まで確認することが必要です。

違反の申出から調査へ(架空の例)

申出人が、ある事業者について法律に反する運営があると考えたとします。申出書では、観察した事実と、違反だと考える法律の条項、権限ある機関に求める措置を分けて示します。

提出が受け付けられたから、その事業者の違反が認定されたとは読みません。行政が必要な調査をした結果、措置が必要かを判断する段階が残ります。

持ち帰る見方

  • 許可申請・審査請求と、違反是正の申出を区別する。
  • 違反事実、法令の条項、求める措置、担当権限を対応させる。

次に広がる疑問

  • 許可を申請したら、役所は何を基準にいつ判断する?
  • 役所からの「お願い」には、必ず従う必要がある?
  • 行政の決定に納得できないとき、何を争える?

順番に読んでいる方へ

学習地図で、ほかの分野とのつながりを見る

出典

  • 行政手続法(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/405AC0000000088

    確認日:2026-10-04

本文の出典・補足

申請とも不服申立てとも違う

何人も、違反事実の是正のためにすべき処分又は行政指導がされていないと思うとき、その権限のある行政庁等へ申出て措置を求められる。行政指導は根拠が法律にあるものに限られる。

対象
行政手続法対象施行版 405AC0000000088_20260724_508AC0000000066
条件
行政手続法36条の3。
例外・限界
3条の適用除外と条例独自制度を確認。個人の希望通りの決定を保証しない。
  • 行政手続法(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/405AC0000000088

違反と求める措置を対応させる

申出書に氏名等、違反事実、求める措置、法令の条項、措置が必要と思う理由、参考事項を記載して提出する。

対象
行政手続法対象施行版 405AC0000000088_20260724_508AC0000000066
条件
36条の3第2項。
例外・限界
匿名通報一般と同じ手続としない。
  • 行政手続法(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/405AC0000000088

調査した結果、必要なら措置をする

申出を受けた行政庁等は必要な調査を行い、その結果、必要があると認めるときは処分又は行政指導をしなければならない。

対象
行政手続法対象施行版 405AC0000000088_20260724_508AC0000000066
条件
36条の3第3項。
例外・限界
申出自体で違反や処分内容が確定しない。
  • 行政手続法(法令API本文)(デジタル庁(e-Gov法令検索))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/405AC0000000088