国際関係
海外から家族への送金は、輸出の代金と同じ収入?
海外で働く人が家族へ送るお金は、輸出した商品の代金とは別です。国際収支では、誰がどの国の居住者で、雇用の報酬か、家族への移転かを区別します。さらに、送った額、手数料、換算レート、家族の受取額を分けないと送金の費用を比べられません。
基本の用語
国際収支は国籍ではなく居住者と非居住者の間の取引を基礎にします。同じ銀行振込という形でも、何の支払いかで項目が変わります。
もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。
- 移民が増えると、働き手と公共負担はどう変わる?移住人数と就業人数、移動と残高を分ける。
給料と、家族への移転は別の段階
海外の雇用者が労働の対価を払うことと、その働き手が出身国の家族へお金を渡すことは別です。輸出代金は商品を渡した見返りですが、家族への送金はその家族が商品や労働を提供した見返りとは限りません。振込があることだけで貿易収入へ入れません。
日本の統計説明では、働く国の居住者になった労働者が出身国等の家族へ行う送金を、第二次所得の個人間移転に記録します。これに対して、雇用関係に基づく労働の報酬は第一次所得の雇用者報酬です。働き手の居住地がどこかによって、国境を越える取引の位置が変わります。
例えば、働き手と雇用者が同じ国の居住者なら、その給料の支払い自体はその国の国内取引です。その後に他国の家族へ渡せば、別の対外移転になります。海外就労という呼び名だけで、給料と家族の受取を二つの同じ国際収入として足すことはできません。
家族への支払いと、業者間の決済を分ける
送金業者を使う場合、送る人は出発側の代理業者へ資金を預け、受取側の業者が家族へ支払う仕組みがあります。IMF掲載の送金解説は、業者間の残高を定期的に決済する場合を説明しています。家族が受け取った瞬間、同じ紙幣が国境を渡ったという仕組みではありません。
この区別は速さを読むときに役立ちます。家族が使えるようになる時点、送る人が支払った時点、業者同士の精算時点はそろうとは限りません。「当日受け取り可能」という条件を、業者間の資金決済が全てその日に終わることへ広げないようにします。
ここで説明しているのは資金移転の一般的な仕組みです。この解説に載る過去の国別送金額や平均費用率を、現在のサービスの料金へ使いません。実際の比較には、送り先、金額、受取方法、支払方法と受取可能日を合わせた見積りが必要です。
表示手数料だけでなく、受取額をそろえる
費用には送金手数料と通貨換算の負担が関わります。表示された手数料が低くても、同じ元手から換算される外貨が少なければ、家族の受取額は少なくなります。手数料の安さと総費用の安さを分ける理由です。
比較するときは、手数料を別に払うのか送金額から引くのか、どの換算レートを使うのかをそろえます。「一万円を送る」と「手数料込みで一万円を支出する」では比較の出発点が違います。受取側の控除がある設定なら、その控除後の金額まで対応させます。
家族が得る所得の種類を確認する統計上の問いと、より多く受け取れるサービスを選ぶ問いは別です。まず給料か移転かを判断し、費用比較では同じ支出、同じ受取通貨と方法を固定します。一つの送金額から、移住の利益全体まで評価したとはしません。
仮の例を逆から見ると、家族へ95外貨を届けるのに必要な総支出を比べる方法もあります。その場合は、同じ受取額を固定して手数料と換算を計算し直します。支出を固定する比較と受取額を固定する比較を途中で混ぜると、安さの基準が変わります。表示された条件から、どちらの比較をしたのかを明らかにします。
同じ一万円を支出する二案
架空の例
送金側の総支出を一万円とし、Aは手数料500円を差し引いた9,500円を、一円=0.010外貨で換算するとします。受取額は95外貨です。Bは手数料200円、残り9,800円を一円=0.0095外貨で換算し、受取額は93.1外貨です。
受取側の追加控除がない条件では、表示手数料の安いBの方が受取額は小さくなります。これは二つの料金を仮に置いた計算で、実際の業者や為替相場を示す値ではありません。
持ち帰る見方
- 給料の支払いと家族への移転を分け、居住者の関係を確認する。
- 家族の受取と業者間の精算は同時とは限らない。
- 総支出と受取通貨をそろえて費用を比べる。
次に広がる疑問
- 貿易赤字なら、国全体が損をしている?
- 円安になると、暮らしに何が起きる?
出典
国際収支関連統計(BPM6準拠)の解説(日本銀行)https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/data/exbpsm6.pdf
確認日:2026-10-07
Remittances: Funds for the Folks Back Home(IMF Finance & Development / Dilip Ratha)https://www.imf.org/en/Publications/fandd/issues/Series/Back-to-Basics/Remittances
確認日:2026-10-07
本文の出典・補足
給料と、家族への移転は別の段階
出身国等の家族へ送る労働者送金は送る人が働く国の居住者になった場合等、第二次所得の個人間移転に区分され、雇用関係による労働の報酬は第一次所得の雇用者報酬と区別する。
- 対象
- 2026-10-07取得の日本のBPM6準拠統計解説
- 条件
- 日本の作成方法。居住者/非居住者と経済的所有を基礎とする
- 例外・限界
- 再投資収益は送金と同じでない。直接投資負債性資本の金融会社等例外、残高その他調整の分類替えを確認
国際収支関連統計(BPM6準拠)の解説(日本銀行)https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/data/exbpsm6.pdf
家族への支払いと、業者間の決済を分ける
送金は送る代理業者・受取側代理業者等を経由し、代理業者間の決済と家族への支払いが同時の資金移動とは限らない。
- 対象
- 取得掲載本文の方法の説明(掲載日2019-02-05、費用表は2011年第3四半期)。現在の費用率や金額に流用しない
- 条件
- 移民から家族等への私的資金と移転の仕組み・費用構成
- 例外・限界
- 過去の国別割合/因果推定/平均手数料は新記事に採用しない
Remittances: Funds for the Folks Back Home(IMF Finance & Development / Dilip Ratha)https://www.imf.org/en/Publications/fandd/issues/Series/Back-to-Basics/Remittances
表示手数料だけでなく、受取額をそろえる
送金の費用には手数料と通貨換算の負担が関わり、送金額と家族が受け取る額を分けて比較する必要がある。
- 対象
- 取得掲載本文の方法の説明(掲載日2019-02-05、費用表は2011年第3四半期)。現在の費用率や金額に流用しない
- 条件
- 移民から家族等への私的資金と移転の仕組み・費用構成
- 例外・限界
- 過去の国別割合/因果推定/平均手数料は新記事に採用しない
Remittances: Funds for the Folks Back Home(IMF Finance & Development / Dilip Ratha)https://www.imf.org/en/Publications/fandd/issues/Series/Back-to-Basics/Remittances