政治の仕組み

無罪になれば、拘束された日々の補償を受けられる?

無罪裁判を受けた人に、未決の拘束や既に受けた刑の執行等について国へ刑事補償を請求する制度があります。ただし、無罪なら誰でも自動的に同じ額が支払われるわけではありません。対象の拘束、除外条件、裁判所への請求、確定日からの期限を確認します。

基本の用語

刑事補償は、無罪等の裁判と拘束・刑執行などを基にする制度です。公務員の違法行為などを問題にする国家賠償とは、入口を区別します。

もう少し詳しく知りたいときは、次の基礎で補えます。

無罪と拘束等が請求の出発点

刑事補償法は、通常手続や再審等で無罪の裁判を受けた人が、法に基づく未決の抑留・拘禁を受けた場合、国への補償請求を認めます。再審等で無罪となり、既に刑の執行等を受けていた場合についても規定があります。無罪判決の有無と、補償の対象になる拘束等があったかを分けて確認します。

補償の全部又は一部をしないことができる場合もあります。捜査等を誤らせる目的で虚偽自白や他の有罪証拠を作り、そのために起訴や拘束等に至った場合や、一つの裁判で一部が無罪でも他が有罪の場合などです。無罪という結果の一語だけで、全対象日について必ず全額と決めないようにします。

免訴や公訴棄却にも、そうした裁判をする理由がなければ無罪となる充分な理由が認められる場合の特則があります。しかし、不起訴という検察官の扱いを、そのままこの法律上の無罪裁判と置き換えられません。ニュースの手続名を保ち、どの制度を調べるべきかを分けることが必要です。

金額と期限を確認して請求する

拘束の日数に応じる補償金は、原則として一日1000円以上1万2500円以下の範囲で裁判所が定めます。拘束の種類と期間、財産上の損失、得るはずだった利益、精神的苦痛や身体の損傷など、諸事情を考慮します。拘束日数に常に上限額を掛けるだけの自動計算ではありません。

請求先は無罪の裁判をした裁判所で、無罪裁判の確定日から3年以内に請求する必要があります。無罪の言渡しを聞いた日と、裁判が確定した日は同じとは限りません。拘束の時期、裁判の内容、確定の時点、請求の対象をそろえると、制度上の条件を確認できます。対象の刑執行の種類によって補償内容も異なるため、拘束の日額の説明を全部へ当てはめません。

国家賠償と同じ損失を二重に受けない

刑事補償法は、国家賠償法など他の法律による損害賠償の請求を妨げないと定めています。一方、同一原因による補償と賠償には金額の差引きの規定があります。二つの制度があるから、同じ原因の損失について常に両方を重ねて全額受け取れるという理解にはなりません。

刑事補償の条件があることと、個別の国家賠償請求の全条件が認められることも別です。無罪が出たことだけで、捜査や裁判のあらゆる行為が違法だったと認定する説明にはできません。求める制度、対象の拘束・行為、既に受けた補償や賠償を分けて整理すると、何をどの根拠で回復するのかが明確になります。

無罪確定後に拘束の日数を確認する(架空の例)

人が、未決拘束を受けた後に無罪裁判が確定したとします。刑事補償では、対象になる拘束の日数等と法定の条件を確認し、無罪裁判をした裁判所へ期限内に請求します。

仮に同一原因で他法の損害賠償も受ける場合、金額の調整を確かめます。日数に上限額を掛けたものを、審査前の確定補償額として扱う例ではありません。

持ち帰る見方

  • 無罪等の裁判、対象拘束、補償の除外・額・期限を分ける。
  • 刑事補償と国家賠償は別の制度で、同一原因の金額には調整がある。

次に広がる疑問

  • 行政の誤りで被害を受けたら、国に賠償を求められる?
  • 判決が確定した後に、新しい証拠が見つかったら?
  • 保釈されると、無罪になったということ?

学習地図で、ほかの分野とのつながりを見る

出典

  • 刑事補償法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/325AC0000000001

    確認日:2026-10-05

本文の出典・補足

無罪と拘束等が請求の出発点

通常手続・再審等で無罪裁判を受けた者の未決拘束、再審等で無罪となった者の刑執行等に刑事補償請求がある。虚偽自白等で捜査を誤らせた場合等に一部又は全部をしない裁量がある。

対象
刑事補償法対象施行版 325AC0000000001_20260521_507AC0000000039
条件
刑事補償法1・3・25条。
例外・限界
不起訴を当然に同法の無罪裁判としない。免訴・公訴棄却も無罪を受ける充分な事由がある場合の特則。
  • 刑事補償法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/325AC0000000001

金額と期限を確認して請求する

拘束の日数について原則1日1000円以上12500円以下の補償金を裁判所が諸事情から定め、請求は無罪裁判をした裁判所へ確定日から3年以内にする。

対象
刑事補償法対象施行版 325AC0000000001_20260521_507AC0000000039
条件
4・6・7条。
例外・限界
日数に常に上限額を掛ける計算ではない。既に他法による賠償がある場合の調整。
  • 刑事補償法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/325AC0000000001

国家賠償と同じ損失を二重に受けない

刑事補償は他法による国家賠償等の請求を妨げないが、同一原因の補償と賠償には差引きの調整がある。

対象
刑事補償法対象施行版 325AC0000000001_20260521_507AC0000000039
条件
刑事補償法5条。
例外・限界
無罪だけで個別の国家賠償の全要件を認めたことにはならない。
  • 刑事補償法(e-Gov法令検索(日本))https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/325AC0000000001